「もしイセ。」~もしも、えっちなことをしてる途中で異世界転移しちゃったら。【異世界転移奇譚 NAYUTA 1,2】~

あめの みかな

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【第五部 異世界転移奇譚 NAYUTA 2 - アトランダム -(RENJI 5)】もしもしっくすないんしてる途中で異世界転移しちゃったら。

第100話

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時は、西暦2020年に遡る。

秋月レンジが異世界転移をする前後のことだ。
彼が転移した11月11日、秋月リサはまだ11歳だった。
リサは当時小学6年生、早生まれの彼女が12歳になるのは3月だった。

リサは幼い頃から漫画が大好きで、特にえっちなシーンがある少女漫画が大好きだった。
アニメにはあまり興味がなかったし、兄がよく読んでいたラノベというものにも興味はなかった。
だから、オタクではないと思っていた。

当時のリサは、中学生や高校生が読むような少女漫画も読むようになっていた。
漫画だけじゃなく、セブンティーンなどの少し大人びたファッション雑誌も毎月買っていた。

雑誌についてくる付録や百均に売ってるメイク道具を買って、メイクの仕方も覚えた。
あまり手先が器用じゃなかったから、カラコンをつけることは簡単にできても、はずすのは苦手なほどで、つけまつげをうまくつけられなかったが、元々まつげは長かったから別によかった。
目は元々二重だったし、涙袋もちゃんとあった。

首にほくろはあったけれど、顔にはなかったし、メイクを覚える前から自分の顔は好きだった。
自分の顔で嫌いなのは歯並びがちょっと悪いことくらいだった。中学生になったら母か祖父母に頼んでお金を出してもらって矯正しようと思っていた。

母はたぶん四十代半ばくらいのはずなのに、二十代後半くらいにしか見えなかった。
仕事をしていなかったし、買い物に出掛けるのも近所のコンビニくらいであったから、リサは母が化粧をしているところをほとんど見たことがなかった。
でも、すっぴんでもそれなりにきれいだったし、童顔だったからそれなりにかわいかった。
ううん、それなり、じゃないかも。
母はすっぴんでもきれいだった。かわいかった。
毎日リサが家に帰る頃にはもう酔っ払っているのは、どうかと思っていたけれど。

5つ年上の兄も、それなりにかっこよかった。
それなり、はやっぱり嘘。
かっこよかった。
超好みの顔だった。大好きだった。

だが兄は、あまり髪型やファッションには興味がなく、地味なタイプだった。

リサにはとても優しかったし、酔っぱらいの母の扱いも上手だった。
祖父母とも大変仲が良く、近所の人と顔を合わせれば必ず挨拶をしていた。
小学生の頃は友達がいたようだったが、中学校や高校には友達はいないようだった。
きっと家庭環境のせいだろう。
人見知りというよりは、家族以外の他人にあまり興味がないように見えた。

部活はやっておらず、学校が終わると寄り道をせずにまっすぐに家に帰ってくる。
それはリサも同じだった。

毎日先に帰宅するリサは、兄が通学用に使っている自転車の音が聞こえると、必ず兄を玄関で出迎えた。

「お兄ちゃん、おかえり」

「ただいま、りさ」

兄はいつも、そう言って頭を撫でてくれた。
自分を寂しがらせないように毎日寄り道もせず早く帰ってきてくれていた。

リビングで一緒に宿題をして、お風呂にも一緒に入った。
部屋は別々だったけれど、ひとりで寝れないときは兄の部屋に必ず行った。
兄の布団の中に入るとすぐに眠れた。

秋月家には父がいなかった。
母は酒浸りで、兄が祖父母といっしょにリサを育ててくれていた。

兄は宿題を終えると、いつもラノベか世界中の神話の本ばかり読んでいた。
たぶん学校でも休み時間をそうやって時間を潰しているのだろうな、と思った。
クラス内カーストの最下層にいるんだろうな、とまだ小学生のリサにもわかった。

髪型だけでも気にすれば、制服を着ているときはかっこいいけれど私服はダサい、そういうタイプくらいにはなれるのに、とリサはずっと思っていた。
だから、YouTubeなどで男子の髪の切り方を観たりして切ってあげていた。

一度だけリサが服を選んであげたことがあり、それでその年のお年玉は全部なくなってしまっていたけれど、一気にかっこよくなった。
それ以来、その服ばかり着るようになったのはどうかと思ったけれど。


父の顔は写真でしか見たことがなかった。
まじめそうで、優しそうで、頭が良さそうだった。

きっと母は毎日お酒を飲むような人ではなかっただろうから、ふたりはいかにもお似合いといった感じで、それなりの顔だった。
それなり、はやっぱり嘘。父もかっこよかった。
お似合いの美男美女だった。
兄と同じで笑顔がかわいいな、と思った。

十年以上も前の写真だったし、その頃の父は三十代半ばくらいで、ちゃんとした仕事をしていたようだったから、髪型は清潔感を第一に考えた大人しめな感じだった。
写真の中の父は、スーツや部屋着が多かったけれど、母とデートをするときは、美容師さんっぽいサロン系? で、そこそこ? いや、かなり? おしゃれだった。

父も童顔で、スーツはなんだか無理矢理着せられてるような感じがした。
けれど、おしゃれをしてるときは大学生か、二十代半ばくらいにしか見えなかった。
当時はきっとこういうのが流行りだったのだと思う。

母が、ロリータファッションだったのは見なかったことにした。

ふたりが知り合った頃の写真は、母はいつも着物を着ていた。
ロリ服よりも着物もよく似合っていた。

だからリサは、きっと自分は素材がいい、っていう顔なんだと思った。


夏休み明けには、小麦色の肌になって登校してくる子たちがたくさんいたけれど、リサは肌が赤くなるだけで、どうやら日焼けをしない体のようだった。
だから一年中肌は白かったし、だからといって病気に見えるほど青白いわけではなかった。

背は、小6の女の子の平均か、少し小さいくらい。
太りにくい体質で、大食いではないけれど、太っている男子より食欲旺盛だった。給食は毎日おかわりした。
でも体重は平均より大分少なかった。

だから、まだ胸は小さいけれど、どんな服も大体似合った。
お店で見つけてかわいいなって思った服を試着させてもらったときに、誰かに聞かなくてもよく似合っているのが自分でわかるのは楽しかった。

ファンデーションとチークとアイシャドウ、リップ、それからグロスを塗るだけで、高校生にはまだ見えないけど、中学生には見えるような気がした。

ネット通販で、3000円くらいのコスプレのセーラー服を買って着てみたら、本当に中学生に見えた。

先生に注意されたりするのは面倒だったし、同い年の男の子たちはまだすごく子どもに見えたから興味が持てなくて、だから学校には目立たない程度に、いじめられない程度に、まわりにあわせた髪型や服装で通っていた。

クラスで一番自分のことがかわいいと思っていたし、クラスだけじゃなくて学年で一番だと思っていた。
テレビで見かけるアイドルを見て、自分の方がかわいいと思うことがよくあった。
アイドルになりたかったわけじゃなかったけれど、なんでこんなブスがアイドルになれたんだろうと思ってスマホで調べたら、整形してそのレベルだとわかって、なんだかかわいそうな子だなと思った。

リサは部活動も習い事もしておらず、趣味といえるものは、おしゃれと漫画くらいだった。
それから、スマホで同い年や少し年上の女の子たちのえっちな体験談を読むのが好きだった。

男の子にモテたいとか、ちやほやされたいという気持ちはもちろんあったけれど、恋愛というよりはセックスに興味があった。

恋に恋する、というわけじゃなくて、セックスに興味があるから恋をしてみたい。

でも、最初はやっぱりお兄ちゃんがいいな。
お兄ちゃん以外考えられないな。

リサはずっとそんな風に思っていた。
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