平凡以下な僕は幼馴染を守るために、初級魔術だけでも頑張っていきます。

気ままに

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序章ー入学試験編

第24話「これが王都だ!!」

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かれこれあって僕らは王都に入ることができた。
アイリがあの男に魔術で威嚇をしてくれたおかげか、後ろにいる人だけでなく前で先に並んでいた人達も僕たちから離れていき、かなり前に進むことができた。

おそらくこの中でも中級魔術を使える人はあまりいないのだろう。
中級魔術を初めて見るようだった人ばかりな気がした。
やっぱりすごいことなんだよな…。今までアイリはさも当然のように中級魔術を習得し使いこなせていたから。
このくらいの歳ならできる人が多いのかと思っていたけど、そうではないらしい。

まぁ僕はできなかったけど。
僕の場合は単純に才能が無いだけだと勝手に納得していたな…。

にしても、王都の大門を抜けてしばらく直線を歩いてるが、なんかまるで世界が変わったきがするな。

大門を抜けた先には多くのお店が並んでいた。
人も多いな。
さきほど大門を抜けた人たちが目を釘付けにしながらお店を眺めている。

やっぱりこの様子は他じゃ珍しいことだよな…。

でもあそこまで惹かれるものなのか?
あいにく僕は興味が湧かない。
今でも今後も、僕にはきっと縁のないことだ。
あんなの買ってたらすぐにお金が尽きてしまうだろう。

そういえばアイリしばらく黙ってるな。
こんな様子を見れば大はしゃぎするだろうと思うけど。
もしかして体調が悪いとか?

「アイリ、急に黙り込んで…ってあれ?」

隣にいたはずのアイリは居なくなっていた。
いつの間に。
僕がお店を物珍しそうに眺めていた隙に消えてしまったろだろうか。
一体どこにいるだ?

周りを見てどこにいるか探していると、すぐにアイリを見つけた。
わちゃわちゃしているからわかりやすいな…。
よくよく見ていると既に、買ったであろう大きな荷物を抱えていた。

「買うの早すぎるだろ…」

「あ、オーデンス!こっち来てよ!この赤いのリンゴって言うのよ!匂いがおいしそうなの!」

「へ、へー…」

僕はアイリのテンションにはさすがについていけなかった。
僕はなるべく早く試験会場である英雄養成学校に到着したいんだけどな。
時間的にはまだ大丈夫だろうけど、準備運動とか早めにしといた方がいい気がする。

いかに万全な状態で挑むかで合格する確率を1%でも2%でもあげられるはず!

「さきに行くぞーー」

「ええ!持ってよ!あと少し!」

「はぁ…」

旅行気分か。
まぁアイリにとってはそれに近いのかもしれないけど。
てか本当にいっぱい食べ物買っているな。
あの大きな紙袋でも入りきれないほどだ。
あれ1人で食べるつもりか?

アイリなら5分もすれば食べ終わるか…。

「もういい。先に待ってるからな」

「わ、わかったわよ…。これくらいにしとくわ」

「それがいいと思うよ…」

少しでも節約はしておいた方がいい。
僕らは子供だがお金の大事さはわかっている。
なにか緊急事態があったときにお金があれば解決できることがあるのだ。
その時のためにお金は少しでも貯金しておくべきだ。

このあまり知らない地で頼りにできる人もいない。
何が起きるかも分からないしな…。
無駄だとしても、最悪の事態を免れるならそれで十分だ。

そして歩いて30分して僕たちはようやく英雄養成学校が見え始めた。
で、

「でっけぇーーー」

僕は初めて感嘆の声を上げた。
これが学校なのか?
学校ってこんなに大きいものなのか?
今から僕はここで1000人以上と合格権を争うのか。

僕はごくりと唾を飲み込んだ。
改めて感じる場違い感。
そしてさらに数分経つと大きな石像も見え始めた。

あれはなんの石像なんだ?

「あれは!英雄ヘラクレス様の石像よ!世界に一つしかないヘラクレス様の石像を拝めるなんて!これだけでもここに来て良かったわ!」

アイリは大はしゃぎだ。相変わらず英雄には詳しいなアイリは。
そうか、あれは英雄ヘラクレスの石像か。
英雄の中でもさらに偉大な英雄と言われているヘラクレス。

課せられた12の試練を成し遂げた人間。

その課せられたものはとても人間が為せるものでは無かったが、英雄ヘラクレスはそれをいとも簡単に成し遂げてしまったのだ。

その中には規格外な魔物もいたと言われている。

魔物に対して素手で挑むような男だったらしい。

まさに怪物だな。

そうして僕たちはとうとう英雄養成学校の仕切を跨いだ。

そして学校の施設の前の広場にたくさんの人が集まっていた。

「すごい人数ね。ざっと500くらいかしら?」

「そんな感じするね。あと少なくとも倍以上はいると考えると、目眩がしてくるよ…」

「ふん!私ならあんな奴ら1分もあれば蹴散らしてやるわ!」

「そりゃ、アイリならね…」

アイリは自信たっぷりだった。
きっとこの前のあの一件があったから、これくらいの人数のプレッシャーはへでもないのだろう。

しかも上級魔術を習得したことと、特待生として入学を認められたことが大きな自信につながっている。

果たしてアイリに勝てる人がこの学校にいるのだろうか。
いたとしても全く想像がつかないな…。

そこで分岐があった。
左は特待生の人用の道で、
右は一般試験の道か。

僕らは一旦ここでお別れするみたいだ。
ここから僕は1人の力で試験に挑み、合格を勝ち取らないといけない。

「ここでお別れね」

「そうみたいだね。じゃ僕はもう行くよ」

「そ、行ってらっしゃい」

あれ、意外とあっさりした別れだな。
いやまぁ別に全然良いんだけどさ。
なんとなく、アイリなら気が利かなくても何かしらの言葉は言ってくれると思ったんだけどな…。

いけない。
甘えないって馬車の時誓ったはずなのに。

僕はやや落ち込みつつ、右の道へ進んだ。

「オーデンス!」

僕はアイリからやや距離が離れているところで名前を呼ばれた。

なんだろう…。

「私が保証するわ!あなたは絶対に合格できる!上級魔術師で特待生である私が言うんだもん!間違い無いわ!」

「あ、アイリ?」

アイリはさきほどと同様に自信たっぷりな態度で言った。
僕は若干驚きつつも、不思議と自信が湧いてきて、緊張も解けていた。
アイリの応援の言葉って気は利かないけど、妙に説得力あるんだよな…。

しかも、アイリは嘘をつかない真っ直ぐな子だと知っている。
そんなアイリが僕なら合格できると言ってくれているのだ。
疑い用が無い。

僕は僕の力を信じてこの試験に挑めば良いんだ。

「いつもありがとうアイリ」

「ふん!また後でね!」

そうして僕らは今度こそ別れた。
また会うために…。





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