王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!

こさか りね

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季節が春から夏へと変わろうとしている。そんなに暑くも無く、過ごしやすい日だった。

そして今日は、待ちに待った、お友達を呼ぶお茶会の日だ。
私も、母と一緒に準備を頑張ったのだ。

お客様はメルティアとアグネス。
アグネスは寮の為、うちの馬車で迎えに行ってもらっている。

最終確認が終わった頃、マルティネス家の馬車が到着した。
兄にエスコート役をしてくれる様に事前に頼んだのだ。

「やぁ、メルティア譲。久しぶりだが、元気にしていたかい?」
「はい。お久しぶりでございます。エスコート、ありがとうございます。」

兄が挨拶をすると、メルティアの態度がガラッと変わった。

あれ?メルが頬を染めているのだが・・・?
どう見ても恋する乙女に見える。

もし兄と結婚してくれたら、メルが本当のお姉さんになるじゃない!
・・・はぁ、すごくいいわ!

フェアリエルが一足も二足も飛ばした思考を巡らせている事に、当然気付かない二人は、挨拶をして先に会場へと向かって行った。

そして、しばらくして門が開き、家の馬車が帰って来た。

扉を開け、うちの執事が馬車からエスコートをしてくれる。

「いらっしゃいアグネス、今日は来てくれてありがとう!道中問題はなかった?」
「お招きいただきありがとうございます。エルのおかげで、とても快適だったわ」

そうして会場へと向かい、庭にあるガゼボへ着いたのだ。

兄とメルティアが席に着いているので、私達も座る。
再度挨拶を交わし、お茶会のスタートだ。

楽しめる様にと、色とりどりのお菓子を用意したのだ。
メルティアもアグネスもとても喜んでくれている。

頑張った甲斐があったわ!

そこに、父と母がやって来た。

みんなに挨拶をして父と戻ろうとする母。
ここに居続けたい父。
二人の攻防が密かに行われている事に、私達兄妹はすぐに気付いた。

母は顔や態度には出さないが、父の行動にイライラしていると思う。

私は『お父様!もう、これ以上は止めて!後が大変よ!』と、言いたいが二人がいる手前、言えない。
もどかしい私の心の叫びが通じたのか、気持ちを察した兄が動いた。

「父上、仕事の続きをしに一緒に参りましょう。
みなさん、仕事の為、退席する事をお許しください。
この後も、楽しんでいってくださいね。」

父は笑顔の兄と母に連れて行かれた。

一応言っておくが、父は家ではこんなだが、外では全く違うのだ。
家族が絡むとこうなるのだが、また母に叱られていないかと子供ながらに心配になる。

そうして気付けば、私達三人となっていた。

これは女子会よね?
女子会と言ったら恋バナだわ。みんなに少し聞いてみましょう。

「ねぇ、二人は好ましい方や気になる方はいたりする?」

「うーん、いたらきっと楽しいとは思うけれど、私はこちらの生活にまだ慣れてなくて。
実際、それどころではないわ」とアグネス。

「じゃあメルは?」
「私?・・・そうねぇ、学園にはいないわね」
やはり兄が好きなのかな?もう少し掘り下げて聞いてみる。

「・・・その言い方は他にいるって事?」
「!?いや、その、えーっと、素敵だなって思う方はいるけど。って、恥ずかしいからもう終りね!
そういうエルは、殿下とどうなの?いつも私達と一緒にいるけど平気?」

藪蛇やぶへびでた。

「私は大丈夫よ!毎月のお茶会行ってるし!」

何もなさ過ぎて、茶会の事しか思い浮かばない。

「それ、月に1回でしょ?
学園で話しているの見た事ないけれど。」

メルティアの追及が始まりしていたら
『私達の事は大丈夫だから、殿下をランチに誘って、二人で行ってきたら?きっと、喜ぶわよ』
とアグネスが笑顔で提案してくれる。

でも、それはいらない提案です。
・・・殿下、喜びません。

「うーん。・・・じゃあいつかね!
今は、みんなと一緒に居たいし、殿下の都合もあると思うし。
だからね、今は、大丈夫なの!」
になりながら、返事をしたのだった。

みんな心配してくれているのは分かる。
とっても嬉しい。けれど、心配する所はそこじゃないの・・・。

言いたいけど、言えない。

恋バナ出来ない私が、恋バナの話を振ってはいけかったのだ。
と痛感した女子会となった。


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