それでも幸せ

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恋と友情

恋恋慕 

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いつも通りの朝が今日もやってくる。今日は何だか体が重い。疲労が取れていない
ようだ。それもそうだろう。昨日の事が衝撃過ぎるし、何より親友の気持ちを
踏みにじってしまったのではないかと精神的にもストレスを感じてしまった。
「学校へ...行きたくないな」
学校に行ったら、彼女がいるし、何より親友と鉢合わせるのは回避できないだろう。
親友と今の心境で会ってしまったら、顔に出て、すぐにこばまれてしまう。
不思議な気持ちだった。昨夜の事を考えるとドキドキして彼女に会いたくなった。
そんな事ばかり考えこんでいる僕は、結局のところ学校へ行った。
学校では親友と彼女が付き合う事になったらしく、朝からイチャイチャしていた。
親友が満面の笑みでこちらに寄ってきて、話したそうな顔をしている。
「なに?話してごらん?」と微笑みかけると、親友は嬉しそうに経緯を語り始めた。
「いきなり告白されてさ。びっくりしたよ。それでさ………なんだよね」
どうやら、親友と付き合ってあげるという約束は守られたようだ。
これでやっと純粋に応援できると心を撫でおろしていた。
「昨日は楽しかったね。約束はちゃんと守ったよ?」
「それはどうも。親友を幸せにしてあげてね。応援してる」
「君にはまだ役目があるからね。またね。親友くん帰ろ!」
意味深な言葉を耳元でささやかれた後、二人はデレデレしながら帰っていった
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