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1章

テイムの効果

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 数時間ダンジョンを探索して、スケルトン五体のLVが一つずつ上がった。

 一つしか上がんなかった。

 ステータスは、STR75のやつでこんな感じだ。



『名無し
 スケルトンLV4

 HP:64/64(+3)
 MP:0/0

 STR:78(+3)
 VIT:21(+1)
 MAG:10
 RES:11
 AGI:20(+1)
 DEX:17

 スキル:なし』



 あんま上がんない。

 一つも上がってない項目もあるくらいだ。
 ずっとこんな感じなんだろうか。

 所詮はスケルトン?

 そろそろ名前を付けてあげても良いのかもしれないな。
 考えるのも面倒臭いし後で良いか。

「む……。LVが上がるのが早いな」

「早いの?」

 数時間、ゾンビを一方的にぼこり続けてやっと上がったんだよ?

 これだけやってLVが上がらないとか、ゲームだったらユーザー離れ必須だと思うけど。

「うむ、一日でLVが上がることはほぼない。経験値が貯まっていたのだとしても、五体ともというのは不自然だ」

「そっか……」

 あ、そう言えば、私のテイムはLVが上がり易くなる効果もあるんだった。

 ただのテイムじゃ強くないからって、テイムの成功率と、テイムモンスターのLVが上がり易いようにしてもらったんだ。

 たぶんそのせいだ。

「ということは、我のLVも上がり易くなっているのか?」

「え……? うん、たぶん」

 分かんないけども。

 なんかクリスは私のお世話係みたいな感じになっていたので、テイムモンスターという意識がなかったけれど、確かに私はクリスをテイムしていたんだった。

 クリスは私のテイムモンスターなんだから、上がり易くなってるとは思うよ。

 そう言うと、クリスはどこか嬉しげに笑った。

 くあっくあっくあっ! って笑い方は、日本の伝統芸能っぽい気がした。

 まだLV上げたいの?
 もう最強みたいなもんじゃん。

 もっと強いのいくらでもいる?
 世界最強でも目指してんの?

「いざという時に主を守れなければ意味がない」

 私を守るため!?

 いや、うん、イケメンに言われたらときめいたかもしれない。

 顔変えないで良いから。
 幻影魔法使わなくていいから。

 私そんな壮大な陰謀みたいなのに巻き込まれる予定ないよ?
 世界最強みたいな相手に命狙われる予定ないからね?

 転生者だけど、勇者じゃないし。

 魔王を倒してやるーみたいな志ないからね?
 どちらかと言えば魔王?

 黙らっしゃい!

 いや、まあ、うん。
 こんな骸骨たちを引き連れていたら、そりゃ勇者よりは魔王寄りだよね、どう見ても。


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