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第8話 もしもえっちなことをしてる最中に異世界転移しちゃったら ③
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「話せばとても長くなってしまうのだけれど……」
ステラは、何故ナユタとピノアの年の差が4000歳以上もあるのかを説明しようとしてくれていたが、ふたりは今だ全裸で正座をさせられたままだった。
どうやら本当にドSらしい。
じゃなきゃ、本気で怒っているか、ド天然かのどちらかだった。
「ねー、もう全裸で正座とかやめにしない?
別に、わたしもナユタも、こっちに来るタイミングにあわせて、ステラたちに見せつけてやろうとえっちしてたわけじゃないしさ」
ピノアがようやくそう言ってくれて、ナユタはやっと服が着れると思った。
「本当かしら? あなたならやりかねない気がするのよね。ほんと怪しいものだわ。
本当はふたつの世界をあなただけが行き来できるんじゃないかって疑ってるくらいだもの」
まぁ確かにピノアちゃんて、まるで狙いすましたかのように、ぼくがオナニーしてるとき限って、ノックせずに部屋に入ってきたりしてたもんな、とナユタは思った。
「見せつけてやるつもりだったらさー、ナユタに顔面騎乗してもらってるときにこっちに来てたし」
その言葉に、ステラはポカンとした顔をして、「何かしら、顔面騎乗って?」とレンジに小さな声で尋ねていた。
彼からそれがどのようなものかを聞いて、彼女だけでなく彼も顔を真っ赤にしていた。
「今度してみましょっか。恥ずかしいけど」
「そ、そうだね……恥ずかしいけど」
何この人たち、かわいすぎるんですけど、と思った。
だが、
「全裸はともかく、正座だけはまじ勘弁して。
ナユタに何回もイカされたから、まだ身体に力入らないし、おまけに足もしびれてくるとか、何これ、地獄の新しいアトラクション?」
「いや、服! 服!! 服の方が大事だから!」
レンジはまた、ツボにハマったらしく、「地獄の新しいアトラクションて」と大笑いしていた。
「そそ、血の池地獄のあとは、こちらでーす、みたいな」
ピノアはバスガイドになりきり、地獄巡りツアーひとりコントを始めた。
身体に、主に足腰に力が入らず、生まれたての小鹿のような足取りで、しかも脚までしびれているバスガイドだった。
赤鬼か青鬼のバスの運転手とさんざんえっちしたあと、すでに地獄の新しいアトラクションを体験している設定なのだ、とナユタにはすぐにわかってしまった。
たぶん、そのうち語尾に「だっちゃ」をつけてくる。
ダーリンて呼んでくる。
叔母とピノアは、即興コントをする遊びをしたりもしていた。
ふたりが飽きてくれるまでボケにボケてくるので、一時間以上続くこともあった。ツッコむ方は地獄だった。
ナユタの父は、ナユタが産まれる数年前に起業し、ゲーム会社の代表取締役兼メインプログラマーだった。
父の開発するゲームは、父の友人の著名な小説家がメインシナリオを担当してくれていたが、叔母がサブイベントの大半のシナリオを担当していた。
叔母はその他にも漫画や映画のノベライズもしており、叔母曰く、頭の回転が早く柔軟な発想を持つピノアとの即興コントは、気分転換にもなるし、脳トレにもなるだけではなく、自分にはない発想が産まれる良い機会になるということだった。
きっと、さらに異世界人だから、ということも理由の中にはあったのだろう。
ふたりはただ仲が良いだけでなく、似た者同士で、おふざけをするときは真剣に全力で本気でおふざけをする人たちだった。
素人もプロも参加できるコント大会に出場したときは、一回戦で敗退するプロもいるのに、ふたりは三回戦まで行っていた。
しっかり台本を作った上で、本気で決勝を狙っていた。
叔母は、ピノアひとりでは大脱線してしまう即興コントをうまく軌道修正したりもしていたが、ナユタにはまだそこまでの技術はなかった。
だから、取り返しのつかない大事故に巻き込まれる前に、即興コントを終わらせたかった。
「服を着させてください。お願いします」
ナユタは全裸で土下座した。
ステラは、何故ナユタとピノアの年の差が4000歳以上もあるのかを説明しようとしてくれていたが、ふたりは今だ全裸で正座をさせられたままだった。
どうやら本当にドSらしい。
じゃなきゃ、本気で怒っているか、ド天然かのどちらかだった。
「ねー、もう全裸で正座とかやめにしない?
別に、わたしもナユタも、こっちに来るタイミングにあわせて、ステラたちに見せつけてやろうとえっちしてたわけじゃないしさ」
ピノアがようやくそう言ってくれて、ナユタはやっと服が着れると思った。
「本当かしら? あなたならやりかねない気がするのよね。ほんと怪しいものだわ。
本当はふたつの世界をあなただけが行き来できるんじゃないかって疑ってるくらいだもの」
まぁ確かにピノアちゃんて、まるで狙いすましたかのように、ぼくがオナニーしてるとき限って、ノックせずに部屋に入ってきたりしてたもんな、とナユタは思った。
「見せつけてやるつもりだったらさー、ナユタに顔面騎乗してもらってるときにこっちに来てたし」
その言葉に、ステラはポカンとした顔をして、「何かしら、顔面騎乗って?」とレンジに小さな声で尋ねていた。
彼からそれがどのようなものかを聞いて、彼女だけでなく彼も顔を真っ赤にしていた。
「今度してみましょっか。恥ずかしいけど」
「そ、そうだね……恥ずかしいけど」
何この人たち、かわいすぎるんですけど、と思った。
だが、
「全裸はともかく、正座だけはまじ勘弁して。
ナユタに何回もイカされたから、まだ身体に力入らないし、おまけに足もしびれてくるとか、何これ、地獄の新しいアトラクション?」
「いや、服! 服!! 服の方が大事だから!」
レンジはまた、ツボにハマったらしく、「地獄の新しいアトラクションて」と大笑いしていた。
「そそ、血の池地獄のあとは、こちらでーす、みたいな」
ピノアはバスガイドになりきり、地獄巡りツアーひとりコントを始めた。
身体に、主に足腰に力が入らず、生まれたての小鹿のような足取りで、しかも脚までしびれているバスガイドだった。
赤鬼か青鬼のバスの運転手とさんざんえっちしたあと、すでに地獄の新しいアトラクションを体験している設定なのだ、とナユタにはすぐにわかってしまった。
たぶん、そのうち語尾に「だっちゃ」をつけてくる。
ダーリンて呼んでくる。
叔母とピノアは、即興コントをする遊びをしたりもしていた。
ふたりが飽きてくれるまでボケにボケてくるので、一時間以上続くこともあった。ツッコむ方は地獄だった。
ナユタの父は、ナユタが産まれる数年前に起業し、ゲーム会社の代表取締役兼メインプログラマーだった。
父の開発するゲームは、父の友人の著名な小説家がメインシナリオを担当してくれていたが、叔母がサブイベントの大半のシナリオを担当していた。
叔母はその他にも漫画や映画のノベライズもしており、叔母曰く、頭の回転が早く柔軟な発想を持つピノアとの即興コントは、気分転換にもなるし、脳トレにもなるだけではなく、自分にはない発想が産まれる良い機会になるということだった。
きっと、さらに異世界人だから、ということも理由の中にはあったのだろう。
ふたりはただ仲が良いだけでなく、似た者同士で、おふざけをするときは真剣に全力で本気でおふざけをする人たちだった。
素人もプロも参加できるコント大会に出場したときは、一回戦で敗退するプロもいるのに、ふたりは三回戦まで行っていた。
しっかり台本を作った上で、本気で決勝を狙っていた。
叔母は、ピノアひとりでは大脱線してしまう即興コントをうまく軌道修正したりもしていたが、ナユタにはまだそこまでの技術はなかった。
だから、取り返しのつかない大事故に巻き込まれる前に、即興コントを終わらせたかった。
「服を着させてください。お願いします」
ナユタは全裸で土下座した。
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