過去に戻れたら

しっくん

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目を開けると

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パシャン


「ん、顔が冷たい、濡れている。なんだここはどこだ・・・」




変な服装をした腰に剣を差している男2人がこっちをみている。



その手にはバケツが握られている。




「そうか水をかけられたのか・・・」



俺はそう理解した。




「#&%*>*%$“#&」





男たちが俺に向かって何か言っている。


「なんて言ってるのか全くわからない。そもそもここはどこな


のか・・・


俺はく猫を助けて車に轢かれたははずだ。なのに生きている。


生きているならきっと病院に


いるはずではないか。転生か・・・俺は転生したのか!」




と驚いたのも束の間


男たちに胸ぐらを掴まれ




「うっっっ」



殴られた。



それも何度も何度も・・・


あいつらの気が済むまで殴られた。


笑いながら殴られた。




そして、牢屋のようなところに連れていかれた。


「#“#%*+$$+*>」


何かを言いながら牢屋の扉を閉められた。



俺はあまりの痛みに泣くことしかできなかった。


これが現実と思えなかった。


泣いていると


俺と同じような男から


「#“&%*+*#%%&#」



と蹴られた。




言葉がわからないが




きっとうるさいとかそんな感じだろう



蹴られたことで少し落ち着いてきた・・・



ここがどこかもわからない。言葉も理解できない。




そもそも俺が知っている言語ではないような気がする。




さっきの俺を笑いながら殴ってきたやつの腰に剣のようなもの


が差さっていた。





やっぱり

俺は転生されたのかと思った。



でも、アニメやラノベの主人公のような特別な力を持っている


ような感じがしない。


試しに「ステータス」と小声で



言ったが何も現れない。




そもそも俺は牢屋のような場所に閉じ込められている。



薄汚く糞尿が所々にある吐きそうな部屋だ。




先ほど蹴ってきた男以外に他にも5人ほどいる。



みんなもう全てを諦めたような目をしている。






「あああ・・・」



俺は目を背けていた事実と向き合わなければいけないか・・・



どう考えても、あいつらは盗賊なのだろう…



日本で死んでこの世界に転生したが


何かの拍子で盗賊に捕まりここに連れてこられたのか。






「嘘だろ・・・言葉もわからない、何も力もなく転移したの

か。


神様嘘だと言ってくれよ・・・」


俺は現実逃避したい衝動に駆られた。



そして


身体中の痛みやこれからのことを考え俺は恐怖した。











このまま夜になり


また盗賊が来た。


手には何か食べ物を持っている。



そして


また何かわからない言語を言って




俺たちに向かって


投げてきた。






拾うと少しカビの生えた粗末なパンであった。



こんなものを食べないといかないのか・・・



そう感じたが周りはそれを食べている。






「食べないと生きていけない・・・」


意を決して口に入れるが固くパサパサである。


何度も何度も噛んでやっと飲み込めた。







俺は絶望を感じながらしばらく過ごし周りが寝静まるまで起き

ていたが





やがて睡魔には勝てず、硬い土の地面に横になって




寝たのであった。


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