14 / 324
小野寺 都古の物語>出会い 2
しおりを挟む
私の家は、少し特殊な場所にある。
世界を繋げる役割をもつ彼呼迷軌と呼ばれる場所だ。
私の両親は彼呼迷軌にたずさわる諸事を生業としており、任を為すために不可欠な、様々な能力をつかうことができた。
両親の生業は、俗にお化け、妖怪、妖精、幽霊と呼ばれているような者や、空間に発生したひずみやよどみなどが起こす、様々な"障り"を改善することだ。
「何もないところで転んだ」「突然激しい眠気に襲われた」そんな場所には大抵ごく小さなひずみなどが発生している。
そういったひずみを巻き取り紬直すことも、私の両親・・・・・そして、私の請け負っている仕事のうちの1つであった。
そこで生きる宿命にある私は、幼い頃から「学校へ通う必要はない」と思っていたしそれに対する不満も全く感じてはいなかった。
ただ「両親のように強い者になりたい」と憧れ、修行あるのみとばかり考えていたのだが、当の両親からの強い勧めで結局小学校へ通うことになったのだった。
いまさら後悔しても仕方がないのだが、入学直後の私はあまりにも幼く、そして迂闊だった。
両親から、「能力や生業などが知れると良くないことに繋がる恐れがあるから」と、友人には極力我が家のことについては口外しないよう、関わらせないよう言われていたのに、ある1人のクラスメイトの誘いを断り切れず、家に連れてきてしまったのだ。
結果、そのクラスメイトと私との関係は断ち切られ、さらには他のクラスメイトたちまでも不安にさせる結果となった。
それほど深い間柄でなかったとはいえ、その時の固く冷え切った感情は、痛みを伴って私の心の奥深くへ刻まれた。
忘れられるわけがない。
あまり話したことのない友人を一人失った、それだけでも息をするのが苦しいほどの痛みを感じたのに。
もしかしたら、真也や勝を失っていたかもしれない・・・失うことになるかもしれないのだ。
胸の奥に乱暴に手を突っ込まれ、心臓をわしずかみにされるような恐怖に、私は怯えた。
入学後すぐに仲良くなった2人は、私にとってかけがえのない特別な存在になっていた。
隠し事をすることで心に抱える後ろめたさなど、2人を失うことに比べれば蚊に刺されるようなものだ。
私はそう決意し、それ以来かたくなに秘密を守り続けた。
しかし4年経った今日。
秘め続けていたもののかけらを思いもかけず、2人の前にさらすことになった。
正確に言うと、私のために強引に動いてくれた者がいたのだ。
白妙だ。
世界を繋げる役割をもつ彼呼迷軌と呼ばれる場所だ。
私の両親は彼呼迷軌にたずさわる諸事を生業としており、任を為すために不可欠な、様々な能力をつかうことができた。
両親の生業は、俗にお化け、妖怪、妖精、幽霊と呼ばれているような者や、空間に発生したひずみやよどみなどが起こす、様々な"障り"を改善することだ。
「何もないところで転んだ」「突然激しい眠気に襲われた」そんな場所には大抵ごく小さなひずみなどが発生している。
そういったひずみを巻き取り紬直すことも、私の両親・・・・・そして、私の請け負っている仕事のうちの1つであった。
そこで生きる宿命にある私は、幼い頃から「学校へ通う必要はない」と思っていたしそれに対する不満も全く感じてはいなかった。
ただ「両親のように強い者になりたい」と憧れ、修行あるのみとばかり考えていたのだが、当の両親からの強い勧めで結局小学校へ通うことになったのだった。
いまさら後悔しても仕方がないのだが、入学直後の私はあまりにも幼く、そして迂闊だった。
両親から、「能力や生業などが知れると良くないことに繋がる恐れがあるから」と、友人には極力我が家のことについては口外しないよう、関わらせないよう言われていたのに、ある1人のクラスメイトの誘いを断り切れず、家に連れてきてしまったのだ。
結果、そのクラスメイトと私との関係は断ち切られ、さらには他のクラスメイトたちまでも不安にさせる結果となった。
それほど深い間柄でなかったとはいえ、その時の固く冷え切った感情は、痛みを伴って私の心の奥深くへ刻まれた。
忘れられるわけがない。
あまり話したことのない友人を一人失った、それだけでも息をするのが苦しいほどの痛みを感じたのに。
もしかしたら、真也や勝を失っていたかもしれない・・・失うことになるかもしれないのだ。
胸の奥に乱暴に手を突っ込まれ、心臓をわしずかみにされるような恐怖に、私は怯えた。
入学後すぐに仲良くなった2人は、私にとってかけがえのない特別な存在になっていた。
隠し事をすることで心に抱える後ろめたさなど、2人を失うことに比べれば蚊に刺されるようなものだ。
私はそう決意し、それ以来かたくなに秘密を守り続けた。
しかし4年経った今日。
秘め続けていたもののかけらを思いもかけず、2人の前にさらすことになった。
正確に言うと、私のために強引に動いてくれた者がいたのだ。
白妙だ。
0
あなたにおすすめの小説
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
48歳主婦の宅建試験挑戦―そして年下彼がくれた勇気と恋
MisakiNonagase
恋愛
「お母さん」でも「奥さん」でもない、私の名前を呼び止めたのは、26つも年下の彼だった。
「48歳、主婦。私が手に入れたのは、資格(ライセンス)と、甘く切ない自由だった。」
スーパーのパートに明け暮れる平凡な主婦・中西京香、48歳。
目的もなく始めた宅建試験への挑戦が、枯れかけていた彼女の人生を激変させる。
インスタの勉強垢で出会ったのは、娘よりも年下の22歳大学生・幸正。
「不倫なんて、別の世界の出来事だと思っていた――」
そんな保守的で、誰より否定的な考えを持っていたはずの京香が、孤独な受験勉強の中で彼と心を通わせ、気づけば過去問演習よりも重い「境界線」を越えていく。
資格取得、秘めた大人の恋。そして再スタート、
50歳を迎えた彼女が見つけた、自分だけの「地平線」とは。
不動産、法学、そして予期せぬ情熱が交錯する、48歳からの再生と自立の物語。
異世界転移物語
月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
公爵家の伝統だと思っていたら、冷徹公爵様の溺愛でした
星乃和花
恋愛
(毎日21:30更新ー全8話)
家族にも周囲にもあまり顧みられず、
「私のことなんて、誰もそんなに気にしない」
と思って生きてきたリリアナ。
ある事情から、冷徹と噂されるヴァレントワ公爵家で働くことになった彼女は、
当主エドガーの細やかな気づかいに驚かされる。
温かいお茶、手袋、外出時のエスコート。
好みの食事までさりげなく用意されて――
けれど自己評価の低いリリアナは、それらすべてを
「これが公爵家の伝統……!」
「さすが名門のお作法……!」
と盛大に勘違い。
一方の冷徹公爵様は、そんな彼女にだけ少しずつ甘さをこぼし始めて……?
これは、
“この家の作法”だと思っていたら、
どうやら冷徹公爵様の溺愛だったらしい
やさしくて甘い勘違いラブコメです。
追放先で気づいた。この世界の精霊使いは全員、聞き方を間違えている~最安もふもふ白狐と始めた、問いかけの冒険~
Lihito
ファンタジー
精霊と暮らす世界で、ノエルはギルドを追い出された。処理ミスは誰より少ない。でも「やりづらい」の一言で、理由には足りた。
手元に残ったのは、最安で契約した手のひらサイズの白い子狐だけ。言葉はたどたどしいし、力もない。誰が見ても「使えない」と笑う精霊だ。
たどり着いた町では疫病が広がっていた。高額な精霊が三度探して見つからない薬草。ノエルは最弱の白狐と半日で見つけ出す。
力で勝ったんじゃない。聞く範囲を絞り、段階を分け、小さな鼻に合った問いを重ねただけ。
——なぜこの世界では、誰も精霊への「聞き方」を知らないのか。
その違和感が、ノエルの旅を動かしていく。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる