16 / 26
本編(2025)
第6回「テレビ」
しおりを挟む
ピノア「ねーミカナ、最近のテレビってなんかつまんなくない?」
ミカナ「分かる。でもね、それ言うと『昔はよかったおばさん』扱いされるから注意な? あと、若い子とか、まだテレビ観てるの? って言ってきたりする子がいるから、テレビを観てるのが恥ずかしいことになりつつある……」
ピノア「サトシが言ってたんだけど、昔のバラエティってめっちゃ無茶してたらしいじゃん? ビデオ見せてもらったときは大笑いしたよ? 今はなんか…お行儀よくなりすぎじゃない?」
ミカナ「コンプライアンスが厳しいからね。痛いとか熱いとか辛いとかダメなんだって。昔みたいに芸人が熱湯に落とされたりするのはもうNGらしいよ」
ピノア「えー、それが面白かったのに!」
ミカナ「スギちゃんのワイルドネタにすら、子どもが真似するからやめろって、ヤバい親からクレーム入るらしい。今の子どもはスギちゃんがなんであの格好してるのかもわからなくなってるって……」
ピノア「マジか……愛知が生んだスーパースターを最近中京テレビでしか見ないのは、そういう理由があったのか……加藤春彦にもきっと何か理由があるんだな……ん?あるのか?」
ミカナ「愛知が生んだスーパースターは宮下草薙の草薙くんだからな? あの母性本能をくすぐってくる感じがたまらん……まあ、熱湯風呂とかは見てる分には楽しいし、リアクション芸の人はやりたいだろうけど、センス系の人にとっては地獄だと思うから…あと草薙くん、謎に乳首NGだし、草薙くんの乳首が見れないなら熱湯風呂なんかいらない……」
ピノア「まさかミカナがそこまで草薙のことを好きだったとは……強力なライバルがこんなところに……いや、今はやめておこう……」
ミカナ「丸聞こえなんだが? わたしの草薙くんを呼び捨てするような奴には草薙くんは渡さんよ?」
ピノア「う~~ん、あ、異世界ならおもしろいバラエティ番組やれるかも」
ミカナ「え? 異世界にもバラエティ番組ってあるの? ジパングにはなかったよ? エウロペにはあったの? どんなやつ?」
ピノア「エウロペにもテレビはなかったよ? だからバラエティも。でも、城下町の広場でたまにとか、お祭りのときくらいしか見れなかったけど、例えばドラゴンの背中に乗って、振り落とされるまでの時間を競うゲームとか」
ミカナ「それもうスポーツじゃないじゃん。命がけの試練じゃん。竜騎士がドラゴンに認められるためにやるやつじゃん」
ピノア「あれ? 竜騎士07って人いるじゃん? ひぐらしとかうみねことかの。あの人も実は異世界帰還者で、向こうであのゲームに挑戦したけど0.7秒しか持たなかったから、ああいう名前なのかな?」
ミカナ「違うと思うよ?」
ピノア「あとは、スライム風呂にどれだけ長く浸かっていられるか選手権とかおもしろかったなぁ」
ミカナ「スライムの種類によっては溶けるやつじゃん!!!」
ピノア「そういうスリルが大事なんだよ!」
ミカナ「いや、日本のテレビはもうそういうのやらないの! 今はクイズ番組とか世界衝撃映像とか、昭和や平和の歌番組がメインだから」
ピノア「でもクイズってさ、結局『この芸能人、バカでした~』みたいなのばっかじゃん?」
ミカナ「それはまあ…そうだね」
ピノア「でしょ? だったらいっそ、『異世界の常識クイズ』とかやればいいのに」
ミカナ「え、何それ。例えば、どんなの?」
ピノア「『オークの肉を美味しくする下処理の方法は?』とか」
ミカナ「出演者も視聴者も誰も正解できないやつじゃん」
ピノア「えー? じゃあ、『アンデッドが苦手なものは何? 1.聖水、2.太陽光、3.アイドルの笑顔』とか?」
ミカナ「最後の選択肢の意味がわからん。あと、聖水と太陽光、どっちも効くんじゃないの?」
ピノア「いや、聖水は引っかけだから。3のアイドルのおしっこだから」
ミカナ「おしっこが聖水な時点で、それはもうゴールデンじゃなくて深夜枠なんよ」
ピノア「ちなみにアンデッドも引っかけで、引きこもりでニートのネットにかじりついてるオジサンのことだからね?」
ミカナ「あー、じゃあ、太陽光が正解なんだー、じゃないし!」
ピノア「絶対面白いと思うんだけどなー」
ミカナ「まぁ、正直わたしも見てみたい。こわいもの見たさだけど」
ピノア「でしょ!? あとさ、ドラマとかも最近パターン同じじゃない?」
ミカナ「刑事ものとお仕事ものばっかだよね」
ピノア「異世界ドラマやればいいのに!」
ミカナ「異世界転生ものとかはアニメであるけどね」
ピノア「じゃなくて、ガチの異世界ドキュメンタリー!」
ミカナ「ガチで異世界行けるなら、それもうニュース案件だよ?」
ピノア「えー、じゃあせめて異世界グルメ番組とか!」
ミカナ「『本日の食材はこちら! ゴブリンの太もも!』とか?」
ピノア「そうそう! で、『臭みを取るにはスライムエキスを使いましょう~』とかやるの!」
ミカナ「意外とアリかも……」
ピノア「でしょ? もうさ、日本のテレビって、異世界に頼るしかなくない?」
ミカナ「頼るって何?」
ピノア「もういっそ、わたしたちで番組作ろうよ!」
ミカナ「うん、それやる前にとりあえず寝よっか」
ピノア「じゃあ、今日はわたしが寝かしつけてあげる。そのあとミカナで出汁を取るね?」
ミカナ「えっ……」
ミカナ「分かる。でもね、それ言うと『昔はよかったおばさん』扱いされるから注意な? あと、若い子とか、まだテレビ観てるの? って言ってきたりする子がいるから、テレビを観てるのが恥ずかしいことになりつつある……」
ピノア「サトシが言ってたんだけど、昔のバラエティってめっちゃ無茶してたらしいじゃん? ビデオ見せてもらったときは大笑いしたよ? 今はなんか…お行儀よくなりすぎじゃない?」
ミカナ「コンプライアンスが厳しいからね。痛いとか熱いとか辛いとかダメなんだって。昔みたいに芸人が熱湯に落とされたりするのはもうNGらしいよ」
ピノア「えー、それが面白かったのに!」
ミカナ「スギちゃんのワイルドネタにすら、子どもが真似するからやめろって、ヤバい親からクレーム入るらしい。今の子どもはスギちゃんがなんであの格好してるのかもわからなくなってるって……」
ピノア「マジか……愛知が生んだスーパースターを最近中京テレビでしか見ないのは、そういう理由があったのか……加藤春彦にもきっと何か理由があるんだな……ん?あるのか?」
ミカナ「愛知が生んだスーパースターは宮下草薙の草薙くんだからな? あの母性本能をくすぐってくる感じがたまらん……まあ、熱湯風呂とかは見てる分には楽しいし、リアクション芸の人はやりたいだろうけど、センス系の人にとっては地獄だと思うから…あと草薙くん、謎に乳首NGだし、草薙くんの乳首が見れないなら熱湯風呂なんかいらない……」
ピノア「まさかミカナがそこまで草薙のことを好きだったとは……強力なライバルがこんなところに……いや、今はやめておこう……」
ミカナ「丸聞こえなんだが? わたしの草薙くんを呼び捨てするような奴には草薙くんは渡さんよ?」
ピノア「う~~ん、あ、異世界ならおもしろいバラエティ番組やれるかも」
ミカナ「え? 異世界にもバラエティ番組ってあるの? ジパングにはなかったよ? エウロペにはあったの? どんなやつ?」
ピノア「エウロペにもテレビはなかったよ? だからバラエティも。でも、城下町の広場でたまにとか、お祭りのときくらいしか見れなかったけど、例えばドラゴンの背中に乗って、振り落とされるまでの時間を競うゲームとか」
ミカナ「それもうスポーツじゃないじゃん。命がけの試練じゃん。竜騎士がドラゴンに認められるためにやるやつじゃん」
ピノア「あれ? 竜騎士07って人いるじゃん? ひぐらしとかうみねことかの。あの人も実は異世界帰還者で、向こうであのゲームに挑戦したけど0.7秒しか持たなかったから、ああいう名前なのかな?」
ミカナ「違うと思うよ?」
ピノア「あとは、スライム風呂にどれだけ長く浸かっていられるか選手権とかおもしろかったなぁ」
ミカナ「スライムの種類によっては溶けるやつじゃん!!!」
ピノア「そういうスリルが大事なんだよ!」
ミカナ「いや、日本のテレビはもうそういうのやらないの! 今はクイズ番組とか世界衝撃映像とか、昭和や平和の歌番組がメインだから」
ピノア「でもクイズってさ、結局『この芸能人、バカでした~』みたいなのばっかじゃん?」
ミカナ「それはまあ…そうだね」
ピノア「でしょ? だったらいっそ、『異世界の常識クイズ』とかやればいいのに」
ミカナ「え、何それ。例えば、どんなの?」
ピノア「『オークの肉を美味しくする下処理の方法は?』とか」
ミカナ「出演者も視聴者も誰も正解できないやつじゃん」
ピノア「えー? じゃあ、『アンデッドが苦手なものは何? 1.聖水、2.太陽光、3.アイドルの笑顔』とか?」
ミカナ「最後の選択肢の意味がわからん。あと、聖水と太陽光、どっちも効くんじゃないの?」
ピノア「いや、聖水は引っかけだから。3のアイドルのおしっこだから」
ミカナ「おしっこが聖水な時点で、それはもうゴールデンじゃなくて深夜枠なんよ」
ピノア「ちなみにアンデッドも引っかけで、引きこもりでニートのネットにかじりついてるオジサンのことだからね?」
ミカナ「あー、じゃあ、太陽光が正解なんだー、じゃないし!」
ピノア「絶対面白いと思うんだけどなー」
ミカナ「まぁ、正直わたしも見てみたい。こわいもの見たさだけど」
ピノア「でしょ!? あとさ、ドラマとかも最近パターン同じじゃない?」
ミカナ「刑事ものとお仕事ものばっかだよね」
ピノア「異世界ドラマやればいいのに!」
ミカナ「異世界転生ものとかはアニメであるけどね」
ピノア「じゃなくて、ガチの異世界ドキュメンタリー!」
ミカナ「ガチで異世界行けるなら、それもうニュース案件だよ?」
ピノア「えー、じゃあせめて異世界グルメ番組とか!」
ミカナ「『本日の食材はこちら! ゴブリンの太もも!』とか?」
ピノア「そうそう! で、『臭みを取るにはスライムエキスを使いましょう~』とかやるの!」
ミカナ「意外とアリかも……」
ピノア「でしょ? もうさ、日本のテレビって、異世界に頼るしかなくない?」
ミカナ「頼るって何?」
ピノア「もういっそ、わたしたちで番組作ろうよ!」
ミカナ「うん、それやる前にとりあえず寝よっか」
ピノア「じゃあ、今日はわたしが寝かしつけてあげる。そのあとミカナで出汁を取るね?」
ミカナ「えっ……」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる