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66.風紀委員の立場?
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ウィンドウ学園の校舎は3学年ごとで別々に分かれている。一年生は第一校舎、二年生は第二校舎、三年生は第三校舎で学ぶことになっている。
つまり、学年が上がるたびに校舎が変わるということだ。そんな仕組みが存在するのは、校舎が変わることによって学ぶことへの緊張感を持ってもらうとか、貴族になる覚悟を養うためだとか、環境が変わることに対する適応能力を育てるとか、上級生による下級生に対する圧力をなくすとか、理由はさまざまである。
ただ、そのような仕組みのせいで他学年での情報交換が上手くいかないという問題もある。また、別の校舎に行くためには教師の許可が必要になる。しかも、よほどの許可が下りない限りその許可はもらえない。たとえそれが有力貴族の子供や留学生、王家の者であってもだ。
ただし、例外として生徒会や風紀委員と言った委員会は教師の許可なしで自由に行き来できる。委員会に入れる者は極めて優秀な生徒として認められたことであり、委員会に入った時点で教師に許可をもらったようなものなのだ。極端な話、委員会に所属していない限り、全体的に自由に情報収集ができない。
だからこそ、この三人は自由に行動できるということだ。ナシュカと側近の二人は風紀委員に所属していた。風紀委員の立場であれば教師の許可はいらないのだ。ちなみに三人とも貴族の権力ではなく個人の実力で風紀委員に入っている。
「こういう時にも風紀委員の立場って役に立つよな。面倒な教師の許可を取りに行かなくて済むし」
「バート、私語はなるべく慎みなさい。風紀委員としてふさわしいふるまいを常に心がけなさい」
「分かってるよ。仮にも三年の校舎に行くんだ。緊張して嫌でも大人しくしてるさ」
第三校舎に向かう途中で、バートとバイラが廊下を歩きながら話している間にも、ナシュカは考え事をしていた。
「(さて、マリナ様という方には知ってること全部しゃべってもらおうか。カーズ兄さんをしばらく再起不能にするためにもね。願わくばサエナリア様の居場所を知っていればいいんだけどね)」
ナシュカの目的はサエナリアの捜索だけではなかった。王族としてあるまじき行為に走った兄のカーズに罰を与えたいと思い、捜索のついでにカーズを取り巻く人間関係を暴こうとしているのだ。マリナは三角関係の中心人物の一人と言ってもいいから重要な参考人になるはずだ。だからこそ、ナシュカは真っ先にマリナに目をつけた。
「(サエナリア様は行方知らず、カーズ兄さんは謹慎。消去法で言えばマリナ様だ。もうすぐ王家の意向で事情聴衆が始まるだろうけど、その前に僕が直に聞いてみないとね)」
いい意味でも悪い意味でもナシュカはマリナに会うのを楽しみにしていた。だがこの後、ナシュカは予想外の展開に何度も驚くことになってしまうことになる。
つまり、学年が上がるたびに校舎が変わるということだ。そんな仕組みが存在するのは、校舎が変わることによって学ぶことへの緊張感を持ってもらうとか、貴族になる覚悟を養うためだとか、環境が変わることに対する適応能力を育てるとか、上級生による下級生に対する圧力をなくすとか、理由はさまざまである。
ただ、そのような仕組みのせいで他学年での情報交換が上手くいかないという問題もある。また、別の校舎に行くためには教師の許可が必要になる。しかも、よほどの許可が下りない限りその許可はもらえない。たとえそれが有力貴族の子供や留学生、王家の者であってもだ。
ただし、例外として生徒会や風紀委員と言った委員会は教師の許可なしで自由に行き来できる。委員会に入れる者は極めて優秀な生徒として認められたことであり、委員会に入った時点で教師に許可をもらったようなものなのだ。極端な話、委員会に所属していない限り、全体的に自由に情報収集ができない。
だからこそ、この三人は自由に行動できるということだ。ナシュカと側近の二人は風紀委員に所属していた。風紀委員の立場であれば教師の許可はいらないのだ。ちなみに三人とも貴族の権力ではなく個人の実力で風紀委員に入っている。
「こういう時にも風紀委員の立場って役に立つよな。面倒な教師の許可を取りに行かなくて済むし」
「バート、私語はなるべく慎みなさい。風紀委員としてふさわしいふるまいを常に心がけなさい」
「分かってるよ。仮にも三年の校舎に行くんだ。緊張して嫌でも大人しくしてるさ」
第三校舎に向かう途中で、バートとバイラが廊下を歩きながら話している間にも、ナシュカは考え事をしていた。
「(さて、マリナ様という方には知ってること全部しゃべってもらおうか。カーズ兄さんをしばらく再起不能にするためにもね。願わくばサエナリア様の居場所を知っていればいいんだけどね)」
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