地球から追放されたけど、お土産付きで帰ってきます。

火曜日の風

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2章 地球激闘編

エピローグ 暇になったので旅に出ようかな

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 瑠偉、美憂、テナを送り届けて数日が過ぎた。彼女達は、新学期から通う事になっているので、今頃は家で寛いでいたり、外に出て名古屋の街並みを堪能しているはずだろう。
 一方俺達は、特にする事もなく、浮遊都市で毎日だらだらと過ごしている。

「兼次ちゃん~私の小遣いは? 瑠偉ちゃん達はあるのに、私には無いって変だよね?」

 円形テーブルで俺と麻衣で、食後のティータイムを過ごしている時。スマホの画面を見ながら麻衣が、俺におねだりを始めた。

 ナノマシンの服は、いつでも変更可能で、着れる種類は無限である。食事もララや夜巳が作ってくれる。テレビとかの家電製品も、部屋にそろえた。

 地球上のデジタルデータは、ララのハッキング技術により全て見放題だ。その上紙データも、ナノマシンでデジタルデータにして、見放題になている。

 つまり、浮遊都市に住んで居れば、特にお金を使う必要性はないわけだが・・・
 その金も、中条から報酬を貰ったし、ララが投資とか何やらで増やしてくれている。その金額は・・・聞いてないが、おそらく使い切れない額があるだろう。

「何に使うんだ? ここに住んで居れば、使う店もないだろ?」
「スタミナの回復とか、ガチャも引きたいし」

「ゲームかよ・・・ ララ、麻衣のスマホに電子マネーを10万円入れておいてくれ、次回から毎月な」
「かしこまりました、ご主人様」

 常に俺の右後ろに控えているララは、瑠偉達を送り出した後に、メイド服に変更させている。俺はどうでもよかったのだが、麻衣がどうしても、と言うので変えてもらった。
 あえて突っ込まなかったが、服の変更と同時に口調も変わった。

 しかし、黒をベースとした服に銀髪はよく映える。カチューシャも似合っているし、胸部の膨らみも最高である。まぁ、ロボットなので抱けないのが残念だが・・・

「やたっ! これで、サイツヨを目指せるわ」
「計画的に使えよ?」

 と言った少し後に、うわ最悪とか確率サイテーと言う小声が聞こえてきた。
 早速課金したようだ。ホント・・・ソシャゲの何処が面白いのだろう?

「お待たせー、デザート持ってきましたー」

 出入り口が開き、両手でトレーを持った夜巳が入ってきた。
 テーブルに、白い泡が表面に浮かんでいるテーカップと、小さい金塊型のケーキみたいな物が乗った小皿が置かれ、辺りに香ばしい香りが漂ってくる。

「今日のは? 見たことない菓子? だけど」
「カフェオレとフィナンシェですよ。今日は、フランス風で責めてみました!」

 菓子を取り口に含むと、アーモンドの香りが鼻を通り抜けた。カフェオレで流し込んだが、アーモンドの香りが残っている。隣に座った夜巳は、俺の顔を見上げながら、目を輝かせ俺の一言を待ちわびていた。

 前を見ると、麻衣はスマホを操作しながら、黙ってカフェオレと交互に食している。
 俺が感想を言うしかないのか・・・

「結構なお点前でした」
「ダーリン・・・それ茶道」
「兼次ちゃん・・・お小遣い頂戴」

 スマホをテーブルに置き、カフェオレを飲みながら麻衣が、なにやら可笑しな言葉を吐いてきた。お金を渡してから、5分ほどしか経ってないのだが?

「さっきの10万はどうした?」
「ガチャに消えた」

 恐ろしいな、ソシャゲの課金地獄は・・・

「お前アフォなの? 計画的に使えと言っただろ?」
「だってー、確率おかしいんだよ? ララちゃんー、何とかしてよー」

「ララ、任せた」
「それでは麻衣様、アプリを再起動してください。すべてサイツヨにしておきました」
「ふふふ、これで愚民共を蹂躙出来るわね」

 不敵な笑みを見せながら、スマホの操作を始める麻衣を見ながら、2個目のフィナンシェを口に運ぶ。そしてカフェオレを飲んでいると、ララから報告が始まった。

「ご主人様、国家樹立の宣言について、中条様が協議したいと」
「任せる」

「かしこまりました。農業島の野菜生産についてですが?」
「任せる」

「かしこまりました。キプロスで禁止されていた、生体融合型ロボットを作成したいのですが、許可をください」
「許可する」

「ありがとうございます。私の処理速度増加計画ですが?」
「任せる」

「かしこまりました。浮遊島の戦闘装備はいかが致しましょう?」
「任せる」

「かしこまりました。作成していた、テナ=シエル様の体ですが、どうしましょう?」
「任せる、好きにしろ」
「かしこまりました、ご主人様」

 ふぅ・・・全部丸投げしてしまった、大丈夫だよな?
 麻衣と夜巳が微妙な顔つきで、俺を見つめている。
 まぁ何かが起きた時は、俺の本体で丸呑みすれば、問題解決だしいいだろう。

「それで、兼次ちゃんは何をするの?」
「俺か? ・・・ん~、やることが…な…い…な。
 何と言う事だ! これが、人工知能に仕事を奪われる。と言う社会現象か!」
「ダーリンてば、自ら望んで丸投げしてるんだけど」

 それから、46年分の溜まった映画を見たり。麻衣お勧めの漫画を読んでは、途中で放り投げたりして、くだらない1日が過ぎた。
 そんな夜、麻衣との行為を行おうと2人でベットに入っていた。

「決めた! 暇なので、旅に出るぞ!」
「ついに異世界に行くのね! 早速準備しなくては!」

「前にも言ったけど、異世界とか存在しないからな? 行くのは何処かの惑星だ。ララに見つけさせよう、猫耳の住人が住む惑星をな!」
「おお~、犬耳のイケメン執事を手に入れるのね!」

 麻衣は、犬派か・・・
 そして、なにか妄想を始めたようだな。麻衣は、ニヤニヤしながら動かなくなった・・・

 そんな時、出入り口が開いた。夜巳が来ると思い身構えながら、天井に張り付ける準備を始めたが、夜巳ではなかった。
 そこに立っていたのは、ピンク髪赤目の女性。そう、テナ=シエルにそっくりな外見だ。

「テナ・・・か?」
「いえ、私です。ララです」

 たしか、作っていたテナの生身の体は、好きにしていいと言ったけど。

「もしかして、それが生体融合型ロボットなのか?」
「はい、研究は終えていたので。あとは作成するだけでした。
 そこで、性交渉のデータを取りたいので、ご主人様に協力していただこうかと」

 そう言うと、見た目テナのララが、着ている服を脱ぎ始めた。
 今回は生身の肉体なので、重要な部分もついている。
 そう・・・重要な部分が・・・股間に・・・

「まてまて、付いているじゃねーか! 俺にそんな趣味はない!」

 すぐさま、隣で妄想にふけっている麻衣を叩き起こす。

「行け麻衣! 任せた!」
「え? 何を? へ? テナ・・・・さん? なんで裸なの?
 ・・・つ、付いてる付いてる! ちょっと兼次ちゃん、押さないでよ!」

「よかったな? リアルフ〇〇リとやれて」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

~~~第1部終~~~
第2部へ続きます、作者ページの登録作品からどうぞ♪
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感想 2

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みんなの感想(2件)

madao131
2018.07.11 madao131

面白いです。続きを早くー!

2018.07.14 火曜日の風

うむ、この3連休に気合を入れようかと( 一一)

解除
rpomg
2018.01.21 rpomg

美優
名前の漢字が途中から変わってます

2018.01.21 火曜日の風

現在、それを含めて修正中です。
ありがとうございます。

解除

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