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第84話 歴史の闇
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御令嬢と婚約解消した兄の方はどうなのだろうか、と。
「だけど、婚約解消になった兄の方はどうなの? 自分の元婚約者と弟が婚約したなんて聞かされれば思うところがあるんじゃないの?」
「……どうも兄の方は御令嬢と親しいわけではなかったようですが、御令嬢の妹と婚約して結婚されていますね。その妹が当時の王妃となりました」
「なっ!? 婚約を解消して妹と結婚した!? もしかして、兄は婚約者の妹の方と仲が良かったの!?」
「それは定かではありませんが……王弟が御令嬢を口説く一ヶ月の間に国王となる兄は御令嬢の妹と婚約されましたね」
「やっぱり兄貴最低!」
「え? あ、兄貴?」
令嬢らしからぬ言葉を発して当時の国王を罵るミロア。ここでもミロアの頭の中で前世の恋愛小説系統の知識が絡んでくる。
(つまり、姉が傷ついて塞ぎ込んでいる最中に、妹が次期国王と婚約した……姉が収まる立場に妹が……それって陰謀なんじゃないの!? 下手をすれば兄と共謀して……まさか!?)
御令嬢は負傷したという。仮にも公爵令嬢がそうそうに顔の半分を火傷することがあり得るだろうか。よほどの存在でなければ公爵家の人間を害することはできないはずだ。同等かそれ以上の立場でなければ。
「御令嬢の顔が火傷した原因は何なの!? もしかして身内のいざこざとかで意図的にそうなったんじゃ、あるいは王家の陰謀とかで……!?」
「いえ、そうではなく……御令嬢の顔は隣国の者のせいで害されたようです。事実、そのことで大きな問題に発展しましたので……」
「……え? 隣国の?」
「当時の隣国でも王位継承争いがあったらしく、向こうの国の姫を当時の我が国の王子に娶らせる目的で御令嬢が襲撃されたようです。顔の火傷はそれが原因かと」
「……隣国でも王位継承争い。当時は血の気の荒い王族が多かったんだ……って、隣国が襲撃?」
隣国の者の手によって当時の公爵令嬢が負傷。しかも令嬢は王子の婚約者であり、負傷が原因で王族の婚約が解消したり新たに決められてしまった。それだけのことがあったのであれば大きな国際問題だ。最悪の場合は……それに気づいたミロアはハッとした。
「ねえ、戦争は当時の王家の方から宣戦布告したのは間違いないわよね?」
「はい」
「その理由は、もしかして……それが原因だったの?」
学園の教科書によれば、戦争そのものはドープアント王国の領地拡大や資源を奪うためだとされ、当時の国王の過ちだったと言うことになっていたが、ミロアはもうそれだけではないと分かってしまった。
「その通りです。婚約者を害された国王と婚約者の妹である王妃が、身内を害されたことに対する隣国への激しい怒りから戦争を起こしたのです」
淡々と告げられた歴史の闇。遂にミロアは闇の深いところにまで踏み込んだのだ。
「だけど、婚約解消になった兄の方はどうなの? 自分の元婚約者と弟が婚約したなんて聞かされれば思うところがあるんじゃないの?」
「……どうも兄の方は御令嬢と親しいわけではなかったようですが、御令嬢の妹と婚約して結婚されていますね。その妹が当時の王妃となりました」
「なっ!? 婚約を解消して妹と結婚した!? もしかして、兄は婚約者の妹の方と仲が良かったの!?」
「それは定かではありませんが……王弟が御令嬢を口説く一ヶ月の間に国王となる兄は御令嬢の妹と婚約されましたね」
「やっぱり兄貴最低!」
「え? あ、兄貴?」
令嬢らしからぬ言葉を発して当時の国王を罵るミロア。ここでもミロアの頭の中で前世の恋愛小説系統の知識が絡んでくる。
(つまり、姉が傷ついて塞ぎ込んでいる最中に、妹が次期国王と婚約した……姉が収まる立場に妹が……それって陰謀なんじゃないの!? 下手をすれば兄と共謀して……まさか!?)
御令嬢は負傷したという。仮にも公爵令嬢がそうそうに顔の半分を火傷することがあり得るだろうか。よほどの存在でなければ公爵家の人間を害することはできないはずだ。同等かそれ以上の立場でなければ。
「御令嬢の顔が火傷した原因は何なの!? もしかして身内のいざこざとかで意図的にそうなったんじゃ、あるいは王家の陰謀とかで……!?」
「いえ、そうではなく……御令嬢の顔は隣国の者のせいで害されたようです。事実、そのことで大きな問題に発展しましたので……」
「……え? 隣国の?」
「当時の隣国でも王位継承争いがあったらしく、向こうの国の姫を当時の我が国の王子に娶らせる目的で御令嬢が襲撃されたようです。顔の火傷はそれが原因かと」
「……隣国でも王位継承争い。当時は血の気の荒い王族が多かったんだ……って、隣国が襲撃?」
隣国の者の手によって当時の公爵令嬢が負傷。しかも令嬢は王子の婚約者であり、負傷が原因で王族の婚約が解消したり新たに決められてしまった。それだけのことがあったのであれば大きな国際問題だ。最悪の場合は……それに気づいたミロアはハッとした。
「ねえ、戦争は当時の王家の方から宣戦布告したのは間違いないわよね?」
「はい」
「その理由は、もしかして……それが原因だったの?」
学園の教科書によれば、戦争そのものはドープアント王国の領地拡大や資源を奪うためだとされ、当時の国王の過ちだったと言うことになっていたが、ミロアはもうそれだけではないと分かってしまった。
「その通りです。婚約者を害された国王と婚約者の妹である王妃が、身内を害されたことに対する隣国への激しい怒りから戦争を起こしたのです」
淡々と告げられた歴史の闇。遂にミロアは闇の深いところにまで踏み込んだのだ。
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