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1章
寝床
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私は歩く。
カタカタカタカタカタカタカタカタと骸骨がついて来る。
私は歩く。
カタカタカタカタカタカタカタカタと骸骨がついて来る。
どうしてこうなった!
頭を抱えた。
振り返る。
骸骨の軍団がいた。
およそ二十匹ほどだろうか、スケルトンの軍団がいた。
どうしてこうなった!
私はスキルを確認する。
そこには確かに『テイム☆』って書いてある。
私は振り返る。
骸骨の軍団がいる。
これじゃテイマーじゃなくて死霊術師やんけ!
この姿を見て誰がテイマーだと思ってくれるだろう。
私は確かもふもふをテイムするためにテイムのスキルを貰ったはずだ。
なのにテイムした二十匹のモンスター。
全部が骸骨!
どういうこと!?
現実は無情だ。
っていうかこれどうすんの!?
最初は町を探して歩いていたはずだけど、この骸骨たち引き連れて町へ……?
無理でしょ!?
こんなん連れてったら殺されるわ! 私もモンスターの一味だと思われるわ!
どうして! どうして! どうして!
どうしてこうなった!
人里目指すってのはやめた方がいいかもね。
どうしよう……。
「えー、と……このメンバーで安眠出来る場所とか心当たりない?」
骸骨たちに聞いてみた。
カタカタカタカタカタカタカタカタ!
ひいぃぃぃいいぃい!
ザ、ザ、ザ、ザ!
骸骨たちが一斉に歩き出す。
カタカタと骨を鳴らしながら、地面を踏みしめる骸骨たち。
私はその後ろからついて行くのだけれど、後ろから見ても骸骨の軍勢は怖かった。
もう彼らを放っておいて、一人で逃げちゃダメかな?
ダメ?
ーーーーーーーー
墓地があった。
でっかい墓地だ。
すでに骸骨たちと一緒にいるのだから今さらかもしれないけれど、墓石があるとまた趣が違って怖い。
その墓地の中に、でっかい建物があった。
一見すると城のようにも見える墓地だ。
その建物に向かって、五十匹近い骸骨たちが歩いて行く。
いや、うん……。
増えたよ。ここに来るまでに。
もう何の悪夢かって状態になっている。
テイムのスキルを選んだ時には、ほのぼの、のほほんなスローライフみたいなのを想像してたのに、もう完全にジャンルが違ってる。
完全にホラーだ。
ホラーじゃなくてもダークな何かだ。
あれ? これなんだろう?
骸骨たちが城みたいな建物に入って行こうとするから、私も後に続いて行こうとすると、目の前に薄い膜があることに気づく。
触って平気? 割れたりしない?
私が戸惑っていると、骸骨たちがカーテンを開けるように膜を開けてくれた。
開くんだ、これ。
骸骨が開けてくれた隙間を潜って中に入る。
紳士な骸骨だ。
骸骨たちは慣れた様子で城っぽい建物に入っていく。
彼らの本来の根城はここなのだろうか、墓地だし。
隊列を組んで城に入っていく五十体の骸骨たち、
城攻めをする死者の軍団にしか見えない。
どう考えても悪役の所業だ。
いまさらだけれど、勝手に入って大丈夫なのだろうか。
所有者がいたら怒られるだけじゃ済まない気がする。
おずおずと、彼らの後をついて行く。
骸骨たちは私を導いてくれるけれど、何体かが戸惑った様子を見せていた。
城の内部に詳しくない骸骨も混ざっているらしい。
見た目が骸骨だからといって、彼らにも個性があるのだろうか。
城に詳しいらしい骸骨が、ずんずん階段を昇って城の上階に向かう。
私もそれについて行く。
城の最上階であろう、たぶん、謁見の間とかそんな感じのでっかい扉の前に辿り着いた。
骸骨たちが扉を開ける。
ぎぎぃ、と嫌な音を立てて開いた扉の先へと、私を促す。
果たしてそこには、一体の骸骨がいた。
ローブを着て、杖を持った、今までの骸骨たちよりも明らかに強そうな骸骨がいた。
ひいぃいいぃいい!
「ほう、生者とは珍しい。どうやって結界を……なるほど、テイムしたアンデッドに開けさせたのか」
しゃべったぁああぁああ!
骸骨が喋った!?
やべぇ、怖い!
背筋がぞぞぞっとするような恐ろしい声。
目玉のない眼窩に赤い光が灯り、こちらをギロリと見つめている。
「かははは! まさかそのような突破の仕方があったとは! くくっ! 良いだろう、掛かってくるが良い!」
骸骨はそう言って、杖を構えた。
背後を見ると、私のテイムした骸骨たちはどうぞどうぞという感じで成り行きを見守っている。
どうぞどうぞじゃねぇよ!
なんでラスボス戦みたいなことになってんだよ!
カタカタカタカタカタカタカタカタと骸骨がついて来る。
私は歩く。
カタカタカタカタカタカタカタカタと骸骨がついて来る。
どうしてこうなった!
頭を抱えた。
振り返る。
骸骨の軍団がいた。
およそ二十匹ほどだろうか、スケルトンの軍団がいた。
どうしてこうなった!
私はスキルを確認する。
そこには確かに『テイム☆』って書いてある。
私は振り返る。
骸骨の軍団がいる。
これじゃテイマーじゃなくて死霊術師やんけ!
この姿を見て誰がテイマーだと思ってくれるだろう。
私は確かもふもふをテイムするためにテイムのスキルを貰ったはずだ。
なのにテイムした二十匹のモンスター。
全部が骸骨!
どういうこと!?
現実は無情だ。
っていうかこれどうすんの!?
最初は町を探して歩いていたはずだけど、この骸骨たち引き連れて町へ……?
無理でしょ!?
こんなん連れてったら殺されるわ! 私もモンスターの一味だと思われるわ!
どうして! どうして! どうして!
どうしてこうなった!
人里目指すってのはやめた方がいいかもね。
どうしよう……。
「えー、と……このメンバーで安眠出来る場所とか心当たりない?」
骸骨たちに聞いてみた。
カタカタカタカタカタカタカタカタ!
ひいぃぃぃいいぃい!
ザ、ザ、ザ、ザ!
骸骨たちが一斉に歩き出す。
カタカタと骨を鳴らしながら、地面を踏みしめる骸骨たち。
私はその後ろからついて行くのだけれど、後ろから見ても骸骨の軍勢は怖かった。
もう彼らを放っておいて、一人で逃げちゃダメかな?
ダメ?
ーーーーーーーー
墓地があった。
でっかい墓地だ。
すでに骸骨たちと一緒にいるのだから今さらかもしれないけれど、墓石があるとまた趣が違って怖い。
その墓地の中に、でっかい建物があった。
一見すると城のようにも見える墓地だ。
その建物に向かって、五十匹近い骸骨たちが歩いて行く。
いや、うん……。
増えたよ。ここに来るまでに。
もう何の悪夢かって状態になっている。
テイムのスキルを選んだ時には、ほのぼの、のほほんなスローライフみたいなのを想像してたのに、もう完全にジャンルが違ってる。
完全にホラーだ。
ホラーじゃなくてもダークな何かだ。
あれ? これなんだろう?
骸骨たちが城みたいな建物に入って行こうとするから、私も後に続いて行こうとすると、目の前に薄い膜があることに気づく。
触って平気? 割れたりしない?
私が戸惑っていると、骸骨たちがカーテンを開けるように膜を開けてくれた。
開くんだ、これ。
骸骨が開けてくれた隙間を潜って中に入る。
紳士な骸骨だ。
骸骨たちは慣れた様子で城っぽい建物に入っていく。
彼らの本来の根城はここなのだろうか、墓地だし。
隊列を組んで城に入っていく五十体の骸骨たち、
城攻めをする死者の軍団にしか見えない。
どう考えても悪役の所業だ。
いまさらだけれど、勝手に入って大丈夫なのだろうか。
所有者がいたら怒られるだけじゃ済まない気がする。
おずおずと、彼らの後をついて行く。
骸骨たちは私を導いてくれるけれど、何体かが戸惑った様子を見せていた。
城の内部に詳しくない骸骨も混ざっているらしい。
見た目が骸骨だからといって、彼らにも個性があるのだろうか。
城に詳しいらしい骸骨が、ずんずん階段を昇って城の上階に向かう。
私もそれについて行く。
城の最上階であろう、たぶん、謁見の間とかそんな感じのでっかい扉の前に辿り着いた。
骸骨たちが扉を開ける。
ぎぎぃ、と嫌な音を立てて開いた扉の先へと、私を促す。
果たしてそこには、一体の骸骨がいた。
ローブを着て、杖を持った、今までの骸骨たちよりも明らかに強そうな骸骨がいた。
ひいぃいいぃいい!
「ほう、生者とは珍しい。どうやって結界を……なるほど、テイムしたアンデッドに開けさせたのか」
しゃべったぁああぁああ!
骸骨が喋った!?
やべぇ、怖い!
背筋がぞぞぞっとするような恐ろしい声。
目玉のない眼窩に赤い光が灯り、こちらをギロリと見つめている。
「かははは! まさかそのような突破の仕方があったとは! くくっ! 良いだろう、掛かってくるが良い!」
骸骨はそう言って、杖を構えた。
背後を見ると、私のテイムした骸骨たちはどうぞどうぞという感じで成り行きを見守っている。
どうぞどうぞじゃねぇよ!
なんでラスボス戦みたいなことになってんだよ!
応援ありがとうございます!
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