テイマーは死霊術師じゃありませんっ!

さんごさん

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1章

休憩

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 う、うん……。

 眩しい……。

 寝ていたら、カーテン閉め忘れてて太陽光が差し込んで来たような、無理やり覚醒を促されるような感覚。

 嫌々目を開けてみると、そこは馬の上で、空には太陽が出ていた。

 うわぁ、太陽初めて見るかも。

 それなんて地底人ってな感想を抱きながら、私は覚醒した。

 背後を振り返ると、雲もないのに真っ暗な土地が続いている。
 あちらが城のある方角なのだろう。

 こんなに太陽が輝いているのに、何故あそこには光が届かないのか。
 瘴気とやらが関係しているらしいのだけれど、この世界は私には謎すぎる。

 馬がゆっくりと速度を落とす。


「もう着いたの?」

「休憩だ」


 ここで休憩をとることになった。

 馬にどれだけの時間乗っていたのか、私には分からない。

 むしろ馬の上で十分すぎるほど休憩をとった気がするけれど、私じゃなくて、馬の休憩だ。

 馬は私が寝てる間にもずっと走っていたし、アンデッドでもないので、疲れるのだ。

 当り前だけれど、周囲をアンデッドに囲まれていると、そこら辺の感覚がおかしくなりそうだ。

 それにしても、よく馬の上でのんびり寝てられたよな。

 馬に乗り慣れてないとお尻が痛くなるって話を聞いたことがあるけれど、お尻は特に痛くない。

 馬の走り方が良かったのか、クリスの支え方が良かったのか、ステータスが上昇しているのでお尻が頑丈になっているのか。

 よく分からないけれど、まあきっと異世界の不思議パワーなのだろう。

 休憩時間なのでお弁当を食べよう。

 馬もクリスが与えた水を飲んでいる。
 バケツの中に首を突っ込んでぶひぶひ言いながら飲んでる。

 今日のお弁当のメインは牛肉のトマト煮込みだ。

 程よい酸味が牛肉とよく合って美味しい。
 パンともよく合う。

 お弁当っていうとお米のイメージがあるんだけど、特に指定しないとパンが出てくる時もある。

 私はお米もパンも好きなので、料理に合わせてどちらかを出してくれれば満足だ。

 冷めてても美味しいな、これ。

 牛肉のトマト煮込みなんて料理は、この世界に来てから初めて食べたかもしれない。

 前のコックだったスケルトンには、この料理は作ってもらっていないので、比べることもなく純粋に味わうことが出来た。

 美味しい。

 うん、普通に美味しいんだよな、新しいコックも。

 これで何かが違うとか、どんだけ贅沢なんだよって話だ。

 私のことだけど。

 馬も草をもしゃもしゃと食べていた。

 もしゃもしゃ。
 もしゃもしゃ。

 美味しそうに食べている。草を。

 馬の味覚ってどうなってるんだろうね。
 草食べて美味しいの?

 それを言うなら人間以外の動物全部に言えるわけだけどさ。

 それにまあ、人間だって野菜は食べるわけだし、大枠で見れば草を食べてるのとそれほど変わらない…のか?

 可愛いな、馬。

 普通の馬よりでっかいし、迫力があって近くで見ると少し怖いけど、可愛い。

 そもそも私は動物が好きなんだ。

 だからテイムのスキルを選んだわけだし。

 そう考えて、牛肉を口に詰めようとしていた私の手がピタリと止まる。

 あれ? この世界に来てもう三か月も経つよね?

 もふもふ要素少な過ぎない?
 今日初めて動物と触れ合ったよ?

 家畜を飼うために、餌になる穀物の量を心配したりしてたけど、まだ少し余裕があるんだから、小動物の一匹や二匹飼えない?

 あれ?

 テイムの使い方、目的が変わり過ぎてない?

 最初はもふもふのためだったのに、今となっては骸骨の城を守るための戦力集めをしようとしてる。

 なんか、こう、思ってたのと違うな。

 この馬テイムしちゃダメ?

 駄目か。
 借り物だもんね、これ。

 普通の動物がテイム出来るのか知らないけど。

 小動物なら飼っても良い?

 なんか親にペットをねだる子供みたいになってるな、私。

 主は私なんだから、飼うって決めちゃえばそうなるんだろうけど。

 クリスから許可も出たので、どこかで動物を探して来よう。

 せっかく墓地を抜け出して来たんだし、帰り道にでも見つかれば良いな。

 そうすればそのまま連れて帰ってもふもふ出来る。

 私はもふもふ異世界ほのぼのライフの体現者となるのだ。


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