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第1章 黒の双極 傾く運命は何処なりや
*
『お~い?起きて~?聞いてる~??』
耳に届く呼びかける声に、意識がゆっくり浮上する。薄っすら開けた目に、真っ白な光が目に入り、眩さに眉を顰めた。
『あぁ、起きたね?大丈夫かな?』
ここ………?
『ここは、アストラル神域っていうところ』
あすとらるしんいき?
応えに思案した後、ハッとなる。
俺、今声に出してた?
『出さなくても大丈夫だよ。念話できるから』
さっきから聞こえる誰とも知れない声。
耳に届くというより、脳に直接届いているようなそれに、若干の気持ち悪さを感じた。
『さっき受けた聖獣の力の影響だね。ほんとは、直接会って話せたらいいんだけど~……それやると、理狂っちゃうからねぇ。ーーーーーーーと同じ事、僕までするわけにはいかないし~、、ハァ、、やれやれだよ~』
姿は見えず、声だけの主はやけに軽い。
誰なんだ?
『僕の事は気にしなくていいから~』
いや、普通、気にするだろ?
胡乱な目を何処ともなく向ける俺に、声の主がケラケラと妙に楽しそうに笑った。
『あははは!そうだね、普通は気にするかぁ~、、う~ん……でも、こればっかりはねぇ、僕の一存じゃどうもならないし~、、じゃ、まぁ、機会があれば?って事で』
意味が分からん……
自分一人で納得しないで欲しい。ちゃんと分かるように言ってほしいが、声の主はそれ以上説明する気はないらしい。
これ以上は聞いても応えがないと半ば諦め溜め息をつく。
それより今は、この状況が一番分からない。
そもそも、あすとらるしんいきって何なんだ?
何でそんな訳わかんない場所に?
首を捻る俺に、声の主がうんうんと頷く声と気配。
『分かる。分かるよ~、、いきなりこんな状況じゃ困っちゃうよねぇ?』
……………………
困った状況つくってんのはあんただ!
というツッコミはもはやしない。よく分からんが、この相手には通用しないような気がして押し黙った。
『まぁ、雑談はこのくらいで。本題ね?』
なんか、この世界来てから軽い奴ばかり……
カイザーは別としても、、、
と、ハタとなった。
そういえば、俺、どうなったんだ?
『まぁ、それもあって、僕が出てきたんだよ。状況的には宜しくないんだよねぇ。時間がかかりすぎてる。今のままだと、、う~ん、と…?君たちの世界ではなんて言うんだっけ?ふ、、フラグ?かな?それが起こりそうだから、修正かけてねっていうのと、早く思い出してねって言いに来たの』
時間って何の?
フラグ?修正??
意味分からん。
それに………………………
思い出せと言われても、何の事だかさっぱり分からない。ただ、そう言われると、頭の奥と胸の奥がひどく痛んだ。思い浮かんだのはいつかの夢。
幾人もの女の子に責め立てられたあの………………………
『僕が今できるのはここまで。ーーーー、がんばらないとまたやり直しだよ?』
声の主の言葉にハッとする。
何かを思い出したわけではなく、意味深なその言葉に。慌てて振り返ると同時に、意識と体が妙な浮遊感に襲われ、一気に体の上下感覚を失い固く目を閉じた。
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