98 / 248
第61.3話 計画通り
しおりを挟む
(宰相の息子視点)
グロンがレトスノム公爵を襲撃して返り討ちにされて捕縛。すぐに処罰が決定してギンベス家からも勘当、当然ガンマ殿下の側近からも外された。その知らせはガンマ殿下と一緒に私も聞かされることとなった。
『そんなっ! グロンが、どうしてそんなことに!?』
自分の側近が愚行を犯して捕まったと聞いて動揺を隠せずにその場で頭を抱えるガンマ殿下。それに対して私は冷静に受け止める体を見せつつも、頭の中では喜んでいた。まったくもって想定どおりなのだから。
正直、グロンの存在は目障りで仕方がなかった。脳筋で馬鹿すぎるのだが、奴の戦闘能力は侮れない。そのうえ同じ側近の私と馬が合わなかったため、近い将来に私の敵として立ちふさがる可能性は大いにあった。
だからこそ、言葉を使ってグロンが勝手に自滅するように仕向けてきたのだ。奴と二人で話している時に、レトスノム公爵家に悪い印象を与えるようにするという実に遠回しな方法で。その結果、思った以上に大事を起こした。これだけのことをすればグロンの父親も騎士団長の地位を辞するだろう。息子のことで責任を感じるのは間違いないからな。
立て続けに喜ぶべきことが起こる。それはガンマ殿下とミロア嬢の婚約破棄が成立し、ガンマ殿下が王太子から外されたのだ。しかも、将来は男爵と聞いたのだから笑いを堪えるのに苦労した。
グロンとガンマ殿下のことはまたたく間に学園にも広まった。そのせいで、ガンマ殿下と私の周りが面倒なことになった。多くの視線を受けたり、陰口を叩かれたり、あからさまに軽んじられたりと状況は一変した。それはミーヤも同じようであり、女子の間では孤立が深くなった。まあ、彼女のことはもういいだろう。元平民の小娘など適当に慰めれば問題はない。
ガンマ殿下は私に八つ当たりするようにもなったが、そんな事を気にしてもいられない。これだけのことが起こったのだから、王家の求心力は随分と低下しただろう。ただでさえ王家の恥さらしが学園で目立つのだから、後は私自身のことを中心に考えていけばいいのだ。
全ては私の計画通りなのだから。
私の狙うはミロア・レトスノム。あのつまらない侯爵令息の報告では彼女は見るからに変わったようだ。これまでガンマ殿下を追いかけるだけの頭お花畑の女ではなくなったようだが、そんなことは些細な問題だ。多少難易度が上がったようだが所詮は女。あのガンマ殿下に惚れるような馬鹿が根本的なところまですぐに変わるはずがない。
なんとしてもミロア嬢を我が物にして公爵家をいのままにしてみせる。この私が王になるために。
グロンがレトスノム公爵を襲撃して返り討ちにされて捕縛。すぐに処罰が決定してギンベス家からも勘当、当然ガンマ殿下の側近からも外された。その知らせはガンマ殿下と一緒に私も聞かされることとなった。
『そんなっ! グロンが、どうしてそんなことに!?』
自分の側近が愚行を犯して捕まったと聞いて動揺を隠せずにその場で頭を抱えるガンマ殿下。それに対して私は冷静に受け止める体を見せつつも、頭の中では喜んでいた。まったくもって想定どおりなのだから。
正直、グロンの存在は目障りで仕方がなかった。脳筋で馬鹿すぎるのだが、奴の戦闘能力は侮れない。そのうえ同じ側近の私と馬が合わなかったため、近い将来に私の敵として立ちふさがる可能性は大いにあった。
だからこそ、言葉を使ってグロンが勝手に自滅するように仕向けてきたのだ。奴と二人で話している時に、レトスノム公爵家に悪い印象を与えるようにするという実に遠回しな方法で。その結果、思った以上に大事を起こした。これだけのことをすればグロンの父親も騎士団長の地位を辞するだろう。息子のことで責任を感じるのは間違いないからな。
立て続けに喜ぶべきことが起こる。それはガンマ殿下とミロア嬢の婚約破棄が成立し、ガンマ殿下が王太子から外されたのだ。しかも、将来は男爵と聞いたのだから笑いを堪えるのに苦労した。
グロンとガンマ殿下のことはまたたく間に学園にも広まった。そのせいで、ガンマ殿下と私の周りが面倒なことになった。多くの視線を受けたり、陰口を叩かれたり、あからさまに軽んじられたりと状況は一変した。それはミーヤも同じようであり、女子の間では孤立が深くなった。まあ、彼女のことはもういいだろう。元平民の小娘など適当に慰めれば問題はない。
ガンマ殿下は私に八つ当たりするようにもなったが、そんな事を気にしてもいられない。これだけのことが起こったのだから、王家の求心力は随分と低下しただろう。ただでさえ王家の恥さらしが学園で目立つのだから、後は私自身のことを中心に考えていけばいいのだ。
全ては私の計画通りなのだから。
私の狙うはミロア・レトスノム。あのつまらない侯爵令息の報告では彼女は見るからに変わったようだ。これまでガンマ殿下を追いかけるだけの頭お花畑の女ではなくなったようだが、そんなことは些細な問題だ。多少難易度が上がったようだが所詮は女。あのガンマ殿下に惚れるような馬鹿が根本的なところまですぐに変わるはずがない。
なんとしてもミロア嬢を我が物にして公爵家をいのままにしてみせる。この私が王になるために。
51
あなたにおすすめの小説
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
婚約破棄された宰相です。 正直、婚約者も宰相も辞めたかったので丁度よかったです
鍛高譚
恋愛
内容紹介
「婚約破棄だ! そして宰相もクビだ!」
王宮の舞踏会で突然そう宣言したのは、女性問題を繰り返す問題王太子ユリウス。
婚約者であり王国宰相でもあるレティシアは、静かに答えた。
「かしこまりました」
――正直、本当に辞めたかったので。
これまで王太子の女性問題の後始末、慰謝料交渉、教会対応、社交界の火消し……
すべて押し付けられていたレティシアは、婚約も宰相職もあっさり辞任。
そしてその瞬間――
王宮が止まった。
料理人が動かない。
書類が処理されない。
伝令がいない。
ついにはトイレの汚物回収まで止まり、王宮は大混乱。
さらに王太子の新たな女性問題が発覚し、教会は激怒。
噂は王都中に広がり、王宮は完全に統治不能に。
そしてついに――
教会・貴族・王家が下した決断は、
「王太子廃嫡」
そして。
「レティシア、女王即位」
婚約破棄して宰相をクビにした結果、
王宮を止めてしまった元王太子の末路とは――?
これは、婚約破棄された宰相が女王になるまでの
完全自業自得ざまぁ物語。
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
婚約破棄ですか?構いませんわ。ですがその契約、すべて我が家のものです
ふわふわ
恋愛
王太子ユリウスは、王立学園の卒業舞踏会で突然宣言した。
「カリスタ・ヴァレリオンとの婚約を破棄する!」
隣には涙を流す義妹ルミレア。
彼女は「姉に虐げられてきた可哀想な令嬢」を演じ、王太子はそれを信じてしまう。
だが――王太子は知らなかった。
ヴァレリオン公爵家が
王国銀行の資金、港湾会社の株式、商人組合の信用保証――
王国経済の中枢を支える契約のほとんどを握っていたことを。
婚約破棄と同時に、カリスタは静かに言った。
「では契約を終了いたします」
その瞬間、王国の歯車は止まり始める。
港は停止。
銀行は資金不足。
商人は取引停止。
そしてついに――
王宮大広間で王太子の公開断罪が始まる。
「私は悪くない!」
「騙されたんだ!」
見苦しく喚き暴れる王太子は、衛兵に取り押さえられ、床を引きずられるようにして連行されていく。
王太子、義妹、義父母。
すべてが破滅したとき、カリスタはただ静かに告げる。
「契約は終わりました」
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる