テイマーは死霊術師じゃありませんっ!

さんごさん

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1章

当たらない

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「テイム! テイム! テイム!」

 なんでっ!?
 どうしてっ!?
 どうなってんのっ!?

 スケルトンナイトに襲われ始めてどれくらい経つだろうか。
 いまだに二体目のスケルトンナイトのテイムに手こずっていた。

 テイムは予備動作とかもないし、見えないし、一瞬で当たるので避ける暇もないはずなのだけれど、スケルトンナイトはそれを避けて見せた。

 嘘でしょ!?
 一発だけならまだしも、二発、三発撃っても当たらない。

 当たって失敗したならまだ分かるんだけど、当たらないってどういうこと?


「テイム! テイム! テイム!」


 当たらな……あ、一発当たった。

 避けられるって言っても、全部が全部避けられるってわけでもないようだ。

 一度見た技は通用しない!
 とかいう超人的なのだったらどうしようかと思ったよ。

 当たるならその内テイムは出来るだろうから、多少は安心出来る。

 けどテイムは失敗だ。
 運が悪い。

 私は割と運が良い方だと思うんだけどね。

 宝くじは当たったことがないけれど。
 早死にもしたけれど。

 …………あれ?
 ひょっとして運悪い?

 いやいや、そんなことはないはずだ。
 こっちの世界に来てからは、何不自由なく暮らしてる。

 スケルトンたちをテイムして、クリスもテイムして、お城も手に入れて。
 こんな幸運持ってる人、他にいないんじゃない?

 まあね、当初の目的であるもふもふにはいつまで経っても辿り着けないんだけどさ。

 それで、どうして当たんないの、これ?
 予備動作とかないんだよ?

 テイムって叫ぶけど、叫んでる時には既に撃ってるし。

 殺気?
 私、殺そうとは思ってないよ?

 テイムしたいんだもん。

 殺しちゃったらテイム出来ないじゃん。

 復活出来たとしてもLV下がるし。

 殺気的な何か?
 何かって何?
 気配?

 一体目のスケルトンナイトがあっさりテイムされたから警戒してる?

 まあ、警戒するのは分かるけどさ、気配読んで予備動作もなく目にも見えないスキルを避けるとか、何の達人なの?


「テイム! テイム! テイム!」


 あ、当たった。

 たまに当たるんだよね。
 気配読んだだけじゃ避け切れないってことか。

 私がテイムを放った瞬間、直線上にいたら確実に当たるからね。
 テイムのスキルは目に見えないが、イメージとしてはビームだろうか。

 ビームを当てると、スキルの成功判定が起こる。

 そんな感じなので、射程内にいても直線上からずれると当たらない。

 射程内全体に、面状に効果を及ぼしてくれれば最強だったと思うのだけど、そこまで便利ではないらしい。


「テイム! テイム! テイム!」


 当たった!

 ピコーンと二体目のスケルトンナイトが光り、私を追う足を止める。
 え、っと……残りは……十四体?

 え? そんなにいるの?
 これ、全部テイムするの?

 攻撃避けながら?

 二体テイムするのも結構苦労したのに、あと十四体?

 気が遠くなるよ。

 ガキィン!
 うわっ!
 びっくりした!

 背後から迫ってたスケルトンナイトの剣を、クリスが杖で払ってくれたみたい。
 突然後ろから金属音がしたからびっくりしたよ。

 クリスの杖、それ何で出来てるの?
 何で剣と打ち合っても平気なの?

 見た目は木なのにね。

 っていうか十四体のスケルトンナイトを、私を背負ったまま相手にするって難易度高くない?

 しかも接近されちゃってるから、まともに魔法も使えないし。

 クリスの本職って魔法使いだよね?

 ステータスでもスキル構成でも、接近戦向きじゃなかったと思うんだけど。

 でも、杖のスキルがあるから接近戦も行けるのかな?

 私の印象だと、杖って武器よりも足の悪い人の補助具ってイメージなんだけどね。

 そんなことより、もう、速くて何が何やら……。

 攻撃が飛んで来てるのは分かる。
 スケルトンナイトたちが次から次へと剣を振り下ろして来るのも見える。

 問題はクリスの方で、何をどうやって捌いているのか分からない。

 普通、十四体ものスケルトンナイトに切りかかられたら、杖一本じゃ防ぎ切れないと思うんだけど、私に認識出来ない速さで動いてどうにかしてしまう。

 殺されそうになっているのは分かるから怖いんだけど、不思議と殺される気がしない。
 不思議。


「主よ、呆けている場合ではないぞ」

「あ、うん、そうだね」


 クリスに言われて私のやるべきことを思い出す。

 スケルトンナイトの多い方に向けて、適当にテイムを放ちまくった。
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