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異世界の人族の神
冥王、異世界で連行される。
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人数が三十程の銀色の西洋甲冑が俺たちの行く先道を遮っている。
「ここ通らんと先も行けんのに、もう既に待ち伏せされていたんだな」
コベソは、幌から乗り出し御者の肩に手を置いて遠目をする。
馬車は、ゆっくりと甲冑の群れに近くまで寄る。
先頭に立つ者が、兜のバイザーを上げ髭を整えた誠実そうな中年男性は、顔を見せる。その者は周りにいる多くの甲冑とは違い、少しだけ装飾と綺麗な生地のマントを翻している。
「ヒロックアクツ商事の馬車か?」
「そうだ」
「我らカツオフィレ王より命じられしカツオフィレ八騎士団。 そして私、団長バクム。 故にあって、お主らを連行する」
「なんでだ?」
「『なんでだ?』とは、まさか知らぬとは。 お主らの中にランドベルクの勇者とその仲間を同行させている事は、我が王は知っておる。 故にランドベルクの手先となる者を捕らえに来たのだ」
「勇者なんぞ……」
コベソが、相手に聞こえるよう大声を上げるが、何故か向こうは聞こえないふりをしている。
すると、勇者パーティ四人が、馬車から降り俺たちが乗っている馬車とガツオフィレ八騎士団の間に入り、騎士団と対峙している。
「そうだ、我ら勇者ユカリ殿のパーティだ」
「自ら出てくるとはな」
「出てきて欲しいって言い草だったっしょ」
「ランドベルクが、この国ガツオフィレを滅ぼすのに、勇者とその仲間を送り込んでくるとはな」
「ちっ、勇者って聞かれていたんだな」
悔しがるコベソを余所に勇者パーティ四人と八騎士団長が、言い争う。
「何を言うか! ユカリ殿がそんな事するわけが無い! そうですよね?」
ゴリマッチョ男戦士が、期待を含んだ満面の笑みで俺たちがいる馬車へ振り返る。
ここにいる全員、気まづい空気となる。
「ふん。 やはり勇者がいたか! かの有名なヒロックアクツと同行し、我が国、我ら王、我ら騎士団を欺かせ、ましてや最も強い者、勇者を工作員として差し向けるとは!!」
「私達は、そのような事しに来てません。 アテルレナスに向かうところです」
「我ら国の聖女様もそう言っておったが、その後もそれが口実だと!」
「何を! ユカリ殿がそんな事する訳ないと何度も言っておるだろ」
「この国滅ぼすなんて勇者のする事ではないっしょ」
「何度では無い。 二回だ。 今ので二回目だ……」
八騎士団長は、指を二本だして数えているのをアピールして、後ろにいるのが部下なのだろう。その部下達が馬車にいる御者に剣を向ける。
「ヒロックアクツ商事も、勇者と分からずとしても、勇者を乗せランドベルクが、この国カツオフィレに侵攻の助力させたとして、お主ら全員我が王の元に来てもらうぞ。 そこで身の潔白を証明すればいい」
騎士団長が、コベソの目を捕え背けることなく真っ直ぐな態度と大きな声で伝え、その後、勇者パーティに言葉を告げる。
「お前ら勇者とその仲間。 お前らは本当に勇者か我ら聖女様に見てもらい、本当に勇者なら神の意思を受けどうなるかだな」
「ふん、それをしたら各国が黙っていないぞ」
「それを決めるのは、お前らの行動であり、我らの王だ。 私ではない」
「くっ」
騎士団長が何か光る物を手に取り、俺たちにチラつかせている。コベソの目が微かに青色に光った直後、コベソは、言葉を飲み引き下がる。
だが、引き下がらないのはこの四人組。
「勇者パーティが、そんな虚仮威し通じるわけないだろ」
「そうっしょ。 剣を向けるなんてお前らは人殺しか?」
「……」
「我ら勇者ユカリ殿のパーティだぞ! 勇者に楯突こうとする者、そして人として罪を犯すものをみすみす逃すわけが無い」
ゴリマッチョ男戦士と女戦士は、自らの武器を出し男神官と女魔法使いも戦闘態勢に入るが、その状況にユカリは、慌てふためいている。
「ふぅ、ここで戦闘する気は無いが、勇者よ」
「な、なに?」
「その後ろの奴ら、アホか?」
「何! 俺たち勇者のパーティである俺たちを馬鹿にするか?」
「バカはバカなんしょ」
「……」
「はぁ、お前の状況察する」
「……」
「ってめぇ、俺たちを鼻で笑ったな!」
「鼻で笑ってない。 失望しただけだ。 ランドベルクが、勇者の仲間にお前らを選んだ事がな」
「そりゃぁ、私達エリートだからっしょ」
「まぁ、それでいい、か。 それでは、エリート諸君、我ら王に会って貰らいたいんだが」
「そうそう、始めっからそう言えば良いんだ。なぁユカリ殿」
「うんうん。 そうっしょ」
呆れ顔のユカリは、更に頭を抱えているが、その後ろの四人組は、『エリート』という言葉をまともに受け鼻高々な顔をし、そのまま馬車に乗り込んだ。
ユカリは、歩いて俺たちの馬車に向かうと、騎士団の一人が「おい、そっちじゃないだろ?」と声を掛ける。だが、その騎士ユカリの顔を見た途端、そのまま俺たちの馬車へ通す。
その顔、酷く疲れそして眼光は鋭く冷たいものだった。
騎士団も、各々の馬に乗り俺たち馬車を見張るのか、並行に陣をとり走り出す。
「ユカリのお嬢ちゃん。 なんであの仲間なんだ?」
「この世界に来た時に、付けられたと言ってもいい。本当にあの時……」
「なるほど」
納得するコベソとトンドに、こうべを垂れて悩むユカリ。
「何が、なるほど?」
「あれだ、召喚されて右も左も分からない状況で、勝手にあの王やら誰かが、お嬢ちゃんに『仲間をつけた方が覚えるのも早いだろう』とそんな感じに言ったんだろ」
「そのまま、合ってる」
「多分だが、あの四人。 あの国で実力は優秀なんだろうな。 戦士では戦うだけの実力、魔法ならそれを使うだけの実力……」
「そうか、それ以外バカ、能無しなんだ!」
ペルセポネのハッキリとした言葉に笑いを堪えるコベソとトンドだが、聞こえていたのか御者もそして、隣に座るガツオフィレの騎士も堪えていた。
「本当に、出国は一人でと言ったんだけど」
「でも、着いてきた」
「ええ」
「そりゃぁなぁ、【勇者】しかも【勇者のパーティ】なんぞ、誰でも一瞬で上流階級の仲間だ」
「冒険者としても一目置かれる存在だな」
落ち着きを取り戻したユカリを見てコベソとトンドが腕を組みながら、話を進める。
「だから、あんなに横柄な態度威張なの?」
「あれは素、らしい。 更に拍車掛けて事ある事に【勇者パーティ】と言うと聞いてたんです」
「何も出来ないエリート気取りが、何も功を立てずにエリートになってしまったんだからな」
「手つけられないな。 痛い思いしないと直らんな」
「あの人達は直らないですよ。 はぁ」
「もぅ、既に痛い目にあってたな」
「ええ、ブラックサーペントの時に……」
項垂れるコベソとトンドにユカリ。
傲岸不遜の勇者パーティ四人組、勇者であるユカリに迷惑を掛けつつ、俺達をトラブルに巻き込んでいる事に気付くことなど無さそうだ。
若干、暗い雰囲気の馬車は、そのまま先に進み一回野営をし、日が少し傾いて人々が賑わい、色鮮やかな屋根が多い建物を通り、堅固な城門を抜け、高い塔が幾つも生えた城へ向かっている。
「ここ通らんと先も行けんのに、もう既に待ち伏せされていたんだな」
コベソは、幌から乗り出し御者の肩に手を置いて遠目をする。
馬車は、ゆっくりと甲冑の群れに近くまで寄る。
先頭に立つ者が、兜のバイザーを上げ髭を整えた誠実そうな中年男性は、顔を見せる。その者は周りにいる多くの甲冑とは違い、少しだけ装飾と綺麗な生地のマントを翻している。
「ヒロックアクツ商事の馬車か?」
「そうだ」
「我らカツオフィレ王より命じられしカツオフィレ八騎士団。 そして私、団長バクム。 故にあって、お主らを連行する」
「なんでだ?」
「『なんでだ?』とは、まさか知らぬとは。 お主らの中にランドベルクの勇者とその仲間を同行させている事は、我が王は知っておる。 故にランドベルクの手先となる者を捕らえに来たのだ」
「勇者なんぞ……」
コベソが、相手に聞こえるよう大声を上げるが、何故か向こうは聞こえないふりをしている。
すると、勇者パーティ四人が、馬車から降り俺たちが乗っている馬車とガツオフィレ八騎士団の間に入り、騎士団と対峙している。
「そうだ、我ら勇者ユカリ殿のパーティだ」
「自ら出てくるとはな」
「出てきて欲しいって言い草だったっしょ」
「ランドベルクが、この国ガツオフィレを滅ぼすのに、勇者とその仲間を送り込んでくるとはな」
「ちっ、勇者って聞かれていたんだな」
悔しがるコベソを余所に勇者パーティ四人と八騎士団長が、言い争う。
「何を言うか! ユカリ殿がそんな事するわけが無い! そうですよね?」
ゴリマッチョ男戦士が、期待を含んだ満面の笑みで俺たちがいる馬車へ振り返る。
ここにいる全員、気まづい空気となる。
「ふん。 やはり勇者がいたか! かの有名なヒロックアクツと同行し、我が国、我ら王、我ら騎士団を欺かせ、ましてや最も強い者、勇者を工作員として差し向けるとは!!」
「私達は、そのような事しに来てません。 アテルレナスに向かうところです」
「我ら国の聖女様もそう言っておったが、その後もそれが口実だと!」
「何を! ユカリ殿がそんな事する訳ないと何度も言っておるだろ」
「この国滅ぼすなんて勇者のする事ではないっしょ」
「何度では無い。 二回だ。 今ので二回目だ……」
八騎士団長は、指を二本だして数えているのをアピールして、後ろにいるのが部下なのだろう。その部下達が馬車にいる御者に剣を向ける。
「ヒロックアクツ商事も、勇者と分からずとしても、勇者を乗せランドベルクが、この国カツオフィレに侵攻の助力させたとして、お主ら全員我が王の元に来てもらうぞ。 そこで身の潔白を証明すればいい」
騎士団長が、コベソの目を捕え背けることなく真っ直ぐな態度と大きな声で伝え、その後、勇者パーティに言葉を告げる。
「お前ら勇者とその仲間。 お前らは本当に勇者か我ら聖女様に見てもらい、本当に勇者なら神の意思を受けどうなるかだな」
「ふん、それをしたら各国が黙っていないぞ」
「それを決めるのは、お前らの行動であり、我らの王だ。 私ではない」
「くっ」
騎士団長が何か光る物を手に取り、俺たちにチラつかせている。コベソの目が微かに青色に光った直後、コベソは、言葉を飲み引き下がる。
だが、引き下がらないのはこの四人組。
「勇者パーティが、そんな虚仮威し通じるわけないだろ」
「そうっしょ。 剣を向けるなんてお前らは人殺しか?」
「……」
「我ら勇者ユカリ殿のパーティだぞ! 勇者に楯突こうとする者、そして人として罪を犯すものをみすみす逃すわけが無い」
ゴリマッチョ男戦士と女戦士は、自らの武器を出し男神官と女魔法使いも戦闘態勢に入るが、その状況にユカリは、慌てふためいている。
「ふぅ、ここで戦闘する気は無いが、勇者よ」
「な、なに?」
「その後ろの奴ら、アホか?」
「何! 俺たち勇者のパーティである俺たちを馬鹿にするか?」
「バカはバカなんしょ」
「……」
「はぁ、お前の状況察する」
「……」
「ってめぇ、俺たちを鼻で笑ったな!」
「鼻で笑ってない。 失望しただけだ。 ランドベルクが、勇者の仲間にお前らを選んだ事がな」
「そりゃぁ、私達エリートだからっしょ」
「まぁ、それでいい、か。 それでは、エリート諸君、我ら王に会って貰らいたいんだが」
「そうそう、始めっからそう言えば良いんだ。なぁユカリ殿」
「うんうん。 そうっしょ」
呆れ顔のユカリは、更に頭を抱えているが、その後ろの四人組は、『エリート』という言葉をまともに受け鼻高々な顔をし、そのまま馬車に乗り込んだ。
ユカリは、歩いて俺たちの馬車に向かうと、騎士団の一人が「おい、そっちじゃないだろ?」と声を掛ける。だが、その騎士ユカリの顔を見た途端、そのまま俺たちの馬車へ通す。
その顔、酷く疲れそして眼光は鋭く冷たいものだった。
騎士団も、各々の馬に乗り俺たち馬車を見張るのか、並行に陣をとり走り出す。
「ユカリのお嬢ちゃん。 なんであの仲間なんだ?」
「この世界に来た時に、付けられたと言ってもいい。本当にあの時……」
「なるほど」
納得するコベソとトンドに、こうべを垂れて悩むユカリ。
「何が、なるほど?」
「あれだ、召喚されて右も左も分からない状況で、勝手にあの王やら誰かが、お嬢ちゃんに『仲間をつけた方が覚えるのも早いだろう』とそんな感じに言ったんだろ」
「そのまま、合ってる」
「多分だが、あの四人。 あの国で実力は優秀なんだろうな。 戦士では戦うだけの実力、魔法ならそれを使うだけの実力……」
「そうか、それ以外バカ、能無しなんだ!」
ペルセポネのハッキリとした言葉に笑いを堪えるコベソとトンドだが、聞こえていたのか御者もそして、隣に座るガツオフィレの騎士も堪えていた。
「本当に、出国は一人でと言ったんだけど」
「でも、着いてきた」
「ええ」
「そりゃぁなぁ、【勇者】しかも【勇者のパーティ】なんぞ、誰でも一瞬で上流階級の仲間だ」
「冒険者としても一目置かれる存在だな」
落ち着きを取り戻したユカリを見てコベソとトンドが腕を組みながら、話を進める。
「だから、あんなに横柄な態度威張なの?」
「あれは素、らしい。 更に拍車掛けて事ある事に【勇者パーティ】と言うと聞いてたんです」
「何も出来ないエリート気取りが、何も功を立てずにエリートになってしまったんだからな」
「手つけられないな。 痛い思いしないと直らんな」
「あの人達は直らないですよ。 はぁ」
「もぅ、既に痛い目にあってたな」
「ええ、ブラックサーペントの時に……」
項垂れるコベソとトンドにユカリ。
傲岸不遜の勇者パーティ四人組、勇者であるユカリに迷惑を掛けつつ、俺達をトラブルに巻き込んでいる事に気付くことなど無さそうだ。
若干、暗い雰囲気の馬車は、そのまま先に進み一回野営をし、日が少し傾いて人々が賑わい、色鮮やかな屋根が多い建物を通り、堅固な城門を抜け、高い塔が幾つも生えた城へ向かっている。
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