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眩しくて目を開けると、カーテンの隙間から光が漏れていた。
あー、もう朝か。
なんだか懐かしい夢を見たな・・・。
師匠との出会いは、今思い出しても散々だったよね。
とその時『ぐー』とお腹が鳴った。
そう言えば、昨日は飲んでばっかりで、あんまり食べてなかったな。
・・・何か作りに行くか。
そう思い、ある程度の身なりを整えてから部屋を出た。
1階の共同スペースへ行くと同期のアルトが本を読んでいたので声を掛けたのだ。
「おはよう。他のみんなはいないの?」
アルトは本から顔を上げると『あれ?いつの間にかいなくなってる。みんな何処に行ったんだろ?』と不思議そうな顔をしていた。
アルトは、あまり人に興味がないのか、無関心だ。
詮索されたくない事情がある私には、一緒にいて楽な存在だったりする。
私は『そっか』と返事をし話題を変え、何を読んでいるのかを聞いてみた。
「これは人体構造の本だよ。なかなか面白いからアレンも読む?」
「あー、せっかくだけど遠慮しておくよ」
読んでも意味が分からないに違いないと思ったのだ。
アルトは話に興味をなくしたようで、本へと視線を戻した。
さぁ、何を作ろうかな。
氷室へ行くのは面倒だし、ここにある物で作るか。
この寮は、食材を自由に使っていいのだ。
毎月、賃料と一緒にみんな定額で引かれている。
食材の補充、入れ替えは家主がしてくれるので、よっぽどの物でなければ、買い物に行かなくても大丈夫なのだ。
だから、使わないと勿体ないと分かってはいるのだが、自分で作らなくてはならないので、利用しない人の方が多かったりする。
まぁ、後片付けもしなきゃいけないし、面倒ではあるよね。
私だって、お金があれば外食したい。
さっそく、野菜籠を見てニンニクと鷹の爪を取った。
簡単で食欲をそそる、ペペロンチーノを作ろうと思う。
パスタを塩茹でしている間に、ニンニクをスライスしてフライパンで鷹の爪と一緒にオリーブオイルで炒めていく。
うん、ニンニクのいい香りがしてきたな。
そう思ったのは私だけじゃなかったみたいで、アルトが聞いて来たのだ。
「すごく美味しそうな匂いがする。
ボクも食べたいな」
「うん、いいけど。
じゃあアルトも手伝ってくれない?」
アルトは本に栞を挟み『何する?』と近寄って来た。
アルトは男性にしては小柄で、私とあまり体格が変わらない。
だからちょっと安心する。
ビルもゲイルも私より頭一個分大きいので、一緒にいると小さいのが目立ち、バレるのでは?とヒヤヒヤするのだ。
そうして、私達はサラダを一品増やそうと決めた。
アルトには外の地下倉庫にある氷室へと、材料を取りに行ってもらったのだ。
暫くして戻って来たアルトの手には、レタス、トマト、キュウリ、そしてベーコンがあった。
「ねぇ、アレン。ベーコンもその中に入れようよ」
フライパンを指差している。
アルトにサラダを任せて、私はベーコンを切って温める程度に火を通す。
パスタをフライパンに投入して絡めたら完成だ。
アルトを見るとキュウリを切っていた。
とても包丁捌きが上手なので、普段から料理をしているのだろう。
そうして出来上がった料理を、冷めないうちに二人で食べる。
アルトは黙々と食べているので、世間話を振ってみたのだ。
「明日から適正訓練が始まるけど、アルトは希望とかあるの?」
「ボクは騎馬隊がいいな。馬が好きだし」
騎士にも接近戦が得意な者、弓が得意な者など、個々の特性を最大限に引き出せる部へと配属されるのだ。
全部で3つの部を1週間ずつ研修をしてから、配属が決まる仕組みとなっている。
「アレンの希望は?」
「私は弓がいいかな。
重騎士だと体格が足りないからね」
「確かに。ボク達には厳しいかもね」
アルトはもう食べ終わったようで、食器を片付けている。
体格は変わらなくても、こういう所で男女の差が分かるのはマズイ。
もっと早く食べなくては。
私は味わうと言う事を捨てて、ひたすらに口へと運んだのだった。
それに、この1週間はバタバタしていて、外食ばかりだったから気が付かなかったけれど、自炊だと、これが当たり前になるんだよな。
男装する前は、髪を切ればなんとかなる!
なんて楽観的に考えていたけど、いざしてみると、気にしなきゃいけない事が増えて、気が休まらない。
でも、だからと言って、部屋に籠るのも悪目立ちして、却って良くないだろうし・・・。
やっぱり、男らしくなれるように1つずつ頑張るしかないよね。
さぁ、まずは早食いだ!
最後の一口を掻き込んで、食器を洗いに行く。
アルトはソファへ戻り、本の続きを読むようだ。
私は片付けが終わり、街へと買い物に行く事にしたのだった。
やっぱり、王都は私の町と違って、色々なお店が並んでいる。
お店も露店や屋台ではなく、しっかりとした店構えの建物ばかりだ。
色々と見ながら歩いていたら、目的の物を売っているお店を見つけたのである。
今日は家族と師匠に出す便箋を買いに来たのだ。
家族には女性らしい便箋でないとダメなので、花柄の物にする。
だが今の見た目だと、これだけ買うのも気が引けるので、シンプルな物も合わせて購入したのだった。
そうこうしている内に、帰る頃には、もう日が傾いていた。
起きたのが遅かったから仕方がないけど、1日潰しちゃったな。
そう思い夕飯の献立を考えながら、帰路に就いたのであった。
その後、共用スペースに行くと、ビルやゲイルもいて、みんなで料理を作る事にした。
ビルは家でもやっていたのか、すごく手際良く作っていくのに対して、ゲイルは全くの初心者だったのだ。
塩と砂糖を間違えるのだから、洒落にならない。
ゲイルには野菜を毟らせておき、私とビルで作っていく。
夕飯はビルの自家製シチューとゲイルが毟ったサラダにカンパーニュだ。
鶏肉とトマトで煮込んだ物なのだが、肉がほろほろとしていて、今まで食べてきた物よりもコクがあって美味しい。
作っている時に、ビルが葉っぱを千切って入れていたので、聞いてみると『これを入れると入れないとでは、コクが全く違うんだよ』と言っていたのだが、なるほど、と納得する一品だった。
その後、みんなで食べていると、アルトがやって来て『食べたい』と言うので、片付けを任せる事で手を打ったのだった。
そして、早食いを意識していたら、みんなは既に御代わりをしているではないか。
早食いに大食いも追加だな。
と心に留めた、夕食会となったのであった。
あー、もう朝か。
なんだか懐かしい夢を見たな・・・。
師匠との出会いは、今思い出しても散々だったよね。
とその時『ぐー』とお腹が鳴った。
そう言えば、昨日は飲んでばっかりで、あんまり食べてなかったな。
・・・何か作りに行くか。
そう思い、ある程度の身なりを整えてから部屋を出た。
1階の共同スペースへ行くと同期のアルトが本を読んでいたので声を掛けたのだ。
「おはよう。他のみんなはいないの?」
アルトは本から顔を上げると『あれ?いつの間にかいなくなってる。みんな何処に行ったんだろ?』と不思議そうな顔をしていた。
アルトは、あまり人に興味がないのか、無関心だ。
詮索されたくない事情がある私には、一緒にいて楽な存在だったりする。
私は『そっか』と返事をし話題を変え、何を読んでいるのかを聞いてみた。
「これは人体構造の本だよ。なかなか面白いからアレンも読む?」
「あー、せっかくだけど遠慮しておくよ」
読んでも意味が分からないに違いないと思ったのだ。
アルトは話に興味をなくしたようで、本へと視線を戻した。
さぁ、何を作ろうかな。
氷室へ行くのは面倒だし、ここにある物で作るか。
この寮は、食材を自由に使っていいのだ。
毎月、賃料と一緒にみんな定額で引かれている。
食材の補充、入れ替えは家主がしてくれるので、よっぽどの物でなければ、買い物に行かなくても大丈夫なのだ。
だから、使わないと勿体ないと分かってはいるのだが、自分で作らなくてはならないので、利用しない人の方が多かったりする。
まぁ、後片付けもしなきゃいけないし、面倒ではあるよね。
私だって、お金があれば外食したい。
さっそく、野菜籠を見てニンニクと鷹の爪を取った。
簡単で食欲をそそる、ペペロンチーノを作ろうと思う。
パスタを塩茹でしている間に、ニンニクをスライスしてフライパンで鷹の爪と一緒にオリーブオイルで炒めていく。
うん、ニンニクのいい香りがしてきたな。
そう思ったのは私だけじゃなかったみたいで、アルトが聞いて来たのだ。
「すごく美味しそうな匂いがする。
ボクも食べたいな」
「うん、いいけど。
じゃあアルトも手伝ってくれない?」
アルトは本に栞を挟み『何する?』と近寄って来た。
アルトは男性にしては小柄で、私とあまり体格が変わらない。
だからちょっと安心する。
ビルもゲイルも私より頭一個分大きいので、一緒にいると小さいのが目立ち、バレるのでは?とヒヤヒヤするのだ。
そうして、私達はサラダを一品増やそうと決めた。
アルトには外の地下倉庫にある氷室へと、材料を取りに行ってもらったのだ。
暫くして戻って来たアルトの手には、レタス、トマト、キュウリ、そしてベーコンがあった。
「ねぇ、アレン。ベーコンもその中に入れようよ」
フライパンを指差している。
アルトにサラダを任せて、私はベーコンを切って温める程度に火を通す。
パスタをフライパンに投入して絡めたら完成だ。
アルトを見るとキュウリを切っていた。
とても包丁捌きが上手なので、普段から料理をしているのだろう。
そうして出来上がった料理を、冷めないうちに二人で食べる。
アルトは黙々と食べているので、世間話を振ってみたのだ。
「明日から適正訓練が始まるけど、アルトは希望とかあるの?」
「ボクは騎馬隊がいいな。馬が好きだし」
騎士にも接近戦が得意な者、弓が得意な者など、個々の特性を最大限に引き出せる部へと配属されるのだ。
全部で3つの部を1週間ずつ研修をしてから、配属が決まる仕組みとなっている。
「アレンの希望は?」
「私は弓がいいかな。
重騎士だと体格が足りないからね」
「確かに。ボク達には厳しいかもね」
アルトはもう食べ終わったようで、食器を片付けている。
体格は変わらなくても、こういう所で男女の差が分かるのはマズイ。
もっと早く食べなくては。
私は味わうと言う事を捨てて、ひたすらに口へと運んだのだった。
それに、この1週間はバタバタしていて、外食ばかりだったから気が付かなかったけれど、自炊だと、これが当たり前になるんだよな。
男装する前は、髪を切ればなんとかなる!
なんて楽観的に考えていたけど、いざしてみると、気にしなきゃいけない事が増えて、気が休まらない。
でも、だからと言って、部屋に籠るのも悪目立ちして、却って良くないだろうし・・・。
やっぱり、男らしくなれるように1つずつ頑張るしかないよね。
さぁ、まずは早食いだ!
最後の一口を掻き込んで、食器を洗いに行く。
アルトはソファへ戻り、本の続きを読むようだ。
私は片付けが終わり、街へと買い物に行く事にしたのだった。
やっぱり、王都は私の町と違って、色々なお店が並んでいる。
お店も露店や屋台ではなく、しっかりとした店構えの建物ばかりだ。
色々と見ながら歩いていたら、目的の物を売っているお店を見つけたのである。
今日は家族と師匠に出す便箋を買いに来たのだ。
家族には女性らしい便箋でないとダメなので、花柄の物にする。
だが今の見た目だと、これだけ買うのも気が引けるので、シンプルな物も合わせて購入したのだった。
そうこうしている内に、帰る頃には、もう日が傾いていた。
起きたのが遅かったから仕方がないけど、1日潰しちゃったな。
そう思い夕飯の献立を考えながら、帰路に就いたのであった。
その後、共用スペースに行くと、ビルやゲイルもいて、みんなで料理を作る事にした。
ビルは家でもやっていたのか、すごく手際良く作っていくのに対して、ゲイルは全くの初心者だったのだ。
塩と砂糖を間違えるのだから、洒落にならない。
ゲイルには野菜を毟らせておき、私とビルで作っていく。
夕飯はビルの自家製シチューとゲイルが毟ったサラダにカンパーニュだ。
鶏肉とトマトで煮込んだ物なのだが、肉がほろほろとしていて、今まで食べてきた物よりもコクがあって美味しい。
作っている時に、ビルが葉っぱを千切って入れていたので、聞いてみると『これを入れると入れないとでは、コクが全く違うんだよ』と言っていたのだが、なるほど、と納得する一品だった。
その後、みんなで食べていると、アルトがやって来て『食べたい』と言うので、片付けを任せる事で手を打ったのだった。
そして、早食いを意識していたら、みんなは既に御代わりをしているではないか。
早食いに大食いも追加だな。
と心に留めた、夕食会となったのであった。
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