それでも幸せ

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復路

追憶

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彼女が学校へ着くと、いつも古野原に抱き着いてにやける。
何だか微笑ましい光景だ。ずっとこの時間が続いて欲しい。
そう思って応援していたはずだったのに、どうして大学生になった俺は
橋の下で気を失って倒れているのだろう。横には大人に成長し、美人になった
彼女が横たわっていた。どうしてこんなことになってしまったのだろう。
あの時だ。アイツは前から分かっていたんだ。
「お前ら仲良いよな。元々知り合いって感じ」
僕と瀬良さんに向けてそう言い放ってきた。その後に古野原は僕らを一蹴した。
「だって、瀬良、夏川の家から出てきたじゃん。朝の7時だぞ?泊まりだろ?」
「それは違うの。荷物を忘れたから取りに行っただけで…」
「うるせぇ、夜も楽しんだんだろ。俺のことなんて気にしないで」
「それは…」
「やっぱ、そうじゃねぇか。夏川。お前親友じゃねぇ 俺と関わるなクズ野郎」
それを機にアイツとは接点がなかった。急に会いたいというLINEに
期待してしまっていたのかもしれない。そしたらこのザマだ。
誰が悪いのか。もはや分からないが、とりあえず彼女を叩き起こして
事情を聴くことにした。
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