聖獣騎士隊長様からの溺愛〜異世界転移記〜

白黒ニャン子(旧:白黒ニャンコ)

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第1章 黒の双極 傾く運命は何処なりや

15.間違えた!!!!!




「マヒロ………」

カイザーが呆然となる。

「”きす”とは何だ?」


???
?????
ーーーーーーーーーーーーーーーーきす?????
”きす”って……………………

「ッッッッ!!!!!」

一瞬、言われた言葉の意味が分からず、俺も同じく呆然とし、ゆっくりと考えてから一気に爆発した。

ま、ま、ま………………………

間違えたぁーーーーーーーーーーー!!!!!!!

何をトチ狂ってんだ、俺は!
触れられて、嫌悪感を感じればただ勘違いになると考えた。故に、抱きしめるか何かをして貰おうとし、が、間近に迫ったカイザーの顔、唇を見つめていたが為、無意識に口走ってしまったようだ。
キス………通じなくて良かった。

「マヒ……」
「何でもないッ!!」
「何でもない事は……」
「気のせい気のせい!!」
「おい、、」

言葉をことごとく遮る。
冗談じゃない。
本気でキスなんかされ、それで嫌悪感すら感じなかったらマジで洒落しゃれにならん。
なかった事にしようと、ひたすらはぐらかす俺に、カイザーがしばし無言で見つめてきた後、深く溜め息をつく。

「意味不明な言葉の事はもういい。だが、話はさせろ」
「………する必要があるのか?」
「しない方が良くないだろ?」

質問に質問で返された。
話をしたいかしたくないかで言えば、正直言ってしたくない。さきほどの流れで気まずいし、ハッキリ言って居た堪れないから蒸し返したくない。

「別に…俺、気にしてないし」
「じゃあ、なんで怒った?」
「それ、、は!」

慌てて顔を上げた俺を、カイザーが真剣な顔で見つめる。

「確かに。血脈であるお前を、俺たちは利用しようとしているのかもしれない。お前の意に染まぬ事だ。不愉快なのは分かる」

か。

カイザーの口から出た言葉にホッとして、少し落胆らくたんした。
キスについて言及げんきゅうされなかったのも、俺が怒ったのが、自分を利用されようとしたからだと思われた事に……

「お前を全力で守ると言ったのも、意に沿わない無理強いも、誰であろうとさせん!それは、今も変わらない」
「カイザー……」

俺が、カイザーも他の奴らと一緒と言ったあの言葉に対してらしい。
半ば癇癪かんしゃく起こして言ったようなものだが、そういう思いがまったくなかったわけでもない。
守るとは言っても、カイザーだって人に仕える身だ。ましてや、主人はあの腹黒皇子。優しいなりして、手の内を見せないあの皇子に命じられれば、カイザーだって……

「自分が言った事は守る。もう一度言うが、たとえ殿下であろうと、お前に無体な真似はさせない」
「本気?下手すりゃ、皇太子だけじゃない。俺を狙う奴らみんないっぺんに相手する羽目になんじゃねぇの?」
「それでも、だ。俺は、騎士だ。この国で頂点に立つ騎士隊長としての自負も、自信も意地もある」

真摯しんしな視線に見とめられ、気持ちがザワつく。
好きか嫌いなら、俺はカイザーが好きなんだろう。まだまだ恋愛感情とは断定して言うには抵抗あるし、そういう意味で同性を見た事がないから、ハッキリとは言えない。
でも、胸に抱えているのは好意だ。
それは認めるしかない。

でも、、、じゃあ、カイザーは?

俺が何に対して怒ったのか今一分かってはいない。
けど、それでも全力で俺を守ると言ってくれている。

それはどうしてだろう?

俺が血脈だから?俺が貴人だから?

ジッと無言で見つめた後、そっと小さく息を吐き静かに目を伏せた。
前にも言われた筈だ。俺を守るのは近衛騎士隊長としてのだと。
同じ答えを二度も聞く必要はない。
俺に対して、特別な感情を持ってるワケじゃない。
だったら、そうかもしれないというだけのこの感情を言うべきじゃない。
俺のがそうだったとしても、カイザーはそう返してくれる事はないだろう。
フゥッとゆっくりと息を吐き、気持ちを鎮める。

「マヒロ?」
「ごめん……落ち着いたから」

肩にかかったままだったカイザーの手にやんわり手を当て外した。
離される事を望んだのに、手の温もりを失くした肩がひんやりと冷えていく。
そっとその肩に目をやり小さく自嘲した。

『意味、分かんねぇ…!何がしたいんだよ⁈』

カイザーに投げつけた言葉。
俺自身にピッタリだと苦々しく思いながら…ーーー。








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