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あき

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気になる生徒

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職員室に戻ると話題は平方鳴の話で持ち切りだった。確かにあの挨拶は圧巻出会ったし、見た目も悪くない。しかも成績はトップクラスである。聞いたところによると性格も申し分なくクラスの真ん中に立っているようなタイプらしい。神は二物も三物も与えたそうだ。

「日詰先生も平方君が気になるのですか?」

「まぁ、それは誰もがそうでしょう。鮫村先生もそうなのでしょう?」

聞き返すと鮫村は曖昧に笑って答えを濁した。

「彼、平方君。日詰先生によく似てますね。神に愛された感じが。」

そう言って皮肉めいた言い方で鮫村はニヤリと笑った。神に愛されてると昔からよく言われた。クオーターで父方の祖父がカナダの人で、見た目が少しカナダよりになってしまい世間一般で言うと整っている方に入るらしい。勉強もあまり苦ではなかったためやっていたらそこそこできるようにはなった。それを鮫村は言っているのだろう。

「どうも。鮫村先生は、性格はいいですよね。性格は。」

鮫村は日本人らしい童顔だ。まぁ、ブスでは無いけどイケメンでもない普通の顔だ。誰もがどこかで見たことあるような顔をしている。程よくジョークも言えて引き際もわかっていて、適度に優しい鮫村の性格は誰からも好かれやすく、高校の友達はきっと100人いただろう。

「余計なお世話ですよ。そういえば、お互いに平方くんのクラスの教科担任ですよね。新入生の実力テスト、楽しみですね。」

「まぁ簡単めに作りはしますよ。」

「日詰先生の簡単はあまりあてになりませんけどね。」

鮫村はそう言って、マグカップを持ってコーヒーを入れにいった。別に難しくするつもりもない。まぁ簡単にするつもりもないけど。ちなみに、担当教科は国語である。国語の難易度の調節なんてやろうとしてするもんじゃない。
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