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第3章 翡翠の剣姫
4.求める結果がそれだけだとは限らない!④
「どういう事だ!カイザー」
中庭園での騒動後、マヒロとシャイアと俺の3人で皇太子殿下の元へ連行された。
マヒロを暴走させる原因を作った1人でもあるエルシアが居ないのが納得できん。
三者三様に、皇太子殿下からたっぷり絞られ、しょげ返ったマヒロを慰めようとしたのに、何故かシャイアと2人残され、先程、やっと解放された。
すぐにでも、マヒロの元へ行きたかったが、目の前のシャイアを先にある程度納得させねばならなかった。
怒りも顕に詰め寄る相手に、俺の眉間にシワが寄る。
どういうもこういうもない。
誰が見たって分かりきった事を、この女は………
昔からそうだった。
だから、嫌なんだ。自分に絶対の、根拠もない自信ばかり持った人間は。
「今、言った通りだ。マヒロは、俺の恋人。いずれは伴侶だ」
「聖獣妃聖下がか?」
「そうだと言ってる!!」
信じられないとばかりに目を瞠り、シャイアが言葉を失って口をハクハクさせる。
こいつにとっては衝撃だろう。
婚約を申し込みに来た俺に恋人がすでにいて、しかもそれが、どの国も喉から手が出るほど欲する存在だったのだ。
普通だったら、すでに相手が人の物と知れば気落ちする。
が、俺には分かる。
こいつにとって、そんな事は瑣末事。俺に相手がいる事はシャイアには大事ではなく、シャイアが受けている衝撃は………
ガックリと両手を机につき、項垂れながら……
「なんたる失態ッ!!それならそうだと、ちゃんと言わぬか!馬鹿者めッ!よもや、貴き御方とそのようなだいそれた関係などと思わなかったぞ!お前の聖下への距離があまりにも分を弁えぬ故、聖下をお守りせんとし、随分、無粋な真似をしてしまったではないか!あゝ!なんて事を!!あれでは、まるで私が嫉妬から聖下へ嫌がらせをしたみたいではないか~!!この、私が!私がだぞ⁉︎翡翠の剣姫と呼ばれ、六大聖騎士に数えられる私が……そのような浅はかな嫉妬深い小娘のように思われるなど、断ッじて!認め難し!!!」
「……………………」
拳を握り、憤然と怒りだすこいつにはもはやかける言葉もない。
マヒロへの俺の態度や接する空気で大体察せるモノだが、自分の固定観念に絶対の自信を持つこいつには通用しなかったようだ。
「駄目だ……」
「おい?シャイア…」
「駄目だ駄目だ駄目だ!!絶ッッッ対!駄目だ!私は戻るぞ!聖下と話さねば!!貴き御方に嫌われるなど、御免被る!!」
「ちょっ、、待てっ!!お前が口を挟むとろくな事にならん!マヒロを刺激するなッ!!」
「うるっさい!聖下の、私に対しての誤解を解く事こそが先決だ!先は図らずともそうなってしまったが、私がまた聖下を悲しませるわけなかろう⁈」
「信じられるか!!お前に対して、俺の信用は地の底だ!!絶ッッッ対!駄目だからな⁉︎」
「絶ーーーーーーーーーーーーーッ対!話す!!」
「絶ーーーーーーーーーーーーーッ対!やらせん!!」
我先にとお互い走り出し、追い越し阻みの攻防が、近衛寄宿舎まで続いた。
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