外れスキルの僕は「無口な仮面の少女」の奴隷となるが孤独な彼女と同棲してイチャイチャしたスローな冒険者ライフを送りたい

代仙ハク

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第一章

第一章 第7話「レン・ヨルク」

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 僕はノア様との初めての接吻で酷く頭が混乱していた、ノア様の唇はとても柔らかくて甘い味がする、そして彼女の唇の感触がとても気持ちいい・・・ 僕は息をするのも忘れるくらい動揺して、苦しくなり暫くして彼女の唇から離れた。彼女は僕を見て真っ赤な顔をして俯き肩を震わしている。お互い息が荒い。ノア様の口から吐息が漏れてくる・・・。

 そして僕は立ち上がり彼女の肩を掴み唇を塞いだ…。

 ノア様は目をつむって受け入れてくれている、僕はノア様の口の中に舌をゆっくりと入れた・・・ 彼女の口内は暖かい……そして彼女の舌に自分の舌を絡ましていく。
 ノア様の舌は柔らかくて気持ちいい。僕はノア様の腰に軽く手を当てて身体を少し彼女の押し付けている。僕はもっと彼女を欲する情動にかられ、彼女に舌を押し込めた……

 僕の陰茎は激しく屹立していたため服の上からだが、彼女の腹部にそれが当たる。

 僕の荒い鼻息が彼女の鼻先に掛かる。ノア様の腰から手を引き彼女の頭を撫で、頬を指でなぞる。彼女の目から涙が流れているのを見てそっと唇を離した。ノア様は潤んだ目で僕を見ている。僕も彼女を見る。
 これがこの後幾度も行われる最初の接吻であった。僕らは魔族の声の魔障への耐性の為という大義名分で”体液の交換”としてこの後毎日のように深い接吻した。

 その”大義名分”がその後、僕らの関係を歪にしていくのはこの時知る由もない。

 彼女は頬をピンク色にしているのを隠すように仮面を再び付け始めた・・・。耳は真っ赤だった。そしてまだ日も暮れていないのに逃げるように炊事場に向かう。
 
 少し情欲に駆られていた。ノア様が気疎いという感情になってないか不安になる。しかしキスをしてきたのは彼女の方からだ、それに奴隷紋も反応していない。僕は自分に言い聞かせる。

 と同時に僕は反対の感情も湧き上がる。

 ノア様には”奴隷紋が反応しないから大丈夫”という言い訳で自分の欲情を満たしているだけなんじゃないのか? でも彼女は僕の事をどう思っているんだろう・・・ そんな事を考えいるとノア様が戻ってきた。そして僕に水の入ったコップをくれた。僕はそれを受け取り一気に飲み干した・・・。
「ありがとうございます」と礼を言った。それからノア様は無言で夕食の支度を始めた。今日は肉野菜炒めだ。ノア様は手際よく調理している。僕はテーブルの椅子に座りその様子をみていた。作り終えるタイミングで僕も炊事場に向かい皿をテーブルに運ぶ。
 僕らは少し落ち着いた面持ちでお互い席に座る。ノア様はようやく仮面を外し、緊張した笑みでこちらを見る。僕も微笑み返す・・・
 少し早い夕飯はずっと無言の食事となった…。

 食後、僕は少し考えた。ノア様の気持ちを確認してみる事にした……。
 食事の後片付けを終えた僕はテーブルに座っているノア様に声を掛けようと試みた・・・ すると彼女は僕を見てメモを渡してきた・・・ ”話しても大丈夫ですか?”
 先程のキスの結果を知りたいのだろう、僕もそれに了承し頷く。
 僕はノア様の唇を見ていた。僕は唾を飲み込んでノア様の言葉を待った・・・ そして彼女が口を開いた・・・「あ、あの……、先程のは・・・。」
 久しぶりに聞く彼女の声は可愛らしかった、まだこめかみはピリついたりはしていない
 「大丈夫ですノア様。今のところ頭痛などの症状は起こっていません。」
 ノア様は表情を崩した。そして僕を優しい目で見つめる。
 「あ、明日は冒険者ギルドに行こうと思ってます、貴方もよかったらギルドに登録しませんか?」

 僕は驚く。今自分はノア様の奴隷だ、この状態のままギルドに登録して大丈夫なのだろうか? しかし僕もこの世界の事をもっと知りたい気持ちはあったし冒険者になるのもいいかもしれないと今日初めてギルドを訪れて思っていた。それに彼女はきっとその事も考えていてくれているんだろう・・・。
「はい、でも僕は戦闘経験もなく弱いですが大丈夫ですか?」

 「わ、私はいつもソロなのであまり無理な依頼は受けません、貴方に無理はさせるつもりはありません。」ノア様が優しい口調で話す。

 「分かりました、よろしくお願いいたします」僕は続けて話す。
 「あ、あの僕は記憶を失って名前がありません。冒険者ギルドで名乗れないのでノア様が僕の名前を考えて頂けないでしょうか。」

 ノア様が少し考え込んでメモを取り、ペンを走らせる。
 「あの、奴隷オークションで貴方の名前が不明だったので、ずっと考えていました。もし貴方が本当の名前をいつか思い出されたらその時は変えて下さい」
 そのメモにはノア様が考えた僕の名前が書かれていた。「ありがとうございます、一生大事に使います。」そう言うとノア様は微笑んだ。

 僕の名前・・・、僕はこの異世界に来て1か月半。前世の記憶は断片的にある。前世での年齢の30代後半から異世界で18歳に生まれ変わった自覚もある。だから別に本当の名前を憶えていてもいいのだけど・・・。ずっと思い出せないでいた。そして奴隷になり名前の必要性も失っていた。
 僕はノア様の奴隷・・・ 奴隷は名など名乗る必要もないしこの世界では奴隷は名乗らせてくれない

 僕はこれからノア様とこの世界で冒険者として生きていくなら奴隷主の彼女に新しい名をつけてもらった方が良いと思う……。そんな事を考えていたらいつの間にか外は日が暮れていた
 そしてこめかみが微妙にピリついた。あの口づけだけでやはりまだまだ声への耐性は先が長いのだろう。
 こめかみを擦っているとノア様が僕の方を心配そうに見る、「あ、あの…。」

 「声への耐性はまだよく分からないですね、以前よりは少し頭痛とかは軽いです」
 「ノア様の助けがまだこれから先も必要かと思います」
 奴隷主に責任を投げつける卑怯な言葉だと我ながら思う。ノア様は愛想笑いをするが、後ろを向く瞬間少し悲しい顔をしていたのを僕は見逃さなかった。

 それから明日の準備やギルドの登録についてメモを通して少し話した後にぼ僕はまた彼女のベッドから離れた位置に布団を敷き眠った。

 翌朝僕らは朝食を食べ終え身支度を整えた。今日は冒険者としての初仕事となるだろう・・・。 ノア様はいつものマントに仮面姿。僕は昨日買って貰った服を早速着ていた。
 僕たちは冒険者ギルドに向かう。僕とノア様は家を出て大通りに向かって歩く、この道も二度目だと少し慣れたものだ。歩くこと1時間弱で冒険者ギルドに着いた。
 ノア様はギルドに入る前に少し緊張した面持ちでいる。僕もその雰囲気に釣られて緊張する。
 冒険者ギルドの扉を開けると中は昨日とは違い盛況だった、まだ朝早いが冒険者と思われる人達で溢れている。僕は周りを見渡すと受付カウンターがあった、ノア様に許可を貰いそこの向かい受付の女性に声を掛ける
「あの……、ギルドに初めて登録したいのですが……」

 すると受付嬢は笑顔で対応してくれた。「はい!推薦者の方はいますか?」
 僕の後ろにいたノア様が前に行きギルドカードを掲示する。
 受付嬢は「ベテランで実績がありギルドの信頼もある方ですね。文字はお書きになれますか?」と話す。僕が頷くと「それではこの用紙に必要事項をお書きください」
 僕は用紙を貰いテーブルに座る

 そして名前の欄に僕はこの異世界で初めて貰った名前を書く。


 『レン・ヨルク』
 この僕の新しい名だ……
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