それでも幸せ

salt

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偽りの鎧

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僕の勝手な被害妄想が進む中、いつも男子がこうささやいてくる。
なんで彼女いないの?モテそうなのに。え、もしかして男が好きなの?
人の気持ちを考えずにズカズカと踏み込んでくる。自分の顔が日を重ねるたびに
どんどん嫌いになった。外見だけの陰気な男子だというのに誰も分かってくれない。
いつまでも体にまとわりつく悪魔の鎧だ。
僕は一人でいる事が多くなった。周りと関わるのが億劫おっくうになって
机にひれ伏していた。
「寝ているの?」と頭上で声がしたので顔を上げてみる。すると黒髪で美人の女子が
こちらを見下ろしていた。
「起きているけど?何か用?」とつっぱねるように言い放つと女子は
「君がいつもつまらなそうな顔をしているから話しかけてあげてるの」と
感謝してねと言ってきた。
「一人でいるのが好きなんだ。ほっておいてくれ..」と
小さく僕は投げかけた時、クラスには、すでに彼女の姿は無かった。
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