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脚休め 2
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「へぇ。よく気づいたな。君は随分と、洞察力に長けているようだね。」
蒼は面を付け直し、話を続ける。
「実はこの店の話を耳にして、少し気になっていたんだ。・・・あまり、品の良くない噂話をね。」
蒼の明るい口調と話の内容とはあまりに対照的で、強烈な違和感がある。
ほのかに香る温泉特有の芳香と、薄く立ち上る柔らかな湯気に包まれながら、4人は身体を寄せ、聞き逃すまいと極めて慎重に耳を傾けた。
ところが蒼ときたら、海神が器用に仮面の下の口元へ団子を運ぶのを、ひたすら幸せそうに見つめているばかりで、一向に続きを口にする気配をみせない。
光弘の肩の上では、こちらも我が道をゆく癒が、全くこの場の空気を気にすることなどなく、光弘の団子を一口もらって機嫌よく頬ずりしている。
無責任にも言い散らかしたままでいる、自由奔放なこの蒼い妖鬼の気をひくため、真也は古典的な咳ばらいを聞かせてやった。
そこでようやく蒼は、さほどの興味はないまでも、どうにか真也たちに対して、少しばかりの注意を向ける気にはなったようだ。
目にした4人の表情を見て、少し驚いた様子で口を開く。
「ん?・・・もしかして、話の続きを聞きたかったのか?」
「当たり前だ!」
勝が思わず声を上げると、海神が無言のまま人差し指を仮面の前に立てた。
蒼はそんな海神の身体を自分の方へ大切そうに抱き寄せ、ぴたりと身体をつけると、ようやくしっくりと落ち着くことができたようだ。
真也たちに向き直り、改めて彼なりの不満をつらつらと口にした。
「君はおかしな奴だな。なんでそんなに大きな声を出す必要がある。店のやつらに聞こえたらどうするんだ。」
どう考えてもおかしいのは蒼の方だろうに・・・と、真也と都古と光弘の三人が、同情たっぷりの視線を勝に向ける。
勝は恨めし気に蒼を見つめ、諦めきった様子で力なく言葉を吐き出した。
「わかった。静かにする。・・・で、良くない噂っていうのはなに?」
「それを話す前にまず、ここのことを話す。・・・冥府には、君たちの世界のような煩わしい決まりごとは少ない。ボクらはただ、自分自身の欲望のままに生きているのだから、大概のことはいい加減で済んでしまうことが多いんだ。望み通り生きたければ、誰よりも強くなればいいだけ。簡単な話さ。・・・・・・だけど、ここ照射殿と石段通りは話が別だ。ここはボクのものだからね。ボクだけがここを、好きにしていい。」
蒼は面を付け直し、話を続ける。
「実はこの店の話を耳にして、少し気になっていたんだ。・・・あまり、品の良くない噂話をね。」
蒼の明るい口調と話の内容とはあまりに対照的で、強烈な違和感がある。
ほのかに香る温泉特有の芳香と、薄く立ち上る柔らかな湯気に包まれながら、4人は身体を寄せ、聞き逃すまいと極めて慎重に耳を傾けた。
ところが蒼ときたら、海神が器用に仮面の下の口元へ団子を運ぶのを、ひたすら幸せそうに見つめているばかりで、一向に続きを口にする気配をみせない。
光弘の肩の上では、こちらも我が道をゆく癒が、全くこの場の空気を気にすることなどなく、光弘の団子を一口もらって機嫌よく頬ずりしている。
無責任にも言い散らかしたままでいる、自由奔放なこの蒼い妖鬼の気をひくため、真也は古典的な咳ばらいを聞かせてやった。
そこでようやく蒼は、さほどの興味はないまでも、どうにか真也たちに対して、少しばかりの注意を向ける気にはなったようだ。
目にした4人の表情を見て、少し驚いた様子で口を開く。
「ん?・・・もしかして、話の続きを聞きたかったのか?」
「当たり前だ!」
勝が思わず声を上げると、海神が無言のまま人差し指を仮面の前に立てた。
蒼はそんな海神の身体を自分の方へ大切そうに抱き寄せ、ぴたりと身体をつけると、ようやくしっくりと落ち着くことができたようだ。
真也たちに向き直り、改めて彼なりの不満をつらつらと口にした。
「君はおかしな奴だな。なんでそんなに大きな声を出す必要がある。店のやつらに聞こえたらどうするんだ。」
どう考えてもおかしいのは蒼の方だろうに・・・と、真也と都古と光弘の三人が、同情たっぷりの視線を勝に向ける。
勝は恨めし気に蒼を見つめ、諦めきった様子で力なく言葉を吐き出した。
「わかった。静かにする。・・・で、良くない噂っていうのはなに?」
「それを話す前にまず、ここのことを話す。・・・冥府には、君たちの世界のような煩わしい決まりごとは少ない。ボクらはただ、自分自身の欲望のままに生きているのだから、大概のことはいい加減で済んでしまうことが多いんだ。望み通り生きたければ、誰よりも強くなればいいだけ。簡単な話さ。・・・・・・だけど、ここ照射殿と石段通りは話が別だ。ここはボクのものだからね。ボクだけがここを、好きにしていい。」
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