56 / 71
おまけ6 第38話補足
しおりを挟む
バニアに迫ろうとしたカリブラは突然気を失った。バニアの『陰』がバニアを守るために気づかれぬように何かしらの方法でカリブラを眠らせたのだ。
「……。……」
「また、こいつが喚いたのか。って、今度はこんな所で居眠り!? ……なんてやつだ全く」
カリブラのことをある程度知る男性教師が顔を顰めてカリブラを睨む。どうやらかなり不満に思っているようだが、立場上放っておくワケにもいかないため渋々嫌そうに保健室に運ぶことにした。
「あ~、君たち、カリブラのことでなにか知ってるか?」
「いえ、カリブラが突然寝込んでしまわれて、私達もよくわかりません」
教師に質問を投げられたアスーナたち。答えたのはバニアだが、彼女は白々しく何も知らないと言った。ただ、立場もあるため『自分の護衛が気絶させました』などとバカ正直に言うつもりもない。
一方、教師の方もそれ以上追求するつもりもなかった。どうぜカリブラだからと大事にしなくても大丈夫だと判断したのだ。いざとなればカリブラの責任でいいだろうという打算もあって。
「そうか分かった。じゃあこいつは私が保健室まで運ぶから君たちはそのまま授業に出なさい」
「はい。先生もお疲れ様です」
こうしてカリブラとソルティアが持ちかけた『婚約の交換』という話は強制的に終わった。カリブラは教師によって保健室に運ばれることになるのだが、起きた後で喚きまくるのであった。
◇
「……あい」
「あ?」
「……あい……ミス……ゆー……」
「?? 何いってんだこいつ?」
「ぷっ」
カリブラは保健室のベッドで眠っている最中、寝言を聞かれてしまうのであった。カリブラを運んだ教師と保健室の教師、保健室で手当を受けている生徒にまで。思わず笑いが吹き出してしまうくらいカリブラは寝言を吐くのであった。
「あい……ラブ……ミス……ゆー……」
「?? 何言ってるんだこいつ? 夢の中でアスーナ嬢かソルティア嬢に告白でもしてんのか?」
「ですが、ラブの後にミスってどういうことなんでしょう? 一種のイタズラでしょうか?」
「ぷぷっ、ラブにミス……くくくっ」
この後カリブラは呆れた教師に強制的に起こされて喚き散らすのだが、怒った教師に寝坊と判断されてこの話は終わるのであった。カリブラの見に何が起こったか分からずじまいのまま。本来こういうことはほうっておくべきことではないのだが、カリブラの日頃の行いの悪さが要因で深く調べられることはなかった。
カリブラは納得いかなかったが、それどころではいかなくなっていた。実は、保健室で手当を受けていた生徒がカリブラが保健室で寝ていたことを広めてしまったのだ。おまけに寝言まで正確に伝えて広まってしまったために、カリブラは『寝坊令息』とか『寝言令息』とか『告白令息』とか言われるようになってしまった。
「ふ、ふざけんなよ! なんでこの僕がそんな屈辱的な……畜生! どこのどいつだ! この僕が寝言で告白なんて馬鹿にすんな!」
寝言のことなど覚えていないカリブラは根も葉もない噂だと言うが、噂はもう学園中に広まってしまい、カリブラが違うと言ってももう遅い状況だった。
「畜生! こんな屈辱は生まれて初めてだ! それもこれもあのバニア・モタスのせいだ! 絶対に許せない! 生きることすら後悔するほどの恥辱を与えてやるんだ!」
カリブラはバニアに対する復讐を誓った。しかし、その復讐がカリブラの破滅への入口であったのだ。
「……。……」
「また、こいつが喚いたのか。って、今度はこんな所で居眠り!? ……なんてやつだ全く」
カリブラのことをある程度知る男性教師が顔を顰めてカリブラを睨む。どうやらかなり不満に思っているようだが、立場上放っておくワケにもいかないため渋々嫌そうに保健室に運ぶことにした。
「あ~、君たち、カリブラのことでなにか知ってるか?」
「いえ、カリブラが突然寝込んでしまわれて、私達もよくわかりません」
教師に質問を投げられたアスーナたち。答えたのはバニアだが、彼女は白々しく何も知らないと言った。ただ、立場もあるため『自分の護衛が気絶させました』などとバカ正直に言うつもりもない。
一方、教師の方もそれ以上追求するつもりもなかった。どうぜカリブラだからと大事にしなくても大丈夫だと判断したのだ。いざとなればカリブラの責任でいいだろうという打算もあって。
「そうか分かった。じゃあこいつは私が保健室まで運ぶから君たちはそのまま授業に出なさい」
「はい。先生もお疲れ様です」
こうしてカリブラとソルティアが持ちかけた『婚約の交換』という話は強制的に終わった。カリブラは教師によって保健室に運ばれることになるのだが、起きた後で喚きまくるのであった。
◇
「……あい」
「あ?」
「……あい……ミス……ゆー……」
「?? 何いってんだこいつ?」
「ぷっ」
カリブラは保健室のベッドで眠っている最中、寝言を聞かれてしまうのであった。カリブラを運んだ教師と保健室の教師、保健室で手当を受けている生徒にまで。思わず笑いが吹き出してしまうくらいカリブラは寝言を吐くのであった。
「あい……ラブ……ミス……ゆー……」
「?? 何言ってるんだこいつ? 夢の中でアスーナ嬢かソルティア嬢に告白でもしてんのか?」
「ですが、ラブの後にミスってどういうことなんでしょう? 一種のイタズラでしょうか?」
「ぷぷっ、ラブにミス……くくくっ」
この後カリブラは呆れた教師に強制的に起こされて喚き散らすのだが、怒った教師に寝坊と判断されてこの話は終わるのであった。カリブラの見に何が起こったか分からずじまいのまま。本来こういうことはほうっておくべきことではないのだが、カリブラの日頃の行いの悪さが要因で深く調べられることはなかった。
カリブラは納得いかなかったが、それどころではいかなくなっていた。実は、保健室で手当を受けていた生徒がカリブラが保健室で寝ていたことを広めてしまったのだ。おまけに寝言まで正確に伝えて広まってしまったために、カリブラは『寝坊令息』とか『寝言令息』とか『告白令息』とか言われるようになってしまった。
「ふ、ふざけんなよ! なんでこの僕がそんな屈辱的な……畜生! どこのどいつだ! この僕が寝言で告白なんて馬鹿にすんな!」
寝言のことなど覚えていないカリブラは根も葉もない噂だと言うが、噂はもう学園中に広まってしまい、カリブラが違うと言ってももう遅い状況だった。
「畜生! こんな屈辱は生まれて初めてだ! それもこれもあのバニア・モタスのせいだ! 絶対に許せない! 生きることすら後悔するほどの恥辱を与えてやるんだ!」
カリブラはバニアに対する復讐を誓った。しかし、その復讐がカリブラの破滅への入口であったのだ。
1
あなたにおすすめの小説
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
王妃ですが都からの追放を言い渡されたので、田舎暮らしを楽しみます!
藤野ひま
ファンタジー
わたくし王妃の身でありながら、夫から婚姻破棄と王都から出て行く事を言い渡されました。
初めての田舎暮らしは……楽しいのですが?!
夫や、かの女性は王城でお元気かしら?
わたくしは元気にしておりますので、ご心配御無用です!
〔『仮面の王と風吹く国の姫君』の続編となります。できるだけこちらだけでわかるようにしています。が、気になったら前作にも立ち寄っていただけると嬉しいです〕〔ただ、ネタバレ的要素がありますのでご了承ください〕
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
治癒魔法で恋人の傷を治したら、「化け物」と呼ばれ故郷から追放されてしまいました
山科ひさき
恋愛
ある日治癒魔法が使えるようになったジョアンは、化け物呼ばわりされて石を投げられ、町から追い出されてしまう。彼女はただ、いまにも息絶えそうな恋人を助けたかっただけなのに。
生きる希望を失った彼女は、恋人との思い出の場所で人生の終わりを迎えようと決める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる