52 / 91
1章
休憩
しおりを挟む
う、うん……。
眩しい……。
寝ていたら、カーテン閉め忘れてて太陽光が差し込んで来たような、無理やり覚醒を促されるような感覚。
嫌々目を開けてみると、そこは馬の上で、空には太陽が出ていた。
うわぁ、太陽初めて見るかも。
それなんて地底人ってな感想を抱きながら、私は覚醒した。
背後を振り返ると、雲もないのに真っ暗な土地が続いている。
あちらが城のある方角なのだろう。
こんなに太陽が輝いているのに、何故あそこには光が届かないのか。
瘴気とやらが関係しているらしいのだけれど、この世界は私には謎すぎる。
馬がゆっくりと速度を落とす。
「もう着いたの?」
「休憩だ」
ここで休憩をとることになった。
馬にどれだけの時間乗っていたのか、私には分からない。
むしろ馬の上で十分すぎるほど休憩をとった気がするけれど、私じゃなくて、馬の休憩だ。
馬は私が寝てる間にもずっと走っていたし、アンデッドでもないので、疲れるのだ。
当り前だけれど、周囲をアンデッドに囲まれていると、そこら辺の感覚がおかしくなりそうだ。
それにしても、よく馬の上でのんびり寝てられたよな。
馬に乗り慣れてないとお尻が痛くなるって話を聞いたことがあるけれど、お尻は特に痛くない。
馬の走り方が良かったのか、クリスの支え方が良かったのか、ステータスが上昇しているのでお尻が頑丈になっているのか。
よく分からないけれど、まあきっと異世界の不思議パワーなのだろう。
休憩時間なのでお弁当を食べよう。
馬もクリスが与えた水を飲んでいる。
バケツの中に首を突っ込んでぶひぶひ言いながら飲んでる。
今日のお弁当のメインは牛肉のトマト煮込みだ。
程よい酸味が牛肉とよく合って美味しい。
パンともよく合う。
お弁当っていうとお米のイメージがあるんだけど、特に指定しないとパンが出てくる時もある。
私はお米もパンも好きなので、料理に合わせてどちらかを出してくれれば満足だ。
冷めてても美味しいな、これ。
牛肉のトマト煮込みなんて料理は、この世界に来てから初めて食べたかもしれない。
前のコックだったスケルトンには、この料理は作ってもらっていないので、比べることもなく純粋に味わうことが出来た。
美味しい。
うん、普通に美味しいんだよな、新しいコックも。
これで何かが違うとか、どんだけ贅沢なんだよって話だ。
私のことだけど。
馬も草をもしゃもしゃと食べていた。
もしゃもしゃ。
もしゃもしゃ。
美味しそうに食べている。草を。
馬の味覚ってどうなってるんだろうね。
草食べて美味しいの?
それを言うなら人間以外の動物全部に言えるわけだけどさ。
それにまあ、人間だって野菜は食べるわけだし、大枠で見れば草を食べてるのとそれほど変わらない…のか?
可愛いな、馬。
普通の馬よりでっかいし、迫力があって近くで見ると少し怖いけど、可愛い。
そもそも私は動物が好きなんだ。
だからテイムのスキルを選んだわけだし。
そう考えて、牛肉を口に詰めようとしていた私の手がピタリと止まる。
あれ? この世界に来てもう三か月も経つよね?
もふもふ要素少な過ぎない?
今日初めて動物と触れ合ったよ?
家畜を飼うために、餌になる穀物の量を心配したりしてたけど、まだ少し余裕があるんだから、小動物の一匹や二匹飼えない?
あれ?
テイムの使い方、目的が変わり過ぎてない?
最初はもふもふのためだったのに、今となっては骸骨の城を守るための戦力集めをしようとしてる。
なんか、こう、思ってたのと違うな。
この馬テイムしちゃダメ?
駄目か。
借り物だもんね、これ。
普通の動物がテイム出来るのか知らないけど。
小動物なら飼っても良い?
なんか親にペットをねだる子供みたいになってるな、私。
主は私なんだから、飼うって決めちゃえばそうなるんだろうけど。
クリスから許可も出たので、どこかで動物を探して来よう。
せっかく墓地を抜け出して来たんだし、帰り道にでも見つかれば良いな。
そうすればそのまま連れて帰ってもふもふ出来る。
私はもふもふ異世界ほのぼのライフの体現者となるのだ。
眩しい……。
寝ていたら、カーテン閉め忘れてて太陽光が差し込んで来たような、無理やり覚醒を促されるような感覚。
嫌々目を開けてみると、そこは馬の上で、空には太陽が出ていた。
うわぁ、太陽初めて見るかも。
それなんて地底人ってな感想を抱きながら、私は覚醒した。
背後を振り返ると、雲もないのに真っ暗な土地が続いている。
あちらが城のある方角なのだろう。
こんなに太陽が輝いているのに、何故あそこには光が届かないのか。
瘴気とやらが関係しているらしいのだけれど、この世界は私には謎すぎる。
馬がゆっくりと速度を落とす。
「もう着いたの?」
「休憩だ」
ここで休憩をとることになった。
馬にどれだけの時間乗っていたのか、私には分からない。
むしろ馬の上で十分すぎるほど休憩をとった気がするけれど、私じゃなくて、馬の休憩だ。
馬は私が寝てる間にもずっと走っていたし、アンデッドでもないので、疲れるのだ。
当り前だけれど、周囲をアンデッドに囲まれていると、そこら辺の感覚がおかしくなりそうだ。
それにしても、よく馬の上でのんびり寝てられたよな。
馬に乗り慣れてないとお尻が痛くなるって話を聞いたことがあるけれど、お尻は特に痛くない。
馬の走り方が良かったのか、クリスの支え方が良かったのか、ステータスが上昇しているのでお尻が頑丈になっているのか。
よく分からないけれど、まあきっと異世界の不思議パワーなのだろう。
休憩時間なのでお弁当を食べよう。
馬もクリスが与えた水を飲んでいる。
バケツの中に首を突っ込んでぶひぶひ言いながら飲んでる。
今日のお弁当のメインは牛肉のトマト煮込みだ。
程よい酸味が牛肉とよく合って美味しい。
パンともよく合う。
お弁当っていうとお米のイメージがあるんだけど、特に指定しないとパンが出てくる時もある。
私はお米もパンも好きなので、料理に合わせてどちらかを出してくれれば満足だ。
冷めてても美味しいな、これ。
牛肉のトマト煮込みなんて料理は、この世界に来てから初めて食べたかもしれない。
前のコックだったスケルトンには、この料理は作ってもらっていないので、比べることもなく純粋に味わうことが出来た。
美味しい。
うん、普通に美味しいんだよな、新しいコックも。
これで何かが違うとか、どんだけ贅沢なんだよって話だ。
私のことだけど。
馬も草をもしゃもしゃと食べていた。
もしゃもしゃ。
もしゃもしゃ。
美味しそうに食べている。草を。
馬の味覚ってどうなってるんだろうね。
草食べて美味しいの?
それを言うなら人間以外の動物全部に言えるわけだけどさ。
それにまあ、人間だって野菜は食べるわけだし、大枠で見れば草を食べてるのとそれほど変わらない…のか?
可愛いな、馬。
普通の馬よりでっかいし、迫力があって近くで見ると少し怖いけど、可愛い。
そもそも私は動物が好きなんだ。
だからテイムのスキルを選んだわけだし。
そう考えて、牛肉を口に詰めようとしていた私の手がピタリと止まる。
あれ? この世界に来てもう三か月も経つよね?
もふもふ要素少な過ぎない?
今日初めて動物と触れ合ったよ?
家畜を飼うために、餌になる穀物の量を心配したりしてたけど、まだ少し余裕があるんだから、小動物の一匹や二匹飼えない?
あれ?
テイムの使い方、目的が変わり過ぎてない?
最初はもふもふのためだったのに、今となっては骸骨の城を守るための戦力集めをしようとしてる。
なんか、こう、思ってたのと違うな。
この馬テイムしちゃダメ?
駄目か。
借り物だもんね、これ。
普通の動物がテイム出来るのか知らないけど。
小動物なら飼っても良い?
なんか親にペットをねだる子供みたいになってるな、私。
主は私なんだから、飼うって決めちゃえばそうなるんだろうけど。
クリスから許可も出たので、どこかで動物を探して来よう。
せっかく墓地を抜け出して来たんだし、帰り道にでも見つかれば良いな。
そうすればそのまま連れて帰ってもふもふ出来る。
私はもふもふ異世界ほのぼのライフの体現者となるのだ。
10
あなたにおすすめの小説
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
【完結】巻き込まれたけど私が本物 ~転移したら体がモフモフ化してて、公爵家のペットになりました~
千堂みくま
ファンタジー
異世界に幼なじみと一緒に召喚された17歳の莉乃。なぜか体がペンギンの雛(?)になっており、変な鳥だと城から追い出されてしまう。しかし森の中でイケメン公爵様に拾われ、ペットとして大切に飼われる事になった。公爵家でイケメン兄弟と一緒に暮らしていたが、魔物が減ったり、瘴気が薄くなったりと不思議な事件が次々と起こる。どうやら謎のペンギンもどきには重大な秘密があるようで……? ※恋愛要素あるけど進行はゆっくり目。※ファンタジーなので冒険したりします。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる