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39.追い打ち?
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「貴方の話を聞く限り、もっと早く家出してもおかしくなかったように聞こえるのですよ。なのに今になって行動を起こした。そのきっかけが彼女の心を傷つけた貴方自身だと思わないのですか?」
「なっ!? 私がとどめをさしたというのはそういうことですか!?」
カーズは頭を打たれたような衝撃を受けた。つまり、国王と王妃が言いたいのは、サエナリアに家出する決意をさせたのはカーズの言葉のだということだ。カーズのせいでサエナリアが家出した、と。
「(何を言うんだ父上と母上は!)どういうことですか、何故俺、いや、私のせいだと!?」
「ここまで言ってまだ気づかんか!」
息子の馬鹿さ加減が嫌になる国王はどう説明すればいいか分からない。ただ、王妃は怒りを抑えて丁寧に説明した。
「サエナリア嬢はただでさえ最悪の家庭にいたのに、学園で貴方に酷いことを言われて居場所を失ったと思ったのではなくて? 元々、学園で貴方が彼女を見なくなったせいで浮いた存在になっていたでしょうに、更に追い打ちをかけた。貴方にそこまで酷いことを言われたサエナリア嬢は孤立してしまったのでしょう。王族に嫌われてしまうということはそういうことよ」
「そんな!(ガーン!)」
「そんなではない! 言われて初めて気づいたようだがもう遅いわ!」
実の親に叱責されてカーズは、サエナリアの家出が自分のした仕打ちも原因だということに気付いて絶望した。
「(な、何ということだ……考えもしなかった……俺にも原因があっただなんて……)」
言われてみればそうだった。カーズがマリナを懇意にしたことで、学園でサエナリアとの三角関係を面白おかしく噂する者は多かった。ある者は憐れみを、ある者は怒りを、ある者は嘲笑を、ある者は野心を、様々な思惑をもって噂が流れたものだった。カーズも噂に踊らされてサエナリアを罵ったのだ。その結果、彼に近しい二人の女性が離れることになってしまった。
カーズの様子から己のした意味をようやく理解したな、と思った国王は更に追い討ちをかける。
「カーズ、愚かなる息子よ。お前がこんなに大馬鹿者だったとは思わなかったぞ。サエナリア嬢の捜索はしてやる。だが、今のお前をその先導役に出すわけにはいかん。むしろじっとしてもらった方がいい。お前には自室で謹慎を命じる」
「なっ、そんな……! 俺は償いがしたいのです、何卒、父上!」
無情にも、カーズに追い打ちをかけるのは国王だけではない。
「陛下の言う通りにしなさい。貴方にそんな資格はありません」
「母上ぇ……っ!」
国王と王妃は、たとえ父上母上と訴えかけられても、絶望して酷い顔をしている息子の願いを親として叶えるわけにはいかなかった。今のカーズは暴走しがちだ。頭を冷やして身の振り方を考えたほうがいいと判断したのだ。
「なっ!? 私がとどめをさしたというのはそういうことですか!?」
カーズは頭を打たれたような衝撃を受けた。つまり、国王と王妃が言いたいのは、サエナリアに家出する決意をさせたのはカーズの言葉のだということだ。カーズのせいでサエナリアが家出した、と。
「(何を言うんだ父上と母上は!)どういうことですか、何故俺、いや、私のせいだと!?」
「ここまで言ってまだ気づかんか!」
息子の馬鹿さ加減が嫌になる国王はどう説明すればいいか分からない。ただ、王妃は怒りを抑えて丁寧に説明した。
「サエナリア嬢はただでさえ最悪の家庭にいたのに、学園で貴方に酷いことを言われて居場所を失ったと思ったのではなくて? 元々、学園で貴方が彼女を見なくなったせいで浮いた存在になっていたでしょうに、更に追い打ちをかけた。貴方にそこまで酷いことを言われたサエナリア嬢は孤立してしまったのでしょう。王族に嫌われてしまうということはそういうことよ」
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