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第37話 戦争開始 殺戮の始まり

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俺たちは援軍として数百名の兵士の先頭に立って突撃する。


が俺たち4人はそれぞれ単独行動だ。



 お互いが近くにいたら戦いにくいという結論からだ。

 しかし常にお互いの意味は把握するように心掛ける。


 特に俺とアイリーンの位置は近いようだ。

まだ俺たちが、Sランクだからという気遣いだろうか



そして戦闘状態に突入する。



デュランからもらった剣を右手で持ち、左手で〈破砕〉を使う





「帝国の冒険者だ!囲い込んで殺せー!!」




 俺の前には槍をこちらに構えた兵士が数人やってくる。


 敵の槍の先が俺の左手に触れる。


俺は痛みを感じる前にその槍を粉々にする。



「お前ら如きに俺がやられるか…覚悟しろ 皆殺しにしてやる!」




「いけいけー全員やっつけろー!!」
「ぜ、全員滅ぼしましょうー!」
「油断するんじゃないよ?危なくなったらすぐに私を呼びな!」



魔神たちもノリノリだ



 普通こういう時、勇者とか正義の為に!とか言う奴は相手の武器破壊に徹底して殺さずを貫くのだろうな……



……だが俺は関係ない!



 徹底的に頭部破壊を狙い、スキルが全てと思い込みそれを当然と思っている奴らは叩き潰す!
  


そこから先は地獄絵図だ。



 徹底した頭部破壊による殺戮で俺の周囲は血の海だ

〈破砕〉をコントロール出来るようになった。
 俺が持つ武器の剣先のみに〈破砕〉の効果を付与することも出来るようになり、俺の武器に斬られればそこからバラバラになる。



 俺の周囲の兵士たちは恐怖し、逃げ出す者も出てきた。



「逃すか!」



俺は撤退を始めた兵士たちを追撃する。



しかし、突出しすぎたようだ。


 他の3人や兵士たちと離れてしまい囲まれてしまった。
 これも敵兵士の作戦だったようで、ジリジリと寄ってくる。


でもむしろ好都合だ。
完全に単独であれば………


「来い!セーレ 50%で行こうか」


「よっしゃあー久しぶりだね!」
「カイアスさん!お姉様!皆殺しにしましょ~」


 俺の姿が変わった事に動揺が広がるが、そこは兵士だ。


 すぐに持ち直し、槍を構えて包囲を狭めてくる。



「……………命ずる。動くな」



 兵士たちは槍を構えたまま動かなくなった。


「命ずる。風よ刃となって周囲の兵士の首をはねろ!」



俺を囲んでいた兵士たちの首が飛ぶ。


〈服従〉の動くな、が適応されている為、立ったまま、首から血が吹き出した。


血の噴水状態だ。



〈服従〉解除


兵士たちがバタバタと倒れる。



これでここら一帯の兵士は殲滅した。



「さてと…一旦、〈魔神〉も解除するか」



他の3人の誰かに合流しようかと考えていた時



上空に大きな影が通った。



俺は即座に上を向く。


Aランクの魔獣クリスタルワイバーンだ
1体ではない10体はいる。


こいつは群れを作らず単体で行動するはず
なぜ複数いるんだ?


 そしてワイバーンたちが俺に向かって降下してくる。

 その内の何体かは翼を羽ばたかせ水晶の刃を飛ばしてくる。


俺はなんとか避けながら難しい物は 〈破砕〉で砕く。

なんだこいつら!なぜ俺を狙う?
人間を狙うならもっと多い場所があるはずなのに



「こいつらの動きなんか統制が取れてる…誰かが操っているんじゃないか?」



セーレがそう予想するが、野生であっても、なくてもこの現状はマズい。
  


 その時、俺の後ろにワイバーンが1体回り込んでいた。

 完全に死角に潜り込まれた。
これは野生の魔獣の動きではない!
明らかに訓練されている!


マズい直撃する!


 そう思ったが、俺に当たる前にワイバーンの尻尾が斬り落とされた。



「無事?!」



 そこにいたのはヴィクトリアだった。


尻尾を斬り落とされたワイバーンは一旦距離を取った。



「はい!助かりました」



「ここに来るまでに多くの兵士の亡骸があった。貴方なかなかやるわね!
 あと、このワイバーン達は操られいるんだ 皇国のSSランク冒険者、ザイフォンのスキルによって」 


「ザイフォンですか?」



「ええ おそらくワイバーンの背中に……やはり居た!1番高い位置にいるワイバーンの背中に乗っている。相変わらず安全圏から攻撃し続ける戦法をとっているようね!!」



 確かにいた!9体のワイバーンがこちらを攻撃しているのに、1体だけ上空を旋回したいる。その背中に人影が見える。



「でも、どうやって攻撃を当てれば」



「貴方のスキルは触れた物を粉々に出来るのよね?
 私がワイバーンの攻撃から貴方を守ります!貴方は9体のワイバーンを倒すのです!使役できる魔獣がいなくなれば彼も撤退するでしょう 
 遠距離のスキル持ちがいない今は手出しできない!」


「分かりました!ではよろしくお願いします」



「貴方の背中は私が守りましょう!」



SSランク冒険者序列1位、世界最強の冒険者が味方か……



「なかなか燃える展開じゃないか!」
「うんうん!ワクワクするね!」



今はこの人が味方なのを心強く思う。


さあ反撃開始だ!
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