クマちゃんと森の街の冒険者とものづくり ~ほんとは猫なんじゃないの?~

猫野コロ

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第89話 忍び寄るお留守番

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 クマちゃんは毎日とても良い子に過ごしているが、非常に甘えっこだ。
 わがままを言う事がほとんどないのは、ルークがもこもこのことを真綿で包むように甘やかし、大事にしているからである。

 もこもこは出会ってからずっとルークと同じベッドで寝ている。
 夜にルークと長時間離れたことなど、ほぼ無い。

 眠る数時間前には一緒にお風呂へ入り、世界最強の男が難易度の高い複雑な魔法を使って、優しく丁寧にもこもこの被毛のお手入れをする。
 ルークとリオが話している間も、もこもこはベッドや彼の膝の上、大きな手で優しく撫でられ、長い指で擽られ、彼が操るふわふわの布にじゃれて遊び、存分に甘やかしてもらう。

 当然、眠る時はルークの腕の中だ。もこもこ曰く、心臓の音が聞こえる場所が一番おすすめらしい。
 クマちゃんの予定が狂うことはない。
 夜というのはクマちゃんにとってとても重要で、幸せな時間なのだ。

◇ 
 
 ルーク達がマスターの所へ行ってしまい、小さな黒い湿った鼻の上に皺が寄ってしまった可愛いもこもこの機嫌を取るため、リオは腕の中のクマちゃんに声を掛けた。

「クマちゃん、そんな顔しなくたってリーダーならすぐ戻ってくるよ」

 彼は自分の言葉が本当かどうかなど考えていなかった。ただ、すぐに戻ってくると思ったからそう言っただけで、戻って来た彼らがクマちゃんを置いてどこかへ出かけるかもしれないと想像することすら無い。――リオは基本的に前向きな人間だった。

 怪しいお兄さんの向かい。ルークのクッション兼ベッドに不機嫌で目つきの悪い、鼻の上に皺のあるクマちゃんを抱っこしたまま、リオが腰を下ろす。

 いつもならすぐに戦闘態勢に入れるよう浅く座る彼だが、今はもこもこの機嫌を直す方が重要だ。
 出来るだけゆったりと体の力を抜き、ルークがよくやるように指の背でもこもこの頬を撫でた。
 ――クマちゃんの鼻の上の皺が深くなった。

「えぇ…………」

 思った反応と違ったことに動揺したリオが、嬉しそうではない声を出す。
 腕の中のもこもこが、ピンク色の肉球が付いたもこもこの手の先を、毛をむしる勢いで齧っている。

「クマちゃんだめだって」

 そんなに強く齧ったら手の先がハゲになってしまう。リオは心配して声を掛けた。もこもこのそれを口から退けようと手を伸ばすが、渾身の力でくわえているらしく、なかなか外せない。こんなくにゃくにゃした生き物相手に力を籠められず、どうすればいいのか分からない。

「そのクマの機嫌を取りたいならそのままで良い」

 むしゃくしゃする猫のようになってしまったクマちゃんを宥めるリオを見ていたお兄さんが、頭に響く不思議な声で彼に助言する。

「え、そのままって……マジですげー齧ってんだけど」

 お兄さんから『そのままで良い』と言われたリオが腕の中の獣を見ると、先程と何も変わっていない。もこもこのご機嫌はよろしくないようだ。
 目の前でガラガラリンリンと音を鳴らし、お兄さんが「そうではない」と言う。

「そのクマはお前が銀色の真似をしたのが気に入らないのだろう」

 怪しいお兄さんは、組んだ脚の上で片肘を突き、その手に顎をのせ、空いた手に持ったウサギさんのおもちゃの、耳の部分をリオへ向け言った。その拍子にガラガラピピピという音が鳴る。
 彼が『銀色の真似』と言うのを聞いたリオが、

「……もしかして、これ?」

指の背でそっと怒れる獣クマちゃんの頬を撫でる。

 大変だ。また、白いもこもこした獣の鼻の上の皺が深くなってしまった。
 お兄さんの言う通り、ルークの真似はお気に召さないらしい。

 ――しかし、何故これが不満なのか。指の背で撫でるくらいマスターやクライヴも時々やっていたように思うが。


 リオが答えにたどり着く前にルーク達の気配が近付く。

「――おや、クマちゃんはあまりご機嫌が良くないようだね」

 ルークのベッドに座りクマちゃんをあやしていたリオへ、マスターの所から戻って来た、南国の青い鳥のような男ウィルが声を掛ける。
 ――まだ自分達は出掛けていないのに、少しの間離れただけで幼いクマちゃんを不安にさせてしまったらしい。こんなに寂しがり屋なクマちゃんを残していって大丈夫だろうか。

 本当は、今日はずっと一緒にいてあげたかった。
 クマちゃんも、一緒にいられると言った大人達が、集まり真面目な話をしているのを感じ、敏感になっているのだろう。

「リーダー。マスターと何の話してきたの?」

 リオからご機嫌が良くならなかったクマちゃんを受け取り、そのままクッション兼ベッドへ座ったルークへ、彼がかすれた声で尋ねる。
 この質問がとてもよろしくない質問であることにリオは気付かない。

「ああ」

 隣に座る金髪の男を一瞥し、低く色気のある声でルークが一言返すが、彼はすぐに腕の中のクマちゃんへ視線を戻した。

 今は聞くな、という意味だ。

 普段色々なことを気にしないルークだが、少しの間離れただけで寂しがる、今まさに寂しがっていたクマちゃんに『後で出掛ける。お前は留守番だ』と告げるのは良くないということくらいは解っていた。

 実際そんなことを今言えば、大変なことになるだろう。

「…………」

 冬の支配者のような男クライヴは無言のまま、元々座っていた場所――リオのクッション兼ベッド、お兄さんの隣――へ戻る。
 ルークの腕の中、彼の長い指で擽られ少し機嫌が良くなったらしい、普段通り愛らしいクマちゃんを見つめ、悪党のような格好で座ったクライヴは考えていた。

 夜に長時間森へ入ったとしても、自分達に問題はない。他の冒険者達を護り、戦うことも可能だろう。
 心配なのはそれではなく、幼い、寂しがり屋なもこもこが、ルークに一晩置いて行かれて耐えられるのか、ということだ。
 ――おそらく無理だろう。

 しかし連れていけないのであれば、置いて行くしかない。

 彼は目の前に座るリオへ視線をやり、次に自身の隣に座る〝お兄さん〟を横目で見た。
 リオだけでお留守番クマちゃんの面倒を見るのは難しいかもしれないが、今日はもこもこのことを良く知っていると思われる不思議な男が居る。
 ――そして立入禁止区画にはマスターも居る。

 彼らを信じるしかない。

 周りに皆が戻って来て安心したらしいクマちゃんは、愛らしいつぶらな瞳でルークを見つめている。
 先程までもふ、と膨らんでいたもこもこの口元から幼く愛らしい、

「クマちゃん」

と言う声が聞こえた。
『クマちゃん、抱っこ』と言っているようだ。
 もこもこは抱っこが好きらしい。

「え、これ以上抱っこできないでしょ」
 
 すでにルークに抱っこされているもこもこを見たリオは、では今しているのは何だ、と思う。
 それは抱っこではないのか。

「クマちゃんは抱っこしてもらうのが好きだと、僕たちに伝えてくれているようだね。僕も、クマちゃんを抱っこするのが好きだよ」

 ウィルはフッと優しく笑い、ルークの腕の中の可愛いクマちゃんに透き通った声で言う。

 彼らの居るベッドの側に立っていたウィルがシャラ、と装飾品を鳴らし、ルークに抱えられたクマちゃんへと近付く。
 それからもこもこの顔へ手を伸ばし、頬をくすぐるように撫でると、テチ、と二つの肉球に挟まれ、指を薄い舌にペロ、と舐められた。
 ――とても愛らしい。

 彼は自分のクッション兼ベッドへ戻ろうと思っていたが、今は皆が近くに居たほうがいいだろうと、すでにデカい男が二人座っているルークのベッドに座ることにした。
 かすれた「え、三人は多くね?」という声は当然黙殺される。

 
 ウィルの提案で、酒場で少し早い夕食を食べることになった四人と一匹とお兄さん。
 ぬいぐるみのゴリラちゃんは本体であるお兄さんの近くを浮いて移動していた。
 お兄さんの考えるゴリラちゃんは、人に頼らず生きていく設定らしい。
 
 いつものようにルーク達が三人と一匹で座り、クマちゃん観察に適した隣のテーブル席にクライヴとお兄さん、そのテーブルの上にぬいぐるみのゴリラちゃんがいる。
 
 本日外食でこってりした大人用のご飯を食べたクマちゃんは、幼いもこもこの健康を第一に考えるルークが注文した、薄味の幼児用の夕食を食べさせて貰っていた。
 脂身の少ない薄味のハンバーグを小さく切ったルークが、それを膝の上のもこもこの口元までスッと運ぶ。

 手足を動かさずに、ただご飯が口元に来るのを待っていた堕落したクマちゃん。
 愛らしいもこもこは、ルークが口に入れてくれた幼児用の薄味ハンバーグを食べると、好物を貰った時の猫のようにチャチャッ、と舌を動かした。
 ――とても美味しいらしい。
 
 自立したぬいぐるみのゴリラちゃんは自分でナイフとフォークを動かし、綺麗な所作でそれを口へ運ぶ。誰かのかすれた「え、食えんの?」という小さな声が聞こえる。

 その瞬間、ぬいぐるみのゴリラちゃんの口の間に闇色の球体が現れ、フォークに刺さっていたステーキは闇に吞まれた。

「いやいやいや普通にこわいから。お兄さんそれ何か怖いんだけど」

 リオが小さな声で隣のテーブルに着いている彼に苦情を言うが、脚を組んで椅子に座り、真っ赤なワインを飲んでいる怪しいお兄さんは、グラスから口を離し、

「向こうで食べている。問題ない」 
 
と言うだけだ。
 そういう問題ではないし、その『向こう』とやらが気になる。そして誰が食べているのかも非常に気になる。

「リオ。食事中に騒いではいけないよ」

 青い髪が鮮やかな、外見は派手だが動作は優雅なウィルが、優しく透き通った声でリオに言う。

 それは『黙って食え』という意味だと、リオには解った。
 クマちゃんがゴリラちゃんの食事風景をおかしいと感じないように、黙れと言ったのだろう。
 リオはウィルに小さく「わかった……」と答え、心に優しい可愛いクマちゃんだけを見つめ、大人しく食事を続けた。



 食事が終わり、いつもならまったりと寛ぐはずの時間。
 
「僕たちは会議があるからクマちゃんを頼んだよ」 

 シャラ、と装飾品が鳴る音と共に優雅に立ち上がったウィルが、柔らかい口調で、クマちゃんを不安にさせないよう気遣い、リオへ告げる。
 口調は穏やかだったが、鋭い視線が『今は聞くな』と言っていた。

「……りょーかい。クマちゃんおいで。部屋行こー」

 段々嫌な予感がしてきたリオは、今すぐに『すげぇ嫌な予感すんだけど! 俺だけ会議呼ばれないとかぜってぇ俺だけ置いて行かれるやつじゃん!』と叫び、問いただしたかったが、気持ちを無理やり抑え、逆に違和感があるほど優しい声でクマちゃんに呼びかけた。

 ――今はまだ騒ぐ時ではない。
 もこもこに気付かれるのは出来る限り遅い方がいい。なんならこのまま寝てくれても構わない。
 
 いつもお留守番になる〝会議〟が好きではないクマちゃんだが、しかし今日はリオとお兄さんとゴリラちゃんがいるため一人ではないことに気が付いたらしく、大人しくリオの腕の中へ納まる。

 しっかりともこもこと荷物を抱えたリオは、急ぎ酒場から脱出することにした。

 うっかり冒険者の誰かが余計なことを言って、それが可愛いもこもこのもこもこした耳に入ったら大変だ。

 リオは、ルーク達が立入禁止区画へ移動する前に「俺らさき上行くから」と、少し時間が経てば皆合流するかのような言い回しをして、ギルドのカウンターの反対側、酒場のカウンターの側にある階段まで速足で進み、高い身体能力を駆使して二階に上る。
 
 彼の腕の中にいるクマちゃんが、シュン、と素早く流れる風景に驚き「クマちゃん! クマちゃん!」という幼く愛らしい高い声を上げているが、焦っているリオは「ごめんクマちゃん俺いまめっちゃ部屋行きたいんだよね」とわけの分からないことを言い、奥の部屋へ急ぐ。

 ――リオもクマちゃんも全く心が穏やかではない。
 ウィルの気遣いはすべて無駄になった。


 慌ただしく彼らが去ったあと、ウィルは少し離れた場所から聞こえる『クマちゃん!』という愛らしいクマちゃんの可哀相な叫び声に悲し気に眉を寄せ、「あの馬鹿」とほとんど声を出さず呟き、金髪が去っていった方向へ冷たい視線を向けた。
 しかし彼はすぐに、

「……お兄さん。部屋の場所が分からなければ僕が案内しようと思うのだけれど」

穏やかな声で、ワインを飲み終え席で寛いでいたお兄さんへ申し出る。

 彼を部屋へ案内したついでに金髪をどうこうしようなどと考えてのことではない。
 裏など無い、純粋な親切である。

「場所ならわかる。私のことは気にするな」

 木製の酒場の椅子の背もたれにゆったりと体を預け、腕を組み、考え事でもしているかのように美しい目を閉じていたお兄さんは、外見は派手だが親切なウィルへ頭に響く不思議な声で答え、スッと瞼を持ち上げた。

 彼はそのまま綺麗な動作で立ち上がると、ふわりとゴリラちゃんを浮かせ、リオが去った方へ静かに歩き出す。
 去り際ゆるりと片手を上げてくれたのは彼らへの挨拶のようだ。

 それを見たルークも、踵を返し立入禁止区画の方へと歩き出す。
 歩きながら軽く手を上げたのは、彼なりのお兄さんへの挨拶だ。

 ――ルークは大雑把だが意外と律儀だった。

 シャラ、と腕の装飾品を鳴らし、一度手を振ったウィルと、目礼していたクライヴも、すぐに立入禁止区画の方へ歩き出した。
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