75 / 80
2章 地球激闘編
24話 炎上事件
しおりを挟む中条も去り、5人に戻った。勝手に話を進めたが、学校編入は美優が新入生からで、瑠偉が2年生からになる。そこで、テナのサポートをしてもらう事になっている、さすがに本人の前では嫌とは言えないだろう。
「学校の事だが、美憂はテナと新入生で、瑠偉は2年生に編入だな。美憂はもう一回1年生をやることになるが、テナのために我慢してくれ。テナには、なるべく長い学校生活を、楽しんで貰いたいからな」
「そう言う事なら、仕方ないな・・・」
美憂はテナの方を見ながら、何かを確認する様に了承してくれた。美憂と目が合ったテナの表情からは、いつも通り何も感じられなかった。
「私は、皆さんにお任せします」
「じゃあテナよ、早速体を作るかな」
俺は立ち上がり部屋から立ち去ろうとすると、横で麻衣が袖を引っ張る。会話の最中は横に居て気づかなかったが、上から麻衣を見下ろすと胸部の頂点が若干盛り上がっていた。
これはもしかして、ノーブラなのか? サイズが合わなくなったのか・・・
少しだけ責任を感じるので、後でナノマシンの服を与えてやろう。
「あの~、その前に私は、どうして謹慎なの?」
「麻衣は、顔バレしているだろ? この浮遊都市の内部情報は秘匿にするからな」
戦闘の前に報告を聞いただけだったので、麻衣の炎上ブログの内容を見てなかった。公開されていた時間で、浮遊都市の内部情報が、どの程度漏れているか確認しておくか
場合によっては関係者に、記憶操作をしなくてはいけない。
「ララ、麻衣のブログ炎上の内容が知りたい」
「46年前に行方不明になった、飛行機墜落現場の写真が掲載されておりました。そこに麻衣様も映っております。47年前のある事件で、炎上を起こした人物と顔及び胸の大きさが、似ている為、同一人物ではないか? と言う憶測が飛び交っております。現在は、ネットで未来人では? と言う話題で、お祭り騒ぎです」
47年前のある事件が気になるが、浮遊都市の情報は漏れていないようで安心した。隣で「えへへ、有名人」と言う小声が聞こえた。やっぱり反省と言う言葉を、何処かに忘れてきたようである。夜にきっちり教育をしておこう。
「どうせ日本人なら、1年も経てば忘れるだろう? と言う訳で麻衣は1年後に美憂と同じ学年な?」
「えぇ~、いまいち納得いかないだけど・・・」
「麻衣は、少し反省した方がいいぞ。交通事故現場でピースサインと・・・あとは、火事の家の前でもしていたな」
美優が麻衣の発言を遮る様に話しかけた、座高の高さもあって、かなり上から目線だ。
「謹慎でいいんじゃないですか? 歳も取らないことですしね!」
どうやら瑠偉も賛成の様である、しかし冷たいな、過去になんかあったのか?
しかし、事故現場でピースサインか・・・なるほど、これがバカッターってやつか。
今後はここの情報が漏れない様に、こっそり通信監視をしておく必要がある、あとでララに頼んでおこう。
「それじゃあララ、そういう感じで戸籍を作って、中条に連絡しておいてくれ」
「了解しました。あと、住宅等の資金はどう致しましょうか?」
「中条から討伐の報酬を、貰う事になっていたはずなので、中条から適度に頂いてくれ。
それを元手に投資とか、その他の何かで効率的に増やしてくれ」
「その他の方法ですが、仮想通貨のクラックを終えております。最悪それで増やせますが?」
「え、もうそこまでやってるの?」
「地球上のスパコンを含む、全てのコンピューターの能力を足しても、その処理能力は私には遠く及びません。もう、なんていうか余裕です」
そうだったな、地球とは4万年ほどの科学力の差がある。24時間休みなく稼働し続ける自我のあるAIそして、その計算能力は、もう埋められない差になるだろうな。
「よし、資金面は任せた。但し、地上の連中に感づかれっるなよ? ほどほどにな」
「了解しました、ほどほどで辞めておきます」
ではテナの体を作るか、まずは麻衣、瑠偉、美憂のDNAデータを参考にして、俺の中にある地球人の構成データから合成しよう。
「「「痛いっ!」」」
3人から同時に髪の毛1本を頂くと、声が揃ったハモニーが聞けた。そして一斉に俺を睨んでくる、絶対に俺がやったとは限らないのに、直ぐに俺を疑うのは辞めてほしいなホントに。
「では君たちのDNAデータを元に体を作ってくるから、テナは準備しておいてくれ」
「それって・・・」
瑠偉が何やら不満気味の表情をしている、ここは何か言われる前に押し切るか・・・
「君たちのDNAデータを元にすると言う事は、姉妹も同然ってことだ。姉妹なら、助け合うのは当然だよな? お前ら頼んだぞ!」
「なんか、うまい事まとめたわね」
俺は立ち上がり、なにやら言いたそうな3人の顔を拝みながら、テレポートで姿を消すのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。
現世で惨めなサラリーマンをしていた……
そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。
その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。
それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。
目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて……
現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に……
特殊な能力が当然のように存在するその世界で……
自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる