38 / 80
1章 宇宙遭難編
37話 最近の若者はパン派が多いそうです
しおりを挟む「これはハンバーグなのか? 肉は無かったんじゃないのか?」
テーブルを囲み4人で夕食の時間である、瑠偉は疲れた様子で少しずつ食材を口に運んでいる、麻衣と美憂は嬉しそうに笑顔で食べている。
麻衣と目線があうとニッコリ笑顔をこちらに向けてきた、頼むから関係がバレない様にしてくれよ?
「お肉欲しいって言ったら、テナさんが用意してくれたよ?」
「なんの肉なんだ? 気になるぞ」
「鶏肉じゃないかな? 触った感触がそんなんだったし、おいしいから問題なくない?」
聞けよ美憂、問題あるだろ? 食材も知らずに料理しているのか? 俺は爬虫類の肉は嫌だぞ。いや、この星に生き物居ないって言ってたけどなんの肉だ?
後ろを向き球体に触る。
「リヴァララよ、これは何の肉だ?」
『植物性タンパク質を科学の力で肉に変えております、脂肪分は少ないですが味は保証します』
「そうか、ならいい・・・」
この人工知能は味が解るのか? 疑問だらけなわけだが
ハンバーグを口に入れ隣にある緑色のジャガイモ風の物体を食べる、そろそろ日本食が食いたい、俺は慣れ親しんだ味が無いと落ち着かない。
テーブルを見渡すが彼女達は特に不満そうな表情は無い、こいつらは日本食が恋しくなってきてないのか? 全種類とは言わないが最低でも味噌汁が欲しい、味噌を作る為の発酵期間を考えるとすぐには作れないはずだが、そこは科学の力とやらでなんとかしてくれないだろうか?
「なあ、そろそろ日本食が食いたいと思わないか?」
「私はパン派です」と瑠偉は目線を俺に向けずにそっけなく答える
「私もパンだよー」と麻衣は俺を見ながらニコニコしている。
「私もパンだな、でもおかずの種類は多めかな朝練があるしタンパク質を取らないと筋肉つかないからね」
全員パン派なのか・・・これが現代っ子なのか? せめて美憂はスポーツマンらしく御飯派だと思ったがパンなのか。
「残念ですね、多数決で日本食は却下です」と瑠偉が俺を見る、口元が若干笑っていてイラっときた。
「美優さん、なんとかならないですか?」
「そこ、なんで敬語になるわけ? 美憂、聞かなくていいですよ」
瑠偉は過剰にイライラし過ぎだな。
「怒ってませよ? あと、セクハラ発言したら潰しますからね?」
「まだ、何も言ってないだろ!」
なんだよ、今朝の3日目発言と通話のお願いしますを根に持ってるのか?
まぁいい、今夜は女子3人と温泉に一緒に入れるからな、何年ぶりだろうな若い女性と混浴は…思い出せないな・・・楽しくなってきたぞ。
「なに、ニヤついているんですか? キモいんですけど・・・」
「若き乙女3人と一緒に温泉に入れると思うと楽しくなってきて、つい笑顔が」
「あ・・・ありえなんですけど・・・一緒なわけないでしょう、バカなの?」
「うん、ないない、絶対ない」
瑠偉と美憂が激しく否定してきた、否定発言に乗り遅れた麻衣を見ると俺からそっと視線を外す。
「どうやって温泉の場所に行くつもりだ? 歩いては無理だぞ」
ちょうど食事を終えた瑠偉が立ち上がり俺の後ろにある銀の球体に触れた。
「リヴァララさん、私たちが乗っていた飛行機をここに移動させたみたいな事は可能ですか?」
『可能です、温泉の場所まで転移が可能です』
「では、ではお願いします。あと兼次がここから動かない様に監視をお願いします、兼次に言われても映像の録画も禁止でお願いします」
『了解しました』
一気につまらなくなったな、男女の共同生活なのに今日から一人で入浴か・・・と麻衣を見ると少し申し訳なさそうな顔を見せた。
……
…
食事を終え寛いでいると例の青髪の少年が入ってくる。
『それでは出発しましょう、私の体に触れてください』
少年は発言するが音声はリヴァララそのものである、本当にどういう仕組みなんだろうな。
瑠偉達は少年の体に触れると3人は姿を消した。
「なあ映像見れない?」と銀の球体に触れ話しかける。
『却下されております、辛抱してください』
リヴァララさん誰の味方なのか? 昼間は俺に親身に接してくれていたのにな。
椅子から立ち上がりトイレに向かう、扉を開けると・・・
「なんだこれ? ずいぶん先進的なデザインだな」
男性用便器の下部に蓋の無い洋式便器がのかっている、便座を持ち上げようと手をかけるが動かない、どうやら固定されているようである。
このまま立ってすると絶対便座にかかる、そして女性陣から苦情が来る展開だ、不本意だが座ってするしかないな。
部屋に戻りベットで横になる、相変わらず上には銀の球体が浮かんでいる。
「映像を・・・」
『却下です』
しかたない明日は麻衣で満たすか・・・
……
…
「うぁぁぁっ」と温泉に浸かっている麻衣は突然声を上げる。
「どうした麻衣?」と美憂は心配そうに声をかける。
「なんか背筋に寒気が走った、これは何か嫌な予感が?」
瑠偉は近くにいる青髪の少年に話しかける。
「リヴァララさん、兼次に「映像を」って頼まれましたよね?」
『ご安心ください、却下しました』
「上出来です、ありがとうございます」
……
…
ベットに横になっているといつの間にか寝てしまったようだ「兼次ちゃん、終わったよぉ」と麻衣が俺の体に触り起こしてくれた。
「ふー、退屈だったぞ?」
「私達に言われても困るんだけど?」と美憂は俺を見て困った表情をしている。
そういえば夕食後にテナと話をするんだったな、色々と聞かないといけない、生命の事とか惑星の現状を含めて詳しく聞くぞ。
「リヴァララ、テナを読んでくれ例の話をしたい」
『了解しました、お呼びします』
「例の話って?」
「この惑星についてだ・・・まぁ、お前達も聞いておくといい今後の勉強のためにな」
しばらくすると部屋の扉が開きテナが入ってきた。
「お待たせしました、始めましょうか」
テーブルにあった4つの椅子の間に5つ目の椅子が床からせりあがりテナが腰かけ俺達も座った、4人用テーブルに5人は狭いのか若干窮屈である。
テーブルを見渡すとテナと女子3人は密着しているが俺の両脇には隙間が空いている。
「若干突っ込みたい事があるが・・・まぁいい、始めようか」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記
ノン・タロー
ファンタジー
ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。
これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。
設定
この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。
その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。
魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。
それは、最強の魔道具だった。
魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく!
すべては、憧れのスローライフのために!
エブリスタにも掲載しています。
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さくら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる