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第30.3話 自分の思い
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(王太子視点)
「随分と間抜けな顔になっているな。まあ、会話を記録されていたなんて思わなかっただろうから当然か。流石はレトスノム公爵家の娘といったところか。恋に溺れるだけの娘ではなかったのだな」
……な、何を言っているんだよ父上は? 言っている意味が全くわからない。
「そ、そんな記録なんてデタラメに決まってる……あ、あのミロアがそんなことに頭が回るなんて……」
「これがその記録だそうだ。どう見てもお前が口にしそうな言動がしっかり記録されているぞ」
父上に手渡されたのは、その記録を記した報告書。それを見て僕は愕然とした。
「……な、なんだよこれ……ここまで……」
そこには僕が屋敷に入った後から出ていくまでの言動がほとんど記されていた。本当に記録されていたということだ。僕がミロアに言ったことまで……
「随分とまあしっかり記録されているとは思わんか? お前が私達に叱られたのを人のせいにしたり、ミロア嬢に拳を振り上げようとして老兵に止められたり脅されたり、見てて面白いくらいだったよ。私が国王でなければな」
「……っ!」
な、なんてことをしてくれたんだ! こ、こんな陰湿な仕打ちをするなんてミロアは最悪だ! あんな奴が僕の婚約者だったなんて!
「あのミロア嬢がここまでするとは……よほどお前に愛想を尽かしたのだろうな。まあ、学園で馬鹿みたいに羽目をはずすような男だから、良き選択を取ったわけか」
「な……な……!」
父上の言い方に僕はカチンと来た。何が良き選択だ! 問題があるのはあいつのほうじゃないか! それなのに何で僕だけが悪いみたいに言われなきゃいけないんだ!
「父上! 問題があるのはミロアの方なんです! あいつはしつこく僕につきまとってきたから僕は嫌気が差して構わなくなったんだ! そのくせに少し突き飛ばしたくらいで愛想つかすなんて馬鹿にしてるだけだ! そんなやつとの婚約なんかこちらから願い下げるべきなんだ!」
「……突き飛ばしたことを認めたな?」
「話をずらさないでください! 突き飛ばされたミロアの落ち度だ! レトスノム公爵家がすごい家かもしれなくてもミロアは女として価値なんかないんだ! あんな頭のおかしい女なんて僕はいらないし、王家だって王妃になられても困るに違いないんだ!」
僕はついカッとなって自分の思いを打ち明けた。でも、後悔はしていない。これで父上もわかってくれると思ったからだ。
「随分と間抜けな顔になっているな。まあ、会話を記録されていたなんて思わなかっただろうから当然か。流石はレトスノム公爵家の娘といったところか。恋に溺れるだけの娘ではなかったのだな」
……な、何を言っているんだよ父上は? 言っている意味が全くわからない。
「そ、そんな記録なんてデタラメに決まってる……あ、あのミロアがそんなことに頭が回るなんて……」
「これがその記録だそうだ。どう見てもお前が口にしそうな言動がしっかり記録されているぞ」
父上に手渡されたのは、その記録を記した報告書。それを見て僕は愕然とした。
「……な、なんだよこれ……ここまで……」
そこには僕が屋敷に入った後から出ていくまでの言動がほとんど記されていた。本当に記録されていたということだ。僕がミロアに言ったことまで……
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「……っ!」
な、なんてことをしてくれたんだ! こ、こんな陰湿な仕打ちをするなんてミロアは最悪だ! あんな奴が僕の婚約者だったなんて!
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「な……な……!」
父上の言い方に僕はカチンと来た。何が良き選択だ! 問題があるのはあいつのほうじゃないか! それなのに何で僕だけが悪いみたいに言われなきゃいけないんだ!
「父上! 問題があるのはミロアの方なんです! あいつはしつこく僕につきまとってきたから僕は嫌気が差して構わなくなったんだ! そのくせに少し突き飛ばしたくらいで愛想つかすなんて馬鹿にしてるだけだ! そんなやつとの婚約なんかこちらから願い下げるべきなんだ!」
「……突き飛ばしたことを認めたな?」
「話をずらさないでください! 突き飛ばされたミロアの落ち度だ! レトスノム公爵家がすごい家かもしれなくてもミロアは女として価値なんかないんだ! あんな頭のおかしい女なんて僕はいらないし、王家だって王妃になられても困るに違いないんだ!」
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