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2.手に入るであろうものを捨て去ることになったとしても……⑧
しおりを挟む「こ、、のッッッ!よくもやってくれたものです!」
喚くナヴィラスの声は小さく遠く感じる。
目の前が黒くがかりよく見えない。
体が冷たく感じ、自分が倒れ伏していると気づいた。
部屋の中にある中扉が開き、数人の男たちが入ってきた。
「何をしてるのです!さっさと運び出しなさい!」
「これ、は⁈ナヴィラス様!」
「油断しました!情報不足だった……調書では、魔導は水だと書いてあった。まさか、光の魔導持ちとは!」
親指をギリリと噛み締めるナヴィラスが、僕を憎々しげに睨み下ろす。
先程までの余裕綽々な態度が一変、半ば怒鳴り散らすように男たちへ苛々と指示を出す。
「ナヴィラス様!いかが致しますか⁉︎」
「いかがも何もありません!言ったでしょう⁈さっさと運び出しなさい!とにかく、こんな場所で死なれては困ります!」
男たちがナヴィラスの言葉に従い、僕の体に手をかけてきた。
運び出されてしまっては、ここまでした意味がなくなる。
グッと、なけなしの力を振り絞り、容易に運ばれてしまわないように踏ん張る。
「何をしているのです⁈さっさと運び出しなさい!」
「そ、れが、思いのほか抵抗を…」
「ええい!忌々しい!構いません。抵抗するなら、腕も足も縛りあげなさい!それでも駄目なら折ってしまえばいい!」
「ナ、ナヴィラス様!さすがにそこまでしては……」
「私たちのところで死なれてはマズいと言ったでしょう?とにかく、ここ以外に……」
険しい顔で僕を睨みつけ、ナヴィラスが声を張り上げようとした瞬間、物凄い轟音を立てて、部屋の扉が吹き飛んだ。
*
*
*
*
*
ガラガラと崩れる扉の残骸。開け放たれたその向こうに立つ姿を認め、思わず安堵の息が漏れた。
来てくれた。
嬉しさと同じくらいやるせなさが募る。
鼻の奥がツンと痛くなるのを感じ、グッと奥歯を噛みしめることで、込み上げるものを我慢する。
「エリオ!」
名を呼ばれ、駆け寄った腕に抱き起こされた。
冷たい床から温かい腕に触れられているはずなのに、感覚がない。
最後かもしれない。
感じる事が出来ない感触に、切なさが募る。
思わず縋りつきたくなるのを、爪が食い込むほど手を固く握り締めて堪えた。
「ラキティス様!何故、貴方様がこちらに?」
声が出ない。
僕の代わりのように、ナヴィラスが声をあげた。
ザッと、ラキティスの視線が僕の全身に走り顔が顰められる。
見なくても分かる。かなり、酷い有り様なのだ。
肌を這うように広がるドス黒く、禍々しい紋様は恐らくかなり醜悪だろう。
「彩色……エリオ、お前…」
ラキティスの表情からは考えを伺い知れない。
知られたくなかった。できればこの人だけには……
比べるべきもない、中途半端な紛い物。アヤを知ってしまった後では尚更、自分の持つこれのお粗末さに羞恥するばかりだ。
コホッと小さく咳き込んだ瞬間、喉奥に鉄錆臭さを覚えて、無意識に小さく笑む。
「ラキティス様!」
遅れて部屋に飛び込んできた兵士の声。
顔を上げたラキティスの顎下しか目に映らなくなり、表情はもう窺い知れない。
「連れて行け……」
静かな、それでいて冷たくとも熱くともとれる鋭い声音。再度呼ぼうとした声はやはり音を結ばない。
次第に目の前が霞んでいく。
待って……………
お願い……………まだ
まるで、堪えていたもの全てが堰をきったかのように目尻から溢れた瞬間、一気にすぅっと目の前が真っ暗な闇に包まれたーーーーーーーーーーーー
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相変わらずエリオが大好きです!!!!!
なんかもうエリオは誰にもあげない!
(更新ありがとうございます)
ものッッッすごい、ひっさしぶりの更新につき、おまたせして申し訳ありません!
とりあえず、もうちょっとで終わりますので、気長にお待ち下さいませm(_ _)m
ついで宣伝で申し訳ありませんが、これ終わったら、実質完結編出す予定です(o^^o)
サブタイトル〜貴方に永遠を誓う〜になります(o^^o)
こちらもまだまだ執筆未定なので、ゆったりお待ちいただければと思います( ̄▽ ̄)ゞ
ありがとうございます(^^)
何気にこのカプはニャン子も気に入ってますので、嬉しいです(*´꒳`*)
またまた、よろしくお願いします(*´꒳`*)