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第二章
019 守る役目
城の警備が増えた、それは目に見えて分かるほど。
兵の数、結界の層、出入り記録の管理。
「……なあこれ、物々しすぎない?」
廊下を歩きながら言うとレオニスはふっと鼻で笑う。
「何を言う。これでも足りないくらいだ」
「中央、そんなに本気?」
「本気だ」
短い返事、その温度が今までと違う。
これはもう“形式的調査”じゃない。
奪いに来る準備。
「……俺のせいで城ごと戦場になるの、嫌なんだけど」
冗談っぽく言ったつもりだった。
でもレオニスの足が止まる。
そして俺を見る。
「お前のせいではない」
「でも――」
「選ばれた存在に罪はない」
その言い方があまりに真剣で、言葉を続けられなくなる。
代わりに俺は言った。
「……俺、役に立てるよ」
「何だ」
「魔法」
レオニスの眉がわずかに動く。
「結界の補強とか、戦闘支援とか」
レオニスの力になりたくて。
気づかれないように、隠して練習を続けてきた。
セバスチャンさんに教えて貰った事は一通りできるようになっているんだと、俺は俺なりに考え行動してきたつもり。
「……俺、ずっと受け身だったけど」
レオニスとのほんの数メートル数十センチの距離を縮めるように近づき、顔を上げ向き合う。
「今回は守られる側じゃなくて、守る側になりたい」
レオニスは俺をじっと見てから言う。
「……危険だ」
「知ってる」
「お前が傷つく可能性がある」
「そうだな。それでも」
レオニスの目力に思わず照れるも、しっかりと視線を背けることなく逞しい背中へ腕を回す。
「ここが壊れるの、嫌だから」
城じゃない。
この人の世界。
「……お前は」
レオニスも照れたのか、耳と首後ろが少しずつ赤くなり同時に声がより低くなる。
「俺の弱点だ」
「知ってる」
「そして、唯一の防壁でもある」
その言葉で、胸の奥が変に熱くなった。
弱点で。
防壁。
どっちも、俺。
「……じゃあさ」
少しだけ笑って言う。
「俺、レオニス専用の結界になる」
「……本気で言っているのか」
「うん」
ふざけてない、むしろ今までで一番本気。
「俺がここにいる限り誰もこの城に触れさせない。触れさせたくない」
レオニスの腕が優しく俺を抱く。
「……それは」
「契約になる」
「そうだよ」
はっきりと答えた。
「俺が逃げない代わりに、ここを守る」
依存じゃない。
命令でもない。
これは、選択。
レオニスは、ゆっくり抱いていた俺の肩から手を離すと今度はお互いが向き合う。
そして額に、手を当てた。
でもキスはしない、代わりに額と額を軽く合わせると。
「……もう、引き返せない」
「知ってる」
「お前は、俺の世界の一部になる」
「もう、なってるって」
即答し悪戯っぽく笑みを浮かべた。
今さらだ、俺はもうこの城の客じゃない囚われでもない。
ーー守る存在。
レオニスの檻の、内側から。
――そして気づく。
今まで俺は守られてるつもりだった、それが今完全に逆転していて、でも実際はこの人の世界を一番守ってるの、俺だったんだって。
兵の数、結界の層、出入り記録の管理。
「……なあこれ、物々しすぎない?」
廊下を歩きながら言うとレオニスはふっと鼻で笑う。
「何を言う。これでも足りないくらいだ」
「中央、そんなに本気?」
「本気だ」
短い返事、その温度が今までと違う。
これはもう“形式的調査”じゃない。
奪いに来る準備。
「……俺のせいで城ごと戦場になるの、嫌なんだけど」
冗談っぽく言ったつもりだった。
でもレオニスの足が止まる。
そして俺を見る。
「お前のせいではない」
「でも――」
「選ばれた存在に罪はない」
その言い方があまりに真剣で、言葉を続けられなくなる。
代わりに俺は言った。
「……俺、役に立てるよ」
「何だ」
「魔法」
レオニスの眉がわずかに動く。
「結界の補強とか、戦闘支援とか」
レオニスの力になりたくて。
気づかれないように、隠して練習を続けてきた。
セバスチャンさんに教えて貰った事は一通りできるようになっているんだと、俺は俺なりに考え行動してきたつもり。
「……俺、ずっと受け身だったけど」
レオニスとのほんの数メートル数十センチの距離を縮めるように近づき、顔を上げ向き合う。
「今回は守られる側じゃなくて、守る側になりたい」
レオニスは俺をじっと見てから言う。
「……危険だ」
「知ってる」
「お前が傷つく可能性がある」
「そうだな。それでも」
レオニスの目力に思わず照れるも、しっかりと視線を背けることなく逞しい背中へ腕を回す。
「ここが壊れるの、嫌だから」
城じゃない。
この人の世界。
「……お前は」
レオニスも照れたのか、耳と首後ろが少しずつ赤くなり同時に声がより低くなる。
「俺の弱点だ」
「知ってる」
「そして、唯一の防壁でもある」
その言葉で、胸の奥が変に熱くなった。
弱点で。
防壁。
どっちも、俺。
「……じゃあさ」
少しだけ笑って言う。
「俺、レオニス専用の結界になる」
「……本気で言っているのか」
「うん」
ふざけてない、むしろ今までで一番本気。
「俺がここにいる限り誰もこの城に触れさせない。触れさせたくない」
レオニスの腕が優しく俺を抱く。
「……それは」
「契約になる」
「そうだよ」
はっきりと答えた。
「俺が逃げない代わりに、ここを守る」
依存じゃない。
命令でもない。
これは、選択。
レオニスは、ゆっくり抱いていた俺の肩から手を離すと今度はお互いが向き合う。
そして額に、手を当てた。
でもキスはしない、代わりに額と額を軽く合わせると。
「……もう、引き返せない」
「知ってる」
「お前は、俺の世界の一部になる」
「もう、なってるって」
即答し悪戯っぽく笑みを浮かべた。
今さらだ、俺はもうこの城の客じゃない囚われでもない。
ーー守る存在。
レオニスの檻の、内側から。
――そして気づく。
今まで俺は守られてるつもりだった、それが今完全に逆転していて、でも実際はこの人の世界を一番守ってるの、俺だったんだって。
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