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去年の夏、初めてカラダでお金を稼いだ。
どうしてもお金が欲しかった。それはアリサ達とキャンプに行くお金。
私が悩んでいた時、いつも助けてくれたのはアリサだったから、今回も一緒に行きたいけど、お金ないって正直に相談した。
そしたらアリサが体売ればって言ってきた。
アンタは、もう処女じゃないし、みんなもやってるんだから、それで一緒にキャンプ行こって笑ってくれた。
次の日、アリサからメールが届いた。
『金払いのいいオヤジ見つけたから、アンタのアド教えといた。あとで連絡くるはずだから、待ち合わせて早く金作っておいで。キャンプ楽しみだねぇぇぃ!!』
その後すぐにメールをしてきたオヤジと会って、ホテルに入って……した。
あっけなかった。
私の股間に顔をこすりつけてるオヤジの頭がイモ虫に見えた。
瞳が開いたまま眠っているような、そんな感覚。
目が覚めたときには3枚のお札と、また会ってくれる約束するならって合わせて5枚のお札をオヤジから握らされていた。
ホテルを出てオヤジと別れた。
3時間前の私と今の私は同じ人?
友達や景色はまるで、一緒だよって答えてくれるみたいに、いつもと同じ。
「ねぇ、体売ってお金を得る事って良いこと? 悪いこと??」
それはわからない。
君達を買う大人だって、みんな手探りで生きているんだ。胸を張ってJKとHする訳じゃない。だから、お金を使って精一杯言い訳してるんだよ。
誰が良い悪いなんて状況で変わってくる訳だし、毎回心の中で戦わせなよ。
次の日、学校に行った。
休み時間、アリサ達とキャンプの事を相談した。
まだ夏休みにもなっていないのに、ワクワクした。
夕べ少しあった後悔した気持ちは、これで良かったと忘れハッピーな気持ちになっていた。
その日の夜、学校にケータイ忘れたことを思い出した。昨日の夜は、オヤジから『次いつ会える?』ってしつこくメールが来たから、今夜はケータイないのもいいやって、大して気にならなかった。
翌朝、少し寝坊していつもより遅く登校した。
教室に入ると、私の机の上にケータイが壊されて置いてあった。
朝来た誰かが、私の着信に気づいてメールを見たんだと思う。そう、あのスケベオヤジからのいやらしいメールを。
それから教室のどこにも、私の居場所はなくなった。
学校中の男から追い回され、蹴られ殴られ襲われた。
金の為に汚いオヤジとも寝る女と言う顔でしか、卒業まで見られないのだろう。
でも不思議と受け入れられた『だって悪いのは私だから……』
次の日から毎朝、早く来てホームルームが始まるまでに黒板に書かれた『悪口』を消さなくてはならなくなった。
そこに書かれた文字『薄汚い売春女は死ねぇぇぃ!!』この書き方、私が一番信用していたアリサの文字。
今までなんともなかったのに……、泣き崩れた。
「ねぇ、どうしてみんなは私を裏切るの?」
裏切った訳じゃないよ。君より大事なものを優先して守っただけの事。
モノは人間に変わる事は出来ないけど、人間はモノにさせられてしまう。そういう都合のいい生き物なんだ、人間って。
今日だけは、家族に作り笑顔を見せる事が出来そうにないな……。
玄関から一目散に私の部屋へと駆け上がり、そのままベッドに倒れ込んだ。
最近、誰かに見られているような気がしてる。でもそれは、いじめっこの様な陰湿なモノじゃなくて、会わなくても優しい、そして誰よりも暖かく感じるそんな視線。
目に見えなくても、この頃にはそれが一番頼れるモノになっていたんだ。
夕方、手首を切った。
学校にも家族にも、私を暖めてくれる人は誰もいない。ひたすら温もりが欲しかった。
「人の血って、こんなに冷たいんだ」
自分の腕に流れる血を眺めながら呟いた。何度も何度も確かめた。
だけど、一瞬にしてクーラーに冷やされる血は冷たさしか感じさせてくれなかった。
こんな事をするだけでは、生きている実感は持てなかった。
「寒い」
心の中で呟いた。
声に出す元気も、もう私には残ってなかった。
そんなとき、彼が私の前に現れてくれた。
名前も服もない彼。私はそんな突然現れた彼を、朦朧とする意識の中確認した。
彼は仮面をつけていた。だけどその目は、とても優しく、暖かかった。
私はいっぱい聞きたい事があったから彼に質問を投げ続けた。
『わからない』
それが彼のいつもの答えだった。
「ねぇ、私はどうしたら生きている意義を見つけ出せると思う?」
大丈夫、人は意義なんて持たなくても生き続けることは可能だよ。
地球上の人間40億通りの意義を考えながら、それぞれのシナリオを人に与えるなんていくら神様でも不可能だよ。
誰にも飼われてない、意義なんて考えず、自由にただこの星に浮かべばいいんだよ。
学校に行かなくなった私にはする事がなかった。
気がついたら、オヤジとホテルに入って股間を舐めまわされていた。
最初に会ったオヤジとは別の人。でも、みーんな同じイモ虫。『死ぬときに頭に浮かぶエンドロールには、この人達の名前は死んでも載せたくないな』そんな事を考えながらセックスした。
死ぬ寸前なのに死んでもイヤって思っても説得力ないよなぁ、そんなどうでも良いことを考えてるうち、オヤジはイッタ。
胸に出す約束だったのに、顔まで飛んできた。
「ゴメンよ、ゴメンゴメン」
私の顔をティッシュで拭きながら謝ったオヤジの顔は、笑ってた。ムカついた。
何度も許してくれる? って聞きながらニヤニヤ笑ってる。返事をしなかった。
金だけもらって早く別れたかったから手を出した。
すると「つまんねぇ女」そう吐き捨て、金と私を置いて1人部屋を出て行った。
1人部屋に残された私。思いっきり笑った。
金を払って娘より若い女とセックスして、つまんねぇと言ったあのオヤジが笑えた。
そして叫んだ。
「見てたー私のセックス。どうせまた来てるんでしょ」
彼がまた現れた。
「どうだった私のセックスは、興奮した??」
私は半ば狂乱気味に彼に質問を投げ続けた。
でも彼の答えはまた『わからない』だった。
「じゃあ、何の為に私の前に現れたのよー」
目に涙を浮かべながら、私は叫んだ。すると彼は話した。
「君が出した答えを、全て受け入れる為」
涙が止まらなくなった。
彼の表情はいつもと同じ優しいまま。
私が笑ってても、泣いてても、怒ってても、迷ってても、同じ表情で見つめてくれる。
早く答えを見つけ出そう、私を支えてくれる人が、いつも側にいる。
どうしてもお金が欲しかった。それはアリサ達とキャンプに行くお金。
私が悩んでいた時、いつも助けてくれたのはアリサだったから、今回も一緒に行きたいけど、お金ないって正直に相談した。
そしたらアリサが体売ればって言ってきた。
アンタは、もう処女じゃないし、みんなもやってるんだから、それで一緒にキャンプ行こって笑ってくれた。
次の日、アリサからメールが届いた。
『金払いのいいオヤジ見つけたから、アンタのアド教えといた。あとで連絡くるはずだから、待ち合わせて早く金作っておいで。キャンプ楽しみだねぇぇぃ!!』
その後すぐにメールをしてきたオヤジと会って、ホテルに入って……した。
あっけなかった。
私の股間に顔をこすりつけてるオヤジの頭がイモ虫に見えた。
瞳が開いたまま眠っているような、そんな感覚。
目が覚めたときには3枚のお札と、また会ってくれる約束するならって合わせて5枚のお札をオヤジから握らされていた。
ホテルを出てオヤジと別れた。
3時間前の私と今の私は同じ人?
友達や景色はまるで、一緒だよって答えてくれるみたいに、いつもと同じ。
「ねぇ、体売ってお金を得る事って良いこと? 悪いこと??」
それはわからない。
君達を買う大人だって、みんな手探りで生きているんだ。胸を張ってJKとHする訳じゃない。だから、お金を使って精一杯言い訳してるんだよ。
誰が良い悪いなんて状況で変わってくる訳だし、毎回心の中で戦わせなよ。
次の日、学校に行った。
休み時間、アリサ達とキャンプの事を相談した。
まだ夏休みにもなっていないのに、ワクワクした。
夕べ少しあった後悔した気持ちは、これで良かったと忘れハッピーな気持ちになっていた。
その日の夜、学校にケータイ忘れたことを思い出した。昨日の夜は、オヤジから『次いつ会える?』ってしつこくメールが来たから、今夜はケータイないのもいいやって、大して気にならなかった。
翌朝、少し寝坊していつもより遅く登校した。
教室に入ると、私の机の上にケータイが壊されて置いてあった。
朝来た誰かが、私の着信に気づいてメールを見たんだと思う。そう、あのスケベオヤジからのいやらしいメールを。
それから教室のどこにも、私の居場所はなくなった。
学校中の男から追い回され、蹴られ殴られ襲われた。
金の為に汚いオヤジとも寝る女と言う顔でしか、卒業まで見られないのだろう。
でも不思議と受け入れられた『だって悪いのは私だから……』
次の日から毎朝、早く来てホームルームが始まるまでに黒板に書かれた『悪口』を消さなくてはならなくなった。
そこに書かれた文字『薄汚い売春女は死ねぇぇぃ!!』この書き方、私が一番信用していたアリサの文字。
今までなんともなかったのに……、泣き崩れた。
「ねぇ、どうしてみんなは私を裏切るの?」
裏切った訳じゃないよ。君より大事なものを優先して守っただけの事。
モノは人間に変わる事は出来ないけど、人間はモノにさせられてしまう。そういう都合のいい生き物なんだ、人間って。
今日だけは、家族に作り笑顔を見せる事が出来そうにないな……。
玄関から一目散に私の部屋へと駆け上がり、そのままベッドに倒れ込んだ。
最近、誰かに見られているような気がしてる。でもそれは、いじめっこの様な陰湿なモノじゃなくて、会わなくても優しい、そして誰よりも暖かく感じるそんな視線。
目に見えなくても、この頃にはそれが一番頼れるモノになっていたんだ。
夕方、手首を切った。
学校にも家族にも、私を暖めてくれる人は誰もいない。ひたすら温もりが欲しかった。
「人の血って、こんなに冷たいんだ」
自分の腕に流れる血を眺めながら呟いた。何度も何度も確かめた。
だけど、一瞬にしてクーラーに冷やされる血は冷たさしか感じさせてくれなかった。
こんな事をするだけでは、生きている実感は持てなかった。
「寒い」
心の中で呟いた。
声に出す元気も、もう私には残ってなかった。
そんなとき、彼が私の前に現れてくれた。
名前も服もない彼。私はそんな突然現れた彼を、朦朧とする意識の中確認した。
彼は仮面をつけていた。だけどその目は、とても優しく、暖かかった。
私はいっぱい聞きたい事があったから彼に質問を投げ続けた。
『わからない』
それが彼のいつもの答えだった。
「ねぇ、私はどうしたら生きている意義を見つけ出せると思う?」
大丈夫、人は意義なんて持たなくても生き続けることは可能だよ。
地球上の人間40億通りの意義を考えながら、それぞれのシナリオを人に与えるなんていくら神様でも不可能だよ。
誰にも飼われてない、意義なんて考えず、自由にただこの星に浮かべばいいんだよ。
学校に行かなくなった私にはする事がなかった。
気がついたら、オヤジとホテルに入って股間を舐めまわされていた。
最初に会ったオヤジとは別の人。でも、みーんな同じイモ虫。『死ぬときに頭に浮かぶエンドロールには、この人達の名前は死んでも載せたくないな』そんな事を考えながらセックスした。
死ぬ寸前なのに死んでもイヤって思っても説得力ないよなぁ、そんなどうでも良いことを考えてるうち、オヤジはイッタ。
胸に出す約束だったのに、顔まで飛んできた。
「ゴメンよ、ゴメンゴメン」
私の顔をティッシュで拭きながら謝ったオヤジの顔は、笑ってた。ムカついた。
何度も許してくれる? って聞きながらニヤニヤ笑ってる。返事をしなかった。
金だけもらって早く別れたかったから手を出した。
すると「つまんねぇ女」そう吐き捨て、金と私を置いて1人部屋を出て行った。
1人部屋に残された私。思いっきり笑った。
金を払って娘より若い女とセックスして、つまんねぇと言ったあのオヤジが笑えた。
そして叫んだ。
「見てたー私のセックス。どうせまた来てるんでしょ」
彼がまた現れた。
「どうだった私のセックスは、興奮した??」
私は半ば狂乱気味に彼に質問を投げ続けた。
でも彼の答えはまた『わからない』だった。
「じゃあ、何の為に私の前に現れたのよー」
目に涙を浮かべながら、私は叫んだ。すると彼は話した。
「君が出した答えを、全て受け入れる為」
涙が止まらなくなった。
彼の表情はいつもと同じ優しいまま。
私が笑ってても、泣いてても、怒ってても、迷ってても、同じ表情で見つめてくれる。
早く答えを見つけ出そう、私を支えてくれる人が、いつも側にいる。
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