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2章

2章終わり

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「乃愛ちゃーん!風真くーん!どこに行ったのー?」
 大声を出したら、えいまに見つかりかねないというのに、舞花は大声で叫ぶ。
 ほんとに、どこ行っちゃたんだろ・・・?
 舞花が二人を探していると、ある家の前にやって来た。
「そういえば、えいまが逃げるためのもの置いてるって・・・」
 えいまの言葉を思い出す、舞花。果たして、いいものはこの家にあるのか。
 舞花は、思い切って家に足をふみ入れた。
「うぅ・・・。怖いなぁ・・・」
 しんとしていて、不気味な感じの家に入ったものの、
 使えそうなものはどこにもない。辺りをきょろきょろと見渡すが白いなにかが
 あるだけ。もう出ようかな、そう思った時舞花は、違和感を覚えた。
「ちょ、ちょっと待って・・・」
 さっき見えた白いなにかって、何?
 おそるおそる後ろを振り向くと、そこには___。
「な、なぁんだ気のせいかぁ・・・」
 なにもいなかった。一安心して、舞花がこの家から出よう、そう決めた時だ。
 くるっと振り返り、早く出口に行こうとしたのだが・・・。
「い、い、いい、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 目の前に急に出てきたのは、おばけ。いや、幽霊?パニックになった舞花は、
 おばけを手で押しのけて、走り出した。だけど、肩に冷たいなにかが置かれ、
 舞花が外に出ようとするのを阻止した。
「ひっ・・・」
 手足をめちゃくちゃに振り回した舞花は、全速力で駆け出す。
 後ろも振り返らずに、前だけを見て。
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