あの時の私へ

雅(miyabi)

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小学生

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両親が離婚した当時は、まだ離婚というものが珍しく
しかも私と母は苗字が違う。転校先のクラスの名簿の親の欄に苗字が違う母の名前が書いてあるのが凄く嫌だった。
今までは学校から帰ったら専業主婦の母がいたが、働き出したので家の鍵を持つようになった。

「お父さんいないからこんなの買ってもらえないよね」と、クラスの裕福で意地悪な子に言われ、とても惨めな気持ちになり泣きながら帰った事もある。
初めての経験だ。

母は、「言い返すくらいになりなさい。そしてあの子はお父さんがいないから…と言われるような事だけはしてはいけないよ」

その時初めて自分の意思を持とうと思った。
強くならないといけないんだと。

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