クマちゃんと森の街の冒険者とものづくり ~ほんとは猫なんじゃないの?~

猫野コロ

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第449話 目が離せない水晶玉。過激な男ウィル。穢れなきクマちゃんと、泣かされた大人達。

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 現在クマちゃんは、ゼノちゃんと仲良く遊んでいる。

「クマちゃ……」と。



「あ、見ないで押したら……」

 新米ママが我が子を心配するが、すでに手遅れだった。
 彼の大事なクマちゃんは、ピンク色の肉球でドクロスイッチをぷにっと押してしまったのだ。

 無鉄砲を極めた赤子と、赤子の肉球に運命を委ねられたコクマちゃんの行く末を確認するため、彼らは水晶玉の映像を見た。

『ドン!』

 の代わりに『ニャー』と打ち上げられたのは、ねこっぽい顔がえがかれた猫耳付き砲弾だった。

「可愛い……」「可愛いな……」大人達は不思議な満足感を得た。

 水晶玉に映る何もない青空を、猫耳付き砲弾がニャーと切り裂き、そのまま『ニャー……』と遠ざかる。

 大人達は失敗を悟った。しかし次の瞬間――、
ドン! とイカダから垂直に、なおかつ唐突に、黒ひげの人形が飛び上がった。

「いや何で?」と疑問がき上がり、口をく。

 空方面へ蒸発した乗組員。動機は不明である。
「何かどっか飛んでったんだけど」と目撃者は事件のあらましを有益な情報を一切出さずに語った。

 理由も定かではないまま、突如行方知れずとなった乗組員を、唯一のイカダクルーとなったコクマちゃんが、狭い範囲で探す。

 その距離、コクマちゃんの短いあんよで、やく、左右二歩分。
真剣味しんけんみに欠ける動き」という捜査に差しさわりのある意見を出した男に、隣に座るイカレ男が拳で反省を促す。

 貴重すぎる船員の半数を失った悲劇のイカダに、ちゃぷ、ちゃぷ――と黒い何かが流れ着く。
 それはドーナツ状の黒ひげをつけた、かつての仲間だった。

 慎重なコクマちゃんは斜め掛けの鞄からごそごそ……と黒いドーナツが描かれた紙を取り出すと、つぶらな瞳で両者を見比べ、本人確認をした。
「しっかりしてるな……」「なるほど……」「あれはチョコドーナツでは……」と大人達がコクマ氏を褒める。

 ちゃぷ……と棒付き網でサルベージされる、耐水性の高い遭難者。

 大人達が見守るなか、冷静なイカダクルーは猫手で、おそらく定位置であるイカダの端へと、黒ひげの乗組員を設置した。
 カタリ……と、まるで何事もなかったかのように。

 そして静寂が訪れる。

「…………」

 目撃者である彼らの心に、さまざまな感情が去来きょらいした。
 狭い場所で遊ぶ子猫の動向をひたすら観察したら、こんな気持ちになるのだろうか……と。

 商隊の護衛ゼノは、またしても己の職務を忘れ子猫に魅入っていたことに気付き、自分に悪態をついた。「クソ……! しっかりしろよ……!」と。
 抱えた妖精ちゃんをふわり……ふわり……と、無意識のうちに優しく丁寧に撫でながら。

 そのとき、愛らし過ぎる「クマちゃ……」の声が、彼らの意識を現実に引き戻した。

 もこもこした生き物は、さきほどと変わらぬ状態で、水晶玉の横にお座りしていた。
 大人達の視線に気付くと、某スイッチからお手々を放し、ドキドキと高鳴る胸を押さえるような仕草をする。
 その愛らしさに、大人達の頬がゆるむ。

 クマちゃんはつぶらな瞳をうるうるさせつつ彼らに尋ねた。

「クマちゃ……」と。それは大人達が答えにくい質問だった。
 
 クマちゃんがとったのは、どんなアイテムちゃんでちゅか……?
 
「ひげ」と端的に答えた正直者がドン! と椅子から落ちる。

「ひどすぎる……」
 
 嘆く金髪に、シャラ――と装飾品で飾られた手が伸ばされる。
「ごめんね」とリオを助け起こしながら、犯人である青髪の将校は、困ったような笑みを浮かべ、涼やかな声で言った。

「君の存在が気にさわって……」

「俺の存在が……?」



 リオが可愛いクマちゃんを見つめ「俺はもうクマちゃんしか信じない……」と心の扉に閉じこもっていたとき、クマちゃんは下を向き、ドクロスイッチを見つめていた。

 そして、さきほどの失敗などまるでなかったかのように、「クマちゃ……」と、可愛い猫手でそれを押した。
 
 大人達はくっと唇をかみしめた。
 猫風船の横を猫耳つき砲弾が『ニャー……』と通り過ぎたからだ。
 黒ひげの人形は飛んだり飛ばなかったりするらしく、微動だにしない。

 アイテムを獲得したいなら、映像を見ながらスイッチを押してはどうか。

 その一言をずばりと言える者はいない。
 可愛いクマちゃんがミィ……と甘える子猫のように、彼らに尋ねる。

「クマちゃ……」と。

 クマちゃんがとったのは、どんなアイテムちゃんでちゅか……? 

『そもそも獲れてない』などと言えるわけがない。ひげすら獲れなかったなどと。
 
 大人達がどう答えるか悩むなか、護衛の男は耐えきれず、苦し気に声を絞り出した。

「頼む……俺に……そのスイッチを、俺に押させてくれ……」

 その言葉を聞いたウィルは、聖職者のように慈愛に満ちた笑みを浮かべた。
 が、不意にがらりと雰囲気を変え、クッとおかしそうに喉をならした。

 己の殻に閉じこもっていたリオが「悪の波動を感じる……」と静かに呟く。
 
 ウィルは隣で人でなしを見るような目を向けるリオを意に介さず、別のことを考えていた。
 やはり、クマちゃんに興味がないように振る舞っていた護衛も、愛くるしいもこもこの魅力には抗えなかったようだ。
 
 愛らしく繊細なクマちゃんを深く愛する彼は、可愛いクマちゃんを無視しようとした男を許す気はなかった。
 心から反省し、行動で示すまで。
 好きなら好きと言えばいい。
 苦手なら仕方がないが、好意を持っているのに冷たい態度で幼いもこもこを傷つけるなど、許されざる愚行である。

 派手だが優しそうな雰囲気の男は、はっきりしない態度の男の顔を、拳ではっきり二色にしてやりたいと思うほど、がっつり白黒つけたいタイプであった。
 
「うーん。『どうか押させてください』と頭を下げたほうがいいと思うけれど、クマちゃんは優しいからね」

「めちゃくちゃヤバい人に目ぇ付けられてるじゃん……。マジで何したのあいつ……」

『特に何かをしたわけではない』と、本人に訊けばそう答えるだろう。

 彼は積極的に動かなかった。しかしそれこそが、もこもこを愛するウィルの気分を害した、などと白黒つけたい過激派ではないリオには知る由もなかった。



『どうか押させてください』とは言わなかったが、リオが「クマちゃんそれ俺もやりたい」と言ったため、片手で遊べるおもちゃは皆に配られることとなった。

 しかし残念ながら、『仕事をしながら遊べる』という素晴らしいうたい文句を実践する大人はいなかった。

「…………」

『ニャー』

『――クマちゃーん――』

 ――アイテムゲットちゃーん――。

 みな無言のまま、可愛らしい音声が鳴る水晶玉を眺めていた。

 猫風船がふわふわと、イカダに近付いてくる。
 もう少し……あと二秒……。
 大砲の真上、よりやや手前に風船が来た瞬間、リオは野性の獣のようにキラリと目を光らせ、右手に持ったスイッチを押した。

『ニャー』と打ち上げられた猫耳つき砲弾が、真っ直ぐに風船を目指し……ている途中で、ぶん! と不規則な振り子のような動きをするカゴにはじき飛ばされた。

『ニャー……!!』と軌道を変えられた猫耳砲弾は、そのまま上空へと去っていった。 
「いやいやいやいや。おかしいおかしい。ありえないでしょ。あのカゴ絶対俺に恨みあるじゃん。つーかあいつ今こっち見てたよね」

 リオは罪なきカゴに言いがかりをつけ、ピピピー! と苦情を申し立てた。

「考えすぎだと思うけれど。それより、これはとても可愛らしくて良く出来たゲームだね。小さな子でも簡単に遊べるようになっているし……ほら、風船が割れてカゴが落ちてきたよ」

 そう言って、ウィルは自分の水晶を示した。
 彼のコクマちゃんが、ごそごそ、とリボンつきのカゴに両手を入れ、中身を探っている。
 何かを見つけ、ハッとしたコクマちゃんが猫手で掲げたのは、小さなティーカップだった。

 彼らがそのまま見守っていると、ティーカップを持ったコクマちゃんがヨチヨチ……と歩きだした。
 黒ひげ人形の方へと。
 そうしてなんと、ひとつしかないティーカップを、黒ひげの手にそっとふれさせたのだ。

「うわ……やばい……めっちゃ優しい……。こういうとこマジでクマちゃん……」

「これは……胸が苦しくなるね……。それならどうにかして、ティーカップをもう一つ獲らないと……」

 彼らが自身の目に滲んだ涙をぬぐっていたとき、他の大人達もまったく同じ体験をしていた。
 せっかくアイテムを獲得しても、クマちゃんと同じ性格のコクマちゃんが、黒ひげに渡してしまうのだ。

「私のクゥは何故こんなに優しくていい子なんだ……!! これは自分で使っていいんだぞ……! ほら、こっちの帽子は絶対にクゥの方が似合うだろう?! 何故だ……! 何故、その黒ひげに……!! そいつには猫耳の帽子なんて必要ないだろう!」

「商隊長……、俺の子猫も同じです……。もどかしいですが、子猫に贈りたいなら二つ以上獲れ、というルールのようですね。一見簡単なようで、子猫だけを可愛がりたい人間の心理をつく、実に巧妙な手口……いえ、遊戯ですね」

 顔の良すぎる商隊長と、地味だが美形な商人も、愛らし過ぎる子猫の心理攻撃にやられ、ゲームを中断できず、ひたすらスイッチを押していた。
 良い物を当てたときの方がより悔しい……と顔を歪めながら。
 因みに、彼らのイカダはまるで成長していなかった。

「素晴らしい魔道具ですが……水晶のなかの子猫を途中で見放すことなど、私には出来ませんし、いったいこれからどうすれば良いのか……。いえ、もちろん最後まで育てる以外に道はないのですが……」

「あ~、なんというか、これは仕事どころじゃなくなるな……。確かに片手が空いていればできるが……」

 リカルドの言葉に相槌を打ったマスターは、引き抜く予定の護衛の男へチラリと視線を向けると、哀愁を漂わせた表情でふ、と笑った。

 妖精とクマちゃんを抱えた商隊の護衛ゼノが、苦痛をこらえるような表情でスイッチを押していたからだ。
 あんなに鬼気迫る顔でスイッチを押している人間に『遊びながらでいいから話を聞け』などと言えるわけがない。

 似たような表情を浮かべている人間は彼の他にもう一人いたが、クライヴのほうは鬼気迫るというよりも、息も絶え絶えといった有様だった。

「おい、大丈夫か……」とマスターは一応声をかけたが、聞こえていないようだった。
 彼はクライヴの様子を見て思った。
 死相がでている――。


 クマちゃんは、険し過ぎる顔でスイッチを押す護衛のゼノを見上げ「クマちゃ、クマちゃ……」と一生懸命話しかけた。

 ゼノちゃんが遊んでいるあいだは、クマちゃんが、ゼノちゃんをおまもりいたちまちゅ……。
 なので、ご安心して、遊んでくだちゃい……、と。

 彼が耐えられたのは、そこまでだった。

「ばっ……お前……」

 言いかけた言葉を詰まらせ、ぐっと目を閉じる。
 そうして、腕で強く顔を押さえた。

『バーカ。お前みてぇな弱いよえーやつが何言ってやがる』

 そう返すつもりだった。だがまったく思い通りにいかなかった。

 腕の中の小さな温もりに、『愛しい』という感情が強くあふれ出し、涙腺が制御できなくなったのだ。

 それまで『弱点だから』『仕事に集中できなくなるから』と、可愛いだけで何の罪もない子猫を遠ざけようとしていた自分にまで、何の打算もなく愛情を分け与えてくれる生き物を、どうして突き放すことができるだろうか。
  
 何か言葉を返さなければ。
 頭では冷静にそう考えていても、「クマちゃ、クマちゃ……」ゼノちゃ、大丈夫でちゅか……と自分を心配し、小さな手で彼の腕を温めようとする子猫のせいで、それもままならない。
 嗚咽がもれそうだ。彼の人生でここまで泣いたことなどない。というほど、次から次へと目から熱いものがあふれてくる。

 しかしそんな彼をからかう者は、ひとりもいなかった。
 何故なら、彼よりも泣いている人間があちこちにいるからだ。

「クゥ……! 私のクゥは何故こんなに……!! ああ、胸が痛い……!! いとおしい……! 苦しい……!」 
「うう……ハンカチはどこにしまったんだったか……。まさかこの歳で、子猫に泣かされるとは……」

「クライヴ、おい、生きてるか……」

「もー……クマちゃん急に泣かせてくるじゃん……。つーか流れ星すごくね?」

「愛らしいクマちゃんのおかげで、心が綺麗に浄化されたよ。僕が心配する必要なんて、何もなかったね……」

 あらためてクマちゃんの優しさにふれた大人達は、隅から隅まで浄化された心で、深く理解した。

 一番大事なこと。それは、仕事などではない。

 愛だ――と。


 そしてマスターは今夜の仕事を諦めた。



 彼らの素晴らしい変化を感じとった妖精達は、ヨチヨチ……ヨチヨチ……と一生懸命強いお酒を運んだ。

「クマちゃんこのお酒すごい美味しいねー。なんかヘロヘロになるっていうかベロベロになるっていうか船めっちゃ揺れるっていうか……。つーかこのイカダってさぁ……どこまで成長すんの?」

「クマちゃ、クマちゃ……」
『お空ちゃ、飛ぶちゃ……』

 いっぱいレベルアップちゃんすると、お空を飛んで冒険ちゃんへ行きまちゅ……。

「へー。クマちゃん凄いねぇ」

 と言って、リオはクマちゃんの話をさらっと聞き流した。
 なるほどー。へー。そっかぁ。クマちゃん可愛いねー、と。

「…………」

 クマちゃんの魔道具が本当に凄いことを知っているのは、無口で無表情な魔王様だけである。
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