​マイクロビキニアーマーの美少女勇者 対 アナルバイブ男爵 ―アジル・イマ戦記 勇者ラピスラズリの性受験英雄譚 学歴の頂、露出の果てに―

あめの みかな

文字の大きさ
17 / 30
『マイクロビキニアーマーの女勇者 対 アナルバイブ男爵:Re-Birth』

第五話:『第三の星「璣」 ― 璣原ふみの歯車(前編)』

しおりを挟む
​「――お兄ちゃん、最近、世の中が『几帳面すぎる』と思わない?」

​ 私はリビングのソファで、自分を包み込む「原子的マイクロビキニ」の金色の光に目を細めながら呟いた。

 ここ数日、電車の運行は一秒の狂いもなく、信号機のタイミングも完璧に管理され、街中の人々がまるで決められたプログラムに従う機械のように動いている。不気味なほどの「規則正しさ」が、東京を覆い尽くしていた。

​「……当然だ。第三の星、天璣(てんき)。……名を璣原(きはら)ふみ。……彼女は、この世界のあらゆる因果を『歯車』として計算し、管理下に置いている」

​ お兄ちゃんは、トライアルレンズセットから、顕微鏡のような厚みのあるレンズを取り出し、検眼枠(テストフレーム)の左側に差し込んだ。

​「……度数調節、限界突破。……肉眼では見えない『運命の刻み』を視覚化する。……瑠璃、準備はいいな。……今回は、一瞬の計算ミスが命取りになる」

​「……わかってるわよ。……お姉ちゃん、……この一ミリの余裕もない格好で、……世界の歯車に砂をかけてやるんだから……っ!!」

​ 私たちは、中央官庁街の地下深く、巨大なデータセンターへと向かった。
 そこは、無数のサーバーが規則正しいリズムで唸りを上げている、情報の迷宮。その最深部、巨大な歯車が組み合わさったような奇妙な演算機の前に、その少女は立っていた。

​ 璣原ふみ。
 中学生のような幼い外見に、度の強い眼鏡。彼女は小さな指先で空中に複雑な数式を書き込み、世界の「秒針」を操っていた。

​「……よくぞ来ましたね、アジル・イマの神々の加護を受けし異世界の『マイクロビキニアーマーの女勇者』よ。ネットでは『星喰いの凶星』などと呼ばれているようですが……その二つ名はあなたの隣にいる男にこそ相応しい……」

​ ふみは表情一つ変えず、淡々と告げた。

「そして、……あなたたちの襲来は、三十二秒前の計算ですでに予測済みです。この世界は、完璧な調和(バランス)を求めている。……不確定要素であるあなたたちは、……ここで私の『天璣・因果の歯車(デスティニー・ギア)』によって粉砕されます」

​ ふみが指を鳴らすと、周囲の空間がカチリと音を立てて変質した。
 目に見えない「運命の糸」が、歯車のように噛み合い、私を四方八方から締め付け始める。それは回避不能の攻撃。私の動きを先読みし、コンマ一秒後の「隙」を突く、絶対的な予測攻撃だ。

​「くっ……! 身体が……勝手に計算通りに動かされる……っ!!」

​「……無駄です。……勇者といえど、……その筋肉の動き、……心拍のリズム、……すべて私の計算式の中にあります。……あなたは、五秒後にその場で転倒し、……十秒後に絶命します」

​ 絶体絶命。
 お兄ちゃんのメスさえも、ふみの精密な計算によって軌道を逸らされ、空を切る。
 だが、その時。

​「……ふふ、……ふふふ……っ」

​「……何が可笑しいのですか? 死のカウントダウンは止まりません」

​「……計算通り? ……私のリズムが全部わかるって? ……笑わせないでよ、眼鏡っ娘!」

​ 私は、お兄ちゃんをチラリと見た。
 お兄ちゃんは、検眼枠をカチャリと鳴らし、無言で頷く。

​「……お兄ちゃん、……私、……今から……『計算外の辱め』を自分に課すわよ……っ!!」

​「……ああ。……最大出力(フルスロットル)でいけ」

​ 私は、原子的マイクロビキニを繋ぐ、髪の毛よりも細い「羞恥の糸」を、自らの指で一気に引き絞った。
 
「――っ、はぅああああああああああああ!! 恥ずかしい! 恥ずかしい恥ずかしい!! 今、私、世界で一番不適切なポーズで、自分を晒しちゃってるわよぉぉぉぉぉ!!」

​ ドガガガガガァァァン!!
​ 私の身体から放たれたのは、エネルギーの奔流ではない。
 それは、既存の物理法則を無視した、濃厚な「羞恥のノイズ」。
 計算不可能な情熱、論理を超えた赤面。
 
 完璧だったふみの因果の歯車に、私の「はしたないバグ」が噛み込み、凄まじい火花を散らし始めた。

​「な……っ!? 演算不能!? データの波形が……、……羞恥心によって……支離滅裂に……!? こんなポーズ、……私の計算式には……存在しません……っ!!」

​「――当たり前でしょ!! こんな格好、……乙女の計算(プライド)に入ってるわけないじゃないのよぉぉぉ!!」

​ 空間が歪み、ふみの眼鏡がパリンと音を立てて割れた。
 運命の歯車が、逆回転を始める。

​「――お兄ちゃん! 今!! ……彼女の『精密すぎるピント』、……狂っちゃってるわ!!」

​ お兄ちゃんが、ノイズの渦中から、死神のような速度で飛び出した。
 検眼枠の中、ふみの心臓部に埋め込まれた「三番目の星」が、エラー音を吐き出しながら露出していた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

冴えない建築家いずれ巨匠へと至る

木工槍鉋
ファンタジー
「建築とは、単なる箱を作ることではない。そこに流れる『時』を設計することだ――」 かつてそう語り、伝説の巨匠と呼ばれることになる男も、かつては己の名前に怯えるだけの冴えない二級建築士だった。 安藤研吾、40代。独立したものの仕事はなく、下請けとして「情緒のない真四角な箱」の図面を引き続ける日々。そんな彼が恩師に教えられた座標の先で迷い込んだのは、昭和初期を彷彿とさせる、魔法のない異世界だった。 現代の建築知識、そして一釘一釘を大切にする頑固大工との出会い。 「便利さ」ではなく「住む人の幸せ」を求めて、研吾は廃村に時計台を建て、水路を拓き、人々の暮らしを再生していく。 異世界で「百年の計」を学んだ研吾が現実世界に戻ったとき、その設計は現代の建築界をも揺るがし始める。 これは、一人の男が仕事への誇りを取り戻し、本物の「巨匠」へと駆け上がるまでの、ひたむきな再建の記録。

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

魔王と呼ばれた勇者、或いは勇者と呼ばれた魔王 〜最強の魔剣で自由に生きる! 金も女も、国さえも思いのまま!! …でも何かが違うみたいです

ちありや
ファンタジー
クラスメートからのイジメが元で死んでしまった主人公は、その報われぬ魂を見かねた女神によって掬い上げられ異世界で転生する。 女神から授けられた不思議な剣を持つことで、彼はあらゆる敵に打ち勝ちあらゆる難問を解き明かし、あらゆる女性を虜にする力を手に入れる。 無敵の力を手に入れた男が次に望む物は果たして…? 不定期連載(7〜10日間隔で出していく予定)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...