聖獣騎士隊長様からの溺愛〜異世界転移記〜

白黒ニャン子(旧:白黒ニャンコ)

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第3章 翡翠の剣姫

4.求める結果がそれだけだとは限らない!②




「すまない!!申し訳なかった!!!」

がばちょと頭を下げられ、目をパチクリ。
え~、、、っと??
いきなりすぎて、どういう反応を返せばいいのか分からない。

「シャイア。それじゃあ、分からんだろう?」
「む?そうか?」

呆れたように後ろから指摘するカイザーに、シャイアが難しい顔で唸る。
カイザーの言う通りだ。言われてる俺にはさっぱり意味が分からない。
リステアのところへ行ってた2人が帰ってきて、扉が開き、物凄く険しい顔をしていたシャイアが急に謝りだした。
説明も話も一切無しだ。
むむむ、と小さく唸りながら、シャイアが考えだす。

「隊長も、シャイア様もとりあえずお座り下さいませ。今、お茶を」

ハァと小さく息を吐き、ジディがソファを勧める。
カイザーが当然のように俺の隣に。シャイアは俺の向かいに座る。

「隊長が話した方が良くないっスか?シャイア様、なんだか考え込んじゃってますよ?」

頬をポリポリしながらキリアンが提案し、カイザーが思いきり溜め息をつく。

「引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、俺に説明させるのか?随分だな、おい」
「ふん!私は別に引っ掻き回してなどおらん!そもそも、聖下にきちんと話をしておらなんだお前が悪いのであろう?自分の怠慢たいまんを私のせいにしないでもらいたいものだ」

ジロリと睨むカイザーに、シャイアが腕組みし速攻で返す。
何か……話どころの空気じゃ、、ない??

「キリアンもジディも、シャイア、様の事、知ってるんだ?」
「聖下。私の事は呼び捨てに」
「ええ。存じ上げております」
「俺もで~す!隊長の古い馴染みの方なので」

2人への問いかけに、シャイアが空かさず返し、ジディとキリアンも続けて返す。

「そっか……じゃあ、まったく知らない人がカイザーの傍に居るよりは受け入れやすいよな」

男で、なのに聖獣妃なんつうモンよりは、幼馴染のちゃんとした女性のが、キリアンもジディも受け入れやすいだろう。
自分を卑下ひげするわけじゃないが、男のくせに同じ男の傍に居るのはやっぱり不自然だ。
好きになったのは後悔しないが、こうもちょくちょく現実を見てしまうと………

「やっぱ………凹む」
「マヒロ様?」
「た~いちょう!!何かマズいですよ?マヒロちゃん、変な方向に誤解してってますって!早く!!早く、説明してあげて下さい」
「何度も言うが!俺はきちんと手順を踏んで伝える気だった!!それを、どいつもこいつもッ……!」
「早く説明して差し上げたらどうだ?お前がグズグズしておったからこうなったのであろう?」
「お前が言うな!シャイア!!」

あたふたするジディとキリアン。
カイザーとシャイアが再び言い争いを始め、俺の気分が沈んでいく。

「隊長~~!!」
「うるさいッ!分かってる!!黙ってろ!!!」

せっつくようなキリアンに、カイザーが苛々マックスに怒鳴りつつ、俺に対峙たいじする。
ハァ~ッ、と溜め息をつかれ、情けないが気分が更に落ち込んだ。

そんなに嫌なら放っておいてほしい。

底辺まで沈み、段々、段々、ムカついてきた。

何か、俺に対して溜め息ばっかじゃね?
そッッッんなにっ!面倒臭いんなら、何で俺とそうなったんだよ⁈
元来、俺はこらしょうがない。
沈んでも一瞬だし、どっちかってぇと割と短気?喧嘩けんかっ早いし、無駄に気が強い。
自分から喧嘩を売る事はしないが、売られた喧嘩は、まぁ、買ってしまう。
だから、こんな態度に出られたら……

「溜め息ばっか……」
「マヒロ?」
「そんな面倒いかよ?悪かったな!!男のクセにこんなんで!!」
「いきなり、ど…?なん、だ??」
「うるッッッさい!!俺だって、分かんねぇよ!どうしたらいいか分か、、ん、ね……」

八つ当たりだ。
もう、ぐちゃぐちゃだ。
腹が立ってんのか、泣きたいくらい悲しいのか……自分で自分が分からない。
ハァ~、、、嫌になる。気持ちがまったく定まらない。
それなのに……

「カイザー、何してる?そこは聖下を抱きしめて差し上げるところだろう?」
「シャイア様!駄目ですわ。そこはきちんと手順を踏みませんと!」
「俺たち邪魔じゃね?ここは濃いめな口づけ交わすところじゃないか?」

外野がうるさい……
悩ませてもくれねぇな、このガヤどもは……

「ごめん……気持ちの整理つけたいからさ。俺、1人になりてぇし…だから、屋敷に先、帰る…」

カイザーからどんな話が来ようと、冷静に受け止められるよう、気持ちを落ち着ける必要がある。
カイザーの横をすり抜けようとし、腕を掴まれた。
ぐんと、力強く引き寄せられた体が、カイザーの胸元に抱き込まれる。

「カイ……」
「3人とも出てけ……!」

静かなカイザーの命令に、先に動いたキリアンがニッと笑い、ジディを促し、シャイアを誘導させていく。

「お邪魔虫は消えた消えたって事。さっさと出た出た」
「押さないで下さい!あなたに言われなくても分かってますわ!」
「おい!話をするのではないのか⁈」
「シャイア様。隊長に任せればいいですよ。出ましょ出ましょ」

不満タラタラなシャイアを宥め、ぷんすか怒るジディと一緒にキリアンがニヤニヤ笑いながら部屋を出ていった。
シンと静まり返った部屋に、俺とカイザーの2人だけ。
屋敷で1人、ちゃんと話を冷静に聞く姿勢をつくりたかったのに…それすら許さないのか?
こんな気持ちのまま、話さなきゃならないなんて……

「お前だけだ……」
「?」

一言だけ。

意味が分からず首を傾げる俺に、カイザーが口元を手で覆う。

「どれだけ鈍いんだ?」
「何??」

聞き返す俺に、カイザーが顔を思いっきり顰める。

「俺はこういう事は、きちんと段取りを取らんとできないんだ!だから、しっかりと準備を進めたってぇのに、どいつもこいつもぶち壊してくれやがって!!」
「は??え??」

がりがりと頭を掻き、苛立ちながら言うカイザーに、益々意味が分からない。
目をパチクリさせる俺に、カイザーが深~く溜め息をつく。
また溜め息だが、今は戸惑いの方が強くて気にしてる暇がない。

「カイザー……?あ、の、、、っ⁉︎」

頬に手をあてがわれ、顎へ指が滑らされる。
顔が上向かされ……………………………………………








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