海洋高校駆逐艦、『瑞雪』艦内報告!

たらしゅー放送局

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初日でこれとはツイてない

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 さんさんと照りつける太陽…地球温暖化め、入学式の日ぐらい抑えてくれよ…。昔は桜なんて植物もあったらしいが、今の世の中絶滅寸前だ。
「まったく、やんなるよ」
潮風に吹かれて体はベトベト、汗もだらだら、本当にいやになる。家が近いせいで歩きだ。
「あ…着いた…」
埋め立てて出来た人口島にそびえ立つ照りつける太陽のような鮮やかな赤い煉瓦づくりの校舎。間違いない。海洋高校の校舎だ。他の生徒は殆ど海上バスで登校してる。
いいなぁークーラーきいてるんだらうなー。とか思っていると、校門についていた。西洋風の鉄格子の門で、年期のこもったように見える。
…あくまで見えるだけだ。これらは最近造られた物だったりする。
「きれいなもんだな」
「本当だね」
「うぉ!」
と言いながら振り向くと、見慣れた顔があった。きれいな黒髪で、とてもべっぴんさんだ。
「なんでお前がいるんだ?柳原」
「ん~?、なんでって、なっつん言ったじゃん」
「ん?なにを?」
本当に身に覚えがない。
「えぇ~?!覚えてないの!?」
「ああ。覚えてない」
「『いっしょにかいじょうごえいたいになろ』って!」
「いや、いつの話だよ!」
「幼稚園ぐらい?かな」
「いやいや、なんで覚えてんの!?幼稚園の思い出なんて殆ど覚えてねぇよ?なに?インデックスなの?」
「うーん。よくわかんいけど、じゃあこれぐらいは覚えてるよね?」
といって可愛く笑ってみせた。
「『海での勝手は』」
俺も少し笑って答えた。
「『俺達セーラーが許さない!』だろ?」
カコーンカコーンと大きくベルがなった。
ーーー海の授業は今日も始まる。ーーー

 海上護衛隊とは、日本の領海を護る海上保安庁や、海上自衛隊の援護などを行う政府が作った隊だ。地球温暖化のせいで水位が上がり、領海侵入が目立ちはじめたため、結構必要にされてたりする。
 そしてここ、海洋高校は海上護衛官。通称、『セーラー』の育成を行う学校だ。
「いょっしゃーーーー!戦艦だー!」
「まじかよ?!俺なんか軽巡だぞ?!」
「陽子、しばらくの間あえなくなるな」
「けど、同じ海よ。海中か海上かの違いだけ。同じ海よ」
とか言う会話があちらこちらから聞こえる。
 乗る艦種は個人の成績で決まる。
 成績優秀者のさらなる育成を目指して配属される『戦艦』。
 戦艦よりも、劣ってはいるが、後少しで戦艦というやつの配属は『重巡』。
それより下は『軽巡』。
さらに下は『駆逐艦』となる。俺と柳原はここに配属された。
 ちなみに潜水艦もあるにはあるが、実技、筆記のテストを全て満点にしないと入れないとんでもない所だ。
「えっと、俺達の船は…あれか」
てらてらと光る艦橋に、十二・七サンチ連装砲が三基六門。魚雷発射管もある。間違いない。駆逐艦だ。それも第二次世界大戦の頃の駆逐艦。
「瑞雪(ずいゆき)だってさ」
と、柳原が高校から配られた資料を見て言った。
「すげぇ言いにくい名前だな」
「吹雪型の設計図を元に造られたんだって」
「ふーん」
といって、俺達は左舷につけられたら階段を登っていった。

「どうも、はじめまして。菜月海人(なつきかいと)です。一応艦長になりました。ふつつかものですが宜しくお願いします…」
と、言って俺は計三十数名の乗組員たちに頭を下げた。
 理由は至って単純。くじで負けて艦長になったからだ。
 ちなみに柳原は水雷長。魚雷を専門とする水雷員の長だ。
「はじめまして、永久保です。副艦長になりました。宜しくお願いします」
なんて言ってお辞儀したのはこれまた茶色い髪のポニーテールの(流行ってんのか?ポニーテール)可愛らしい、というか男受けしそうな女の子だった。
「…ここまでかわいい子がいると次は多分そこそこの子が…」
来なかった。ていうか全員可愛いかった。

「うぉおおお!かわいい人多すぎだろ!」
と、男どもの雄叫びが女子がいなくなった部屋の中を支配していた。
「おめーら馬鹿だろ。美女ほどどんな性格してるかわかんねぇんだぞ?」
事実、柳原もそうだ。あいつは人の前では大和撫子の如くお淑やかで、清楚な女の子だが、ハイテンションで大和撫子とはかけ離れた女だったりする。
「ばぁか!なに言ってんだよ艦長!」
へ?何言ってんだ。こいつら。
「それがいいんだろ!」
本当、何言ってんだ。
「早く準備しろよ。入学初日だけど今日一応授業入ってるし」
と言ったら丁度出航準備の喇叭が鳴った。
「ほら、喇叭なってんぞー!出航準備!」
ちぇー。と男どもがブーイングした。

 一応、この学校には普通科の授業は殆どなく、訓練ばかりしている。航海実習や、砲撃訓練などがその筆頭だ。ちなみに今日は航海実習だ。
「しかし、なんだ…辺り一面海だねぇ~…」
「当たり前でしょ?海の上なんだから…」
と、副艦長に叱られた。
『艦長、前方に駆逐艦と思われる船が一隻こちらについて向かっています』
と、伝声管から聞こえてきた。見張りの松井千歳からだ。
「んー?今日他の高校と演習組んでたっけ?」
「入学初日ですよ?そんな鬼畜なことしないと思いますけど…」
 りりりり…と今度は艦内電話が鳴った。
「瑞雪艦長の菜月です」
『海洋高校校長、睦月竣太だ』
校長先生直々に…何かあったのだろうか?
「どうされましたか?」
『中国の海軍育成校がついさっき演習を申し込んできた。我々はこれを否定するも向こうが強行、敵の艦と接触した艦は発光信号で敵意が無い事を知らせ、和解を試みてください。もし敵艦が砲撃した場合…』
「場合?」
『発砲を許可します。がっつりではなく、逃げながらですが』
「了解しました」
といって、俺は受話器を戻した。
「てことだそうだ。松井、敵艦の様子は?」
『主砲旋回中、撃つ気満々です!』
こいつはまずい。俺は伝声管の蓋を開けた。
「機関の皆、第四戦速まで上げるが、いけるか?」
『全然大丈夫だ!出せるぜ!』
「了解!砲雷撃戦よーい!」
 ジリリリリとベルがけたたましく鳴った。





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