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第4章 白花の聖女
2.こいつが一番腹黒だ!!
しおりを挟むほんわか声の主は、エルシアだ。
場にそぐわないふんわりとした笑みと態度ではあるが、こいつの正体は知れてるだけに、胡散臭いだけでしかない。
「そちらの益を考えれば、お前はシャイアの後押しをする為に来た事になっているが?」
「そうだね。益を考えるなら、ね」
胡乱に見つめた後、カイザーが片眉を上げながら、エルシアを睨める。
ショートショールの目的が、アウランゼへの繋がりを持つ事なら、エルシアはシャイアの味方をすると見るのが自然だ。
それなのに……
「……だから貴様は信用ならないんだ!」
ニッコリ笑みを浮かべたまま、口を開かないエルシアを無言で見つめた後、カイザーが苦虫を噛み潰したように顔を顰めてチッと小さく舌打ちした。
「えっ、、と…?ど、ゆこと?」
「はなからこいつは、ショートショールの為にも、妹の為にも動く気はないし、そのつもりでも来てない。そうだろう?エルシア」
半ば吐き捨てるように言い、斜めから睨みつけるカイザーに、エルシアが満足そうにクスクス笑いだす。
「正解。私にそんな気はさらさらないね。本国のバカの意思に従うなんて真っ平御免だし。レオのしつけだけで手一杯なのに、他国に嫁いだシャイアの尻拭いまで加わるなんてもっと御免だしね」
……………………何か、また変な変換されてるような気がするのは俺だけか?
「私は最初から、この婚姻には反対だよ?苦労するのは目に見えてるからね(私が)」
ニコッと柔らかな人あたり良い笑み浮かべてるが、分かってる!
語尾に絶ーーーーーーーーっ対!何か付いてるし!!
呆れて、思わず口が台形になってしまった。
これで、ハッキリした。
ショートショールでも、そのお偉方でもない……
エルシアが一番腹黒だッッッ!!
「私は手助けなんぞ要らんぞ?今までも1人で上手くやっておったし!苦労なんぞ、するわけなかろう?」
「……………………」
シャイアはシャイアでまったくもってブレないし…
もう、何なんだ⁈この兄妹は!!
「で?カイザー。確認するが、私と婚約する気は……」
「ないッッッ!!」
「キリアン達をくれる気も……」
「ないと言ってるだろッッッ!!」
「考えを変える、、……」
「いい加減にしろッッッ!!しつっこいぞッッッ⁉︎」
シャイアの問いに応えてはいる。応えてはいるが……
カイザー……苛々溜まりすぎて怒鳴り声になってるし。
まぁ、気持ちは分からなくもない。
俺もいい加減そろそろ、相手すんのしんどい。
カイザーを見ると怒り心頭で、触れたら斬れそうなくらいに、放つ気配が剣呑になってる。
包む空気もどんどん黒くなってくようだ。
うん。イケメンの凄みがかった威力怖い。
「シャイア、諦めろよ。俺だって、手に入れられなかったんだぞ?」
「お前が恐れ多くも手を出そうとしたのは聖下であろう?私をそんな罰当たりと一緒にするでないわ!」
「しかも、失敗してますしね?ジオフェス様」
「うっせぇな!!次があれば絶対手に入れてやるってぇの!」
「なにやら、不穏な会話が聞こえてきますわ。今の内に殺りましょうか?」
「あははは!ジディが1番不穏だよ~?」
ガチャガチャがやがややりだす外野に、眉間のシワがどんどん深くなってくカイザー。
「お前ら…………………………」
物凄ーく低ーい声が響く。
「全員出てけッッッ!!!!!」
特大級の雷が落とされた。
触らぬ神に祟りなし、である。
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