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第362話 慎重な赤ん坊。第三回、切り株《えんたく》ちゃん会議。
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現在クマちゃん達は、第三回切り株ちゃん会議を開いている。
◇
「ちまちまやってたら一生終わらないと思うんだよね」
金髪の男。真のリオちゃん王が告げる。
わずかに伏せられた、長いまつ毛。普段のチャラそうな雰囲気は微塵もない。
視線の先には、円卓の上で猫かきをするクマちゃんそっくりの妖精。
だれだ。ここに乗せたのは。さては頑固野郎だな。
「クマちゃ……」
真っ白なもこもこ。真のクマちゃん王も告げた。
つぶらなお目目をうるませ、
『ちまちゃ……』と。
開幕死神にダメージを与えた第三回、お菓子の国、切り株ちゃん会議。
議題は当然、『カタログちゃんギフト券二枚』をどう使うか。を通り越し、アレもコレも諦めたくないんだけど――。
という少々我がままな内容である。
「あ~、まぁ、そうだな」
マスターは『クマちゃんからの贈り物』をチラリと見た。
国宝染みた美しい腕時計に、残酷な時が刻まれている。
確かに、じっくりと選ぶ余裕はない。かといって、てきとうに選べば後悔するだろう。
改装は明日でも――。だが赤子だけでなく、大人である自分達も、『お菓子の国づくり』という遊びに夢中になっている。
最初の家を豪華にしてから仕事に行くか。そのほうが確実にすっきりする。とはいえ間に合うのか。
「では、改装だけでなく、今後必要になりそうなアイテムを書き出したほうがいいのではない?」
内装、外装の変更には特別なアイテムが必要のようだ。
国が大きくなれば入手できるのかもしれない。しかしカタログをパラパラめくって確認していくと、『どこにあるのか見当もつかない』素材が多いように思えた。
高級素材『クマちゃんはちみつちゃん』で作れるアイテムあるいは建物は、黄色、金色、暖色系である。
艶出しにも使える便利なものだが、ウィルの求める青系統の商品を購入するには、また別の素材が必要なのだ。
『夏色クマちゃんゼリー青』『青いブルーベリーちゃん』『クマちゃんソーダちゃん青』
貝殻風の建物を自分で建てるなら、『クマちゃんソフトクリームバニラ味』
どれも、そこらへんに転がっているようなものではない。
そこで珍しく、魔王様が口を出す。
色気の有り余る声で。「取引所」と。
美麗な自由人ルークは、膝の上のもこもこを指先でくすぐったり、口元をつついて「クマちゃ」と言わせたりしている。
彼のことが大好きなクマちゃんが、彼の長い指を掴まえようと、仰向けになりお手々を伸ばす。「クマちゃ……! クマちゃ……!」
飼い主の膝でじゃれる子猫ちゃんのようだ。
「ずるい……」かすれた怨念が響く。
「取引所! なかなかそそる響きですね。クッキーとキャンディを集めて美しいもの購入する、ということでしょうか」
鬱陶しいギルド職員は珍しく鬱陶しくないことを言いながら、クマちゃんペンで芸術的な議事録を残していた。
ただ、書くことが多いためか、真のリオちゃん王の髪の毛から『ツヤ』が省かれたようだ。頭の辺りに『めっちゃ金髪』と書き込んである。
「うーん。そこまで甘くはないような気がするけれど……。でも、『クマちゃんはちみつちゃん』で別の高級品を買うことはできるのかもしれないね」
世知辛い世の中だけではなく、甘い菓子の国の取引所でも等価交換が基本なのではないだろうか。
大量に入手できるもので高級品を得る、というのは難しいように思う。
「ならば『取引所』の購入を――」
といいながら、死神が小さな紙に自身の名を記す。
――クライヴ――。
彼の横で『クマちゃんアヒルちゃん運送』からの配達員、アヒルちゃんに乗り、運送会社の制服を身につけた妖精クマちゃんが待っている。
『ふわふわクマちゃんアイス、クマウニーちゃん用』が――宅配ちゃんですちゃーん――と到着したのだ。
クマちゃん紙袋の量が異常に多い。
そこで一人の青年が切り株から立ち上がる。綺麗なピンク色の髪。整った顔。眉間の深い皺。
頑固親父と呼ばれる彼もまた、アイスを購入していた。サインをするため、抱えていた妖精達を円卓に放つ。
――ああ、美しい俺の美しい議事録が可愛いあんよに……! ――。
「…………」
彼らの活動を心のなかで応援しながら、リオが会議を甘くしめる。
可愛いクマちゃんも肉球を上げ、甘い声で続いた。
「じゃあ『取引所』建てよー」
「クマちゃ、クマちゃ……」『クマちゃ、建てまちゅ……』と。
◇
「ちまちまやってたら一生終わらないと思うんだよね」
金髪の男。真のリオちゃん王が告げる。
わずかに伏せられた、長いまつ毛。普段のチャラそうな雰囲気は微塵もない。
視線の先には、円卓の上で猫かきをするクマちゃんそっくりの妖精。
だれだ。ここに乗せたのは。さては頑固野郎だな。
「クマちゃ……」
真っ白なもこもこ。真のクマちゃん王も告げた。
つぶらなお目目をうるませ、
『ちまちゃ……』と。
開幕死神にダメージを与えた第三回、お菓子の国、切り株ちゃん会議。
議題は当然、『カタログちゃんギフト券二枚』をどう使うか。を通り越し、アレもコレも諦めたくないんだけど――。
という少々我がままな内容である。
「あ~、まぁ、そうだな」
マスターは『クマちゃんからの贈り物』をチラリと見た。
国宝染みた美しい腕時計に、残酷な時が刻まれている。
確かに、じっくりと選ぶ余裕はない。かといって、てきとうに選べば後悔するだろう。
改装は明日でも――。だが赤子だけでなく、大人である自分達も、『お菓子の国づくり』という遊びに夢中になっている。
最初の家を豪華にしてから仕事に行くか。そのほうが確実にすっきりする。とはいえ間に合うのか。
「では、改装だけでなく、今後必要になりそうなアイテムを書き出したほうがいいのではない?」
内装、外装の変更には特別なアイテムが必要のようだ。
国が大きくなれば入手できるのかもしれない。しかしカタログをパラパラめくって確認していくと、『どこにあるのか見当もつかない』素材が多いように思えた。
高級素材『クマちゃんはちみつちゃん』で作れるアイテムあるいは建物は、黄色、金色、暖色系である。
艶出しにも使える便利なものだが、ウィルの求める青系統の商品を購入するには、また別の素材が必要なのだ。
『夏色クマちゃんゼリー青』『青いブルーベリーちゃん』『クマちゃんソーダちゃん青』
貝殻風の建物を自分で建てるなら、『クマちゃんソフトクリームバニラ味』
どれも、そこらへんに転がっているようなものではない。
そこで珍しく、魔王様が口を出す。
色気の有り余る声で。「取引所」と。
美麗な自由人ルークは、膝の上のもこもこを指先でくすぐったり、口元をつついて「クマちゃ」と言わせたりしている。
彼のことが大好きなクマちゃんが、彼の長い指を掴まえようと、仰向けになりお手々を伸ばす。「クマちゃ……! クマちゃ……!」
飼い主の膝でじゃれる子猫ちゃんのようだ。
「ずるい……」かすれた怨念が響く。
「取引所! なかなかそそる響きですね。クッキーとキャンディを集めて美しいもの購入する、ということでしょうか」
鬱陶しいギルド職員は珍しく鬱陶しくないことを言いながら、クマちゃんペンで芸術的な議事録を残していた。
ただ、書くことが多いためか、真のリオちゃん王の髪の毛から『ツヤ』が省かれたようだ。頭の辺りに『めっちゃ金髪』と書き込んである。
「うーん。そこまで甘くはないような気がするけれど……。でも、『クマちゃんはちみつちゃん』で別の高級品を買うことはできるのかもしれないね」
世知辛い世の中だけではなく、甘い菓子の国の取引所でも等価交換が基本なのではないだろうか。
大量に入手できるもので高級品を得る、というのは難しいように思う。
「ならば『取引所』の購入を――」
といいながら、死神が小さな紙に自身の名を記す。
――クライヴ――。
彼の横で『クマちゃんアヒルちゃん運送』からの配達員、アヒルちゃんに乗り、運送会社の制服を身につけた妖精クマちゃんが待っている。
『ふわふわクマちゃんアイス、クマウニーちゃん用』が――宅配ちゃんですちゃーん――と到着したのだ。
クマちゃん紙袋の量が異常に多い。
そこで一人の青年が切り株から立ち上がる。綺麗なピンク色の髪。整った顔。眉間の深い皺。
頑固親父と呼ばれる彼もまた、アイスを購入していた。サインをするため、抱えていた妖精達を円卓に放つ。
――ああ、美しい俺の美しい議事録が可愛いあんよに……! ――。
「…………」
彼らの活動を心のなかで応援しながら、リオが会議を甘くしめる。
可愛いクマちゃんも肉球を上げ、甘い声で続いた。
「じゃあ『取引所』建てよー」
「クマちゃ、クマちゃ……」『クマちゃ、建てまちゅ……』と。
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