未恋

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二十彼女(ハツカノ)

Daily 20日目

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朝起きて顔を洗った僕は、彼女から貰った物を
整理して捨てるか迷っていた。
テーブルにおいたスマホが音を立てて鳴る。
どうせまた、例の男だろ。
落ち着いたら見ることにした。
30分後、ある程度おちついたのでそろそろ通知を
のぞいてやるかと思った
僕はスマホ画面を見て、驚きと共に涙を落とした。

     【○月14日○曜日】
「ずっと連絡してたんだけど、なかなか既読が
付かないから後輩からスマホを借りて連絡しました」
「もう1度だけ会えるなら会いたいな。
話したいことがあります」
1週間前の通知。きっともう彼女も悟っただろう。
会う気がないのだと。ベッドにまた寝転んだころ、
玄関をドンドン叩く音が聞こえた。
『なんだ?騒がしいな』
「お前、なんで連絡返さないんだ」
「俺とデートしたときも一緒に寝ている時も
お前の話ばっかするんだぞ。早く行けよ」
『えっ?寝た?最悪だ。会いたくない』
「俺は弟だよ。中学生。彼女もいるし」
『ほっとした。どこへ行けば良い?』
「1つしか無いだろ」

     【○月20日○曜日】
今から会いに行くよ!ごめん。本当は君のこと
信じられなくて疑ってた。自分勝手な自分だけど
もし、許してくれるならもう1度会いたい。
君のことが好きだから。

君はそこにいた。初めて出逢ったその場所に。
君の笑顔を見たい。その気持ちがあればきっと
やり直せる。信じることが大事なんだと気付かされた。
再開した僕たちは、二人また歩んだ道を語り合いながら
帰宅した。ぶつかりあった僕たちは、より深まった

--Fin--
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