聖獣騎士隊長様からの溺愛〜異世界転移記〜

白黒ニャン子(旧:白黒ニャンコ)

文字の大きさ
87 / 120
第3章 翡翠の剣姫

4.求める結果がそれだけだとは限らない!④




「どういう事だ!カイザー」

中庭園での騒動後、マヒロとシャイアと俺の3人で皇太子殿下の元へ連行された。
マヒロを暴走させる原因を作った1人でもあるエルシアが居ないのが納得できん。
三者三様に、皇太子殿下からたっぷり絞られ、しょげ返ったマヒロを慰めようとしたのに、何故かシャイアと2人残され、先程、やっと解放された。
すぐにでも、マヒロの元へ行きたかったが、目の前のシャイア面倒くさい奴を先にある程度納得させねばならなかった。
怒りも顕に詰め寄る相手に、俺の眉間にシワが寄る。
どういうもこういうもない。
誰が見たって分かりきった事を、この女は………
昔からそうだった。
だから、嫌なんだ。自分に絶対の、根拠もない自信ばかり持った人間は。

「今、言った通りだ。マヒロは、俺の恋人。いずれは伴侶だ」
「聖獣妃聖下がか?」
「そうだと言ってる!!」

信じられないとばかりに目を瞠り、シャイアが言葉を失って口をハクハクさせる。
こいつにとっては衝撃だろう。
婚約を申し込みに来た相手に恋人がすでにいて、しかもそれが、どの国も喉から手が出るほど欲する存在だったのだ。
普通だったら、すでに相手が人の物と知れば気落ちする。
が、俺には分かる。
こいつにとって、瑣末事さまつごと。俺に相手がいる事はシャイアには大事ではなく、シャイアが受けている衝撃は………
ガックリと両手を机につき、項垂れながら……

「なんたる失態ッ!!それならそうだと、ちゃんと言わぬか!馬鹿者めッ!よもや、貴き御方おんかたとそのようなだいそれた関係などと思わなかったぞ!お前の聖下への距離があまりにもわきまえぬ故、聖下をお守りせんとし、随分ずいぶん無粋ぶすいな真似をしてしまったではないか!あゝ!なんて事を!!あれでは、まるで私が嫉妬しっとから聖下へ嫌がらせをしたみたいではないか~!!この、私が!私がだぞ⁉︎翡翠ひすい剣姫けんきと呼ばれ、六大聖騎士に数えられる私が……そのような浅はかな嫉妬深い小娘のように思われるなど、断ッじて!認め難し!!!」
「……………………」

拳を握り、憤然と怒りだすこいつにはもはやかける言葉もない。
マヒロへの俺の態度や接する空気で大体察せるモノだが、自分の固定観念に絶対の自信を持つこいつには通用しなかったようだ。

「駄目だ……」
「おい?シャイア…」
「駄目だ駄目だ駄目だ!!絶ッッッ対!駄目だ!私は戻るぞ!聖下と話さねば!!貴き御方に嫌われるなど、御免被ごめんこうむる!!」
「ちょっ、、待てっ!!お前が口を挟むとろくな事にならん!マヒロを刺激するなッ!!」
「うるっさい!聖下の、私に対しての誤解を解く事こそが先決だ!先は図らずともそうなってしまったが、私がまた聖下を悲しませるわけなかろう⁈」
「信じられるか!!お前に対して、俺の信用は地の底だ!!絶ッッッ対!駄目だからな⁉︎」
「絶ーーーーーーーーーーーーーッ対!話す!!」
「絶ーーーーーーーーーーーーーッ対!やらせん!!」

我先にとお互い走り出し、追い越し阻みの攻防が、近衛寄宿舎まで続いた。








感想 166

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる

猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。 しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。 当然そんな未来は回避したい。 原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。 さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……? 平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。 ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

異世界転生してひっそり薬草売りをしていたのに、チート能力のせいでみんなから溺愛されてます

ひと息
BL
突然の過労死。そして転生。 休む間もなく働き、あっけなく死んでしまった廉(れん)は、気が付くと神を名乗る男と出会う。 転生するなら?そんなの、のんびりした暮らしに決まってる。 そして転生した先では、廉の思い描いたスローライフが待っていた・・・はずだったのに・・・ 知らぬ間にチート能力を授けられ、知らぬ間に噂が広まりみんなから溺愛されてしまって・・・!?

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。