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第4章 白花の聖女
1.どこまでいっても……②
のんびり1人で茶を啜るシャイアに思わず無言で見つめてしまう。
はっきり言って、シャイアに対しての俺の距離は微妙。
まず、真意が測れない。
カイザーと俺の関係は認めてくれている。謝られもした。が、婚約の事を果たしてどう考えているのか?
カイザーはシャイアと婚約しないと、俺に対してはっきりと言ってくれたが、実際問題どうなるかは分からないし、ぶっちゃけ不安しかない。
シャイアがカイザーとの婚約は別問題だと考えるなら、俺を交えての三つ巴になる。
男の俺が、同じく男のカイザーを巡って、シャイアと争うの図の完成だ。
マジ……嫌すぎる。
考えただけで情けないし、絵面がヤバい。
場面想像しただけでゲンナリなんですけど……
「婚約はしない。お前を娶る気はない。さっさと国に帰れ!」
「カ……ッ!!!!!」
素っ頓狂な声が出……かかり、慌てて口を手で抑えたから難を逃れた。
いきなりなんの前触れもなく、直で爆弾落とされた心境だ。
「な、ちょ!い、いくらなんでもど直球すぎ!それにッ……!」
「ふん?で?それから?」
「シャ、シャイア⁈」
俺が慌ててるのに、会話が続く。
カップを静かに置きつつ、シャイアが優雅に足を組み、挑むようにカイザーを見据えた。
睨み合うカイザーと、シャイアの周りに雷鳴暗雲渦巻くものが見えるのは気のせいだろうか……
こ、怖すぎる!!
「そもそも、国の益を考えた縁組というのであれば、ショートショールに益があっても、アウランゼには何も得るものがない。政略婚が成立せん」
「ショートショールの軍事力に関わるカズィーロ家の後ろ盾を得る。お前は私のような美女を嫁にできる。益だらけではないか?」
「ショートショール国家の軍事力なら、まだギリギリなんとか、というところだな。美女がどこにいる?並大抵な男すら薙ぎ倒す女を、俺は女とは思えんな」
「カ、カ、カイザー⁉︎」
お互い笑みを浮かべ、ぽんぽんやり合うカイザーとシャイアに、聞いてるこっちは居た堪れない。
いや、シャイアは美人さんだよ?
本人目の前にしてこき下ろすとか、聞いてるこっちの心臓が保たない。
「私より弱い男が悪いのであろう?簡単に薙ぎ倒される方がどうかしておるのだ」
でもって、シャイアは全然気にしてないし……
「第一、お前は俺が好きで婚約したいわけじゃないだろう?」
「む?好きか嫌いかで答えるのか?」
「聞かなくとも分かるがな…」
「それしかないなら、答えは嫌いだ!自分より強い男なんぞ、張っ倒したくなるだけだな!!」
お互い聞いちゃいねぇ。
「嫌いなんだったら何でだよ……」
2人のやりとりの応酬に疲れた。
もはや、脱力感しか感じない。
婚約話を聞かされ、1人やきもきし、不安でいっぱいになった俺の気持ちを返しやがれ!
深~く、溜め息をつき、ガックリしながら呟く。
「カイザーと一緒になれば、アウランゼの軍事力に携われる。何より、優秀な2人の騎士を、私の部下にできるのでな!」
「お前なぁ~……ろくな事を考えん奴なのは知ってたが、2人はやらんと前にハッキリ言っただろうが!まだキリアン達を諦めてないのか⁈」
「諦める?私は最初から、手に入れる気満々だぞ?」
「「勘弁して下さい!!シャイア様ッッッ!!」」
けろっとしたシャイアの答えに、キリアンとジディの悲鳴がこだま。
うぅ、、何かもう、考えんのも馬鹿らしい。
結局、シャイアはシャイアでしかないって事だ。
「だから、婚約はせんと言ったし、お前が不安になるような事は一切ないと言ったはずだ」
「……………………」
そりゃ、言いましたけども……欲しい物があるから、好きでもない奴に嫁ぐって、、、
異世界の常識か?
話がぶっ飛び過ぎてて、そろそろお腹いっぱいだ。
「どっちにしろ、他国の皇室にこれだけ騒ぎを起こせば、婚約話は不成立だね」
話をぶった斬るように、ほんわりとした声が響いた。
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