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【第五部 異世界転移奇譚 NAYUTA 2 - アトランダム -(RENJI 5)】もしもしっくすないんしてる途中で異世界転移しちゃったら。
第121話
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「やっと見つけた……」
ゆらぎから現れた女もまた、秋月リサの排除対象だった。
ステラ・コスモス・ダハーカ。
エウロペの女王であり、彼女の兄の妻だ。
何もかも計画通りで自然と笑みがこぼれた。
「遅いよ、待ちくたびれちゃった」
リサは、
「お義姉さん」
と、ステラをそう呼んだ。
だが、ステラは首を横に振った。
「お義姉さんじゃないわ。
確かにわたしはレンジの妻。だから、そういう意味では義理の姉になる。
けれど、わたしやピノアの母と、あなたとレンジの母は、テンス・テラとエイス・テラに生まれた同じ遺伝子と同じアリスの名と同じ魂を持つ者なのだから」
「わたしと、あんたやピノアは姉妹って言いたいの?」
「そうよ。あくまで遺伝子上はね。父親は違うけれど、わたしたちは姉妹。そして、レンジはわたしたちの兄になるわね」
「あんたやピノアをわたしは姉だなんて認めない」
リサはライドドレスをその身にまとい、兄の愛用のふたふりの剣を手にした。
その瞬間、魔装具の持つ力によって彼女の俊敏性は高められ、ステラは逆に鈍化した。
一瞬で間合いを詰め、剣の切っ先をステラの喉元に突きつけた。
ステラは全く動じなかった。まるで殺されてもかまわないとでも言うかのようだった。
「でも、あんたがお兄ちゃんから身を引いてくれるなら殺さないであげる。
身を引くっていうのは、ただ別れるだけじゃないよ。
あんたが自分で、次元の彼方の時の牢獄に行くこと。あんただけじゃなくて、ピノアとサクラもいっしょに連れていってくれたらだけど」
本当に自分のことが憎いのだな、とステラは思った。
本来ならば17年前に帰還していたはずのレンジは、自分とサクラのためにこの世界に残った。
無論彼は自分やサクラを心から愛してくれている。彼は自らのためにもこの世界に残ることを選んだ。
だが、彼の選択とステラやサクラの幸福は、異世界に残されたリサの不幸の上に成り立っていたのだ。
ピノアとは仲が良いように見えたが、きっとピノアのことも憎くてたまらないのだろう。
そして、ピノアはきっとその憎悪や殺意に気づきながらも、ピノア・オーダー・ダハーカとしてではなく秋月ピノアとして彼女のそばに居続けたのだ。
「わたしが死ねば、あなたはわたしを許してくれる?
自分で死ねばいい? それとも殺したい?」
「死なれると後片付けが面倒。後味も悪いし。いなくなってくれるだけでいいよ」
「サクラとピノアは許してもらえないかしら?
あなたからレンジを奪ったのはわたしだもの」
「だめ」
リサは冷たく言い放ち、
「でもね、今、あんたの顔を見てたら、時の精霊の魔法で、死んだ人間の身体の時を散々巻き戻してきたあんたたちにぴったりの殺しかたを思い付いちゃった」
また屈託のないこどものような笑顔を浮かべた。
「あんたの身体の時を、死んで土に還るまで、何百年分も何千年分も早送りしてあげる」
レンジは夢を見ていた。
いや、それが夢なのか、彼が忘れてしまったか、あるいは知らない、テラのように何度も作り変えられてきたリバーステラの人の歴史の中で、現実に起きたことの記憶なのか、それすらも彼にはわからなかった。
彼の魂はその世界に囚われ、その身体は魔人になることをかたくなに拒否し続けていた。
ゆらぎから現れた女もまた、秋月リサの排除対象だった。
ステラ・コスモス・ダハーカ。
エウロペの女王であり、彼女の兄の妻だ。
何もかも計画通りで自然と笑みがこぼれた。
「遅いよ、待ちくたびれちゃった」
リサは、
「お義姉さん」
と、ステラをそう呼んだ。
だが、ステラは首を横に振った。
「お義姉さんじゃないわ。
確かにわたしはレンジの妻。だから、そういう意味では義理の姉になる。
けれど、わたしやピノアの母と、あなたとレンジの母は、テンス・テラとエイス・テラに生まれた同じ遺伝子と同じアリスの名と同じ魂を持つ者なのだから」
「わたしと、あんたやピノアは姉妹って言いたいの?」
「そうよ。あくまで遺伝子上はね。父親は違うけれど、わたしたちは姉妹。そして、レンジはわたしたちの兄になるわね」
「あんたやピノアをわたしは姉だなんて認めない」
リサはライドドレスをその身にまとい、兄の愛用のふたふりの剣を手にした。
その瞬間、魔装具の持つ力によって彼女の俊敏性は高められ、ステラは逆に鈍化した。
一瞬で間合いを詰め、剣の切っ先をステラの喉元に突きつけた。
ステラは全く動じなかった。まるで殺されてもかまわないとでも言うかのようだった。
「でも、あんたがお兄ちゃんから身を引いてくれるなら殺さないであげる。
身を引くっていうのは、ただ別れるだけじゃないよ。
あんたが自分で、次元の彼方の時の牢獄に行くこと。あんただけじゃなくて、ピノアとサクラもいっしょに連れていってくれたらだけど」
本当に自分のことが憎いのだな、とステラは思った。
本来ならば17年前に帰還していたはずのレンジは、自分とサクラのためにこの世界に残った。
無論彼は自分やサクラを心から愛してくれている。彼は自らのためにもこの世界に残ることを選んだ。
だが、彼の選択とステラやサクラの幸福は、異世界に残されたリサの不幸の上に成り立っていたのだ。
ピノアとは仲が良いように見えたが、きっとピノアのことも憎くてたまらないのだろう。
そして、ピノアはきっとその憎悪や殺意に気づきながらも、ピノア・オーダー・ダハーカとしてではなく秋月ピノアとして彼女のそばに居続けたのだ。
「わたしが死ねば、あなたはわたしを許してくれる?
自分で死ねばいい? それとも殺したい?」
「死なれると後片付けが面倒。後味も悪いし。いなくなってくれるだけでいいよ」
「サクラとピノアは許してもらえないかしら?
あなたからレンジを奪ったのはわたしだもの」
「だめ」
リサは冷たく言い放ち、
「でもね、今、あんたの顔を見てたら、時の精霊の魔法で、死んだ人間の身体の時を散々巻き戻してきたあんたたちにぴったりの殺しかたを思い付いちゃった」
また屈託のないこどものような笑顔を浮かべた。
「あんたの身体の時を、死んで土に還るまで、何百年分も何千年分も早送りしてあげる」
レンジは夢を見ていた。
いや、それが夢なのか、彼が忘れてしまったか、あるいは知らない、テラのように何度も作り変えられてきたリバーステラの人の歴史の中で、現実に起きたことの記憶なのか、それすらも彼にはわからなかった。
彼の魂はその世界に囚われ、その身体は魔人になることをかたくなに拒否し続けていた。
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