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私は、両親に話を聞く為に談話室へと向かった。
「お父様お母様、ただいま戻りました。
お兄様から話があると聞いています」
「おかえり。アルマの話なんだが、私よりもベルの方が詳しいだろう。
ベル、お願いできるか?」
母は一度頷き、静かに口を開いた。
「ええ。分かりました。
アルマはね、獣人と言う種族なのよ。私も、嫁ぐ前に見た本に書いてあった事だから、うろ覚えなのだけれど、話すわね。
獣人は人より身体能力、生命力が高い種族なの。
成長速度も早いと書いてあったわ。
エルはアルマを何歳だと思った?」
「そうですね、私と同じくらいでしょうか?」
「アルマ自身も、詳しくは分からない様なのだけれど、11歳だと言っていたわ」
「!?11歳ですか?」
成人にしては小柄だな、と思ってはいたが、11とは思いもしなかった。
「ええ。そして獣人の中でも、いくつか種類がある様なの。
本にはウサギとクマの獣人の姿が描いてあったわ。
・・・アルマは、猫に、なるのかしら?」
「私も猫だと思いました」
絶対に猫だと確信があったので、コクリと頷いたのだ。
「そうよね。種類によって、特殊な能力を発揮する、とも書いてあったわ。
今話したことが獣人の特徴よ」
「そうなのですね。あの、アルマは、一体何処から来たのでしょうか?」
すると、母は難しい顔をしながら『【遥か彼方に獣人達の楽園が存在する】とあったわ』と一言告げて来た。
「楽園とは・・・。
要するに、本の著者も、定かではないという事ですか?」
「そうね。私も、エルと同じ見解よ。
そして、私が覚えている事は、今、説明した事で以上となるわ」
私は『ありがとうございます』と母に伝えた。そして、母の話を最後まで口を挟まずに聞いていた父が、口を開いたのだ。
「ベル、ありがとう。
では、これから先の話をするよ。獣人を知らなかったのは私とアディ。
もちろん、エルも知らないだろう?」
前世では、架空の創造物として知っているが、今世では聞いた事もない。
「はい。お父様」
「でも、ベルは知っている。
・・・これは何かあるのかと思ってね。
陛下に獣人の話をしようと思っているんだ。
アルマが望めば、帰す事も出来るかもしれないだろう?」
確かに。
その方がアルマにとっても良いのかもしれない・・・。
そして私は、父に提案をしたのだ。
「そうですわね。あと、お父様?
ウィルフォード様に話しても良いでしょうか?
王宮にある本を殆ど完読しているので、何か知っているのでは、と思うのです」
父は、しばし思案した後、頷きながら返して来たのだった。
「殿下なら大丈夫だろう。だが、余り広めたくはない。
殿下には、その事をご理解いただく様に、と伝えなさい。
それと、今アディが一緒に、アルマの家へと向かっている。
万が一、何かあれば、うちで引き受ける事も考えているんだ。
もちろん、アルマの意思を尊重するがね。
エルも、その心づもりでいて欲しい」
「分かりました。私も何か分かりましたら報告しますね。」
「ああ。よろしく頼むよ」
その後、談話室を出て自室へと戻る。
明日、ウィルフォードに聞きたいが、学園で話す内容ではない。
後日、時間を作ってもらえる様に、話をしてみましょう。
それと、メルティアとアグネスにも話さなくては。
今日は色々と協力してくれたのだ。何も話さない訳にはいかないし、二人ともアルマの姿を見ている。
獣人の事は話せないが、それ以外の事を伝えよう。
そう決めたフェアリエルであった。
【次の日】
学園へ行き、ウィルフォードに時間を作ってほしいと伝えた。
そうしたら明日、学園が終わった後に一緒に王宮へ行く事となったのだ。
そして、お昼時間になり二人に話す。
念のため、周りに人がいない事を確認をしたのだ。
「二人とも、昨日はありがとう。二人がいてくれて助かったわ」
そう切り出した私に、メルティアが返して来たのだ。
「エルのせいではないでしょう?当たり前の事をしたまでよ。
お礼はいらないわ。それより、その後、大丈夫だったの?」
「今のところは大丈夫よ。お兄様が一緒に彼の家へと行っているの。
帰ってくるまでは、まだ分からないわ。何か分かれば二人にも話すわね。
・・・あと、この事は他言無用でお願いしたいの」
「ええ。もちろんよ。エルのお父様も、おっしゃっていたものね。約束は守るわ」
とアグネスが言い、2人とも頷いてくれたのだった。
そう、昨日の騒動の時、父が会場に居合わせた人に話しをしたのである。
そして、私は昨日の事を思い出したのだ・・・
※ーーー※ーーー※ーーー※ーーー※ ーーー※ーーー※
「この事は他言無用でお願いしたい。今、見たものは全て、夢だと思ってくれ。
これは皆の為に言っているのだ。
もしかしたら、この話をする事によって、騒動に巻き込まれる可能性があるかもしれない。
・・・まぁ、それでも、本人が良いと言うのであれば、それは致し方ない事ではある。
だが一つ、彼は私達に危害を加えた訳ではない。
何の罪もない者を否定し、拒絶する事は、神の教えにある慈悲に反する行為ではないだろうか。
それに私も、初めての出来事で戸惑っている。
だが、そんな私よりも彼の方が戸惑い、不安であろう。
だから私は、彼の為、また、神の教えの下に最善を尽くすつもりだ。
皆、この件を、私に任せてはくれないだろうか・・・」
※ーーー※ーーー※ーーー※ーーー※ ーーー※ーーー※
と、回想に浸っていたが、会話に意識を戻す。
「ありがとう。お兄様は15日前後で戻ってくる予定なの。
それ以降に、一度、うちへ来てもらえないかしら?その時に話せれば、と思うわ」
そうして二人は了承してくれたのだった。
【そして、また次の日】
学園終了後、一緒に王宮へと向かう。
到着し、ウィルフォードがエスコートをしてくれた。
近くにハーパーさんがいたので、軽く会釈をする。
図書室に着き早速、先日の件をウィルフォードに話したのだ。
「ああ。実は昨日、父から聞いている。公爵から報告があったそうだ。
父は、心当たりがないと言っていたが、俺は以前、ここで獣人と書かれた本を見た記憶がある。
だが、当時の知りたい内容とは違っていた為に、パラパラと捲っただけで、詳しくは読んでいないんだ。
その事を父に話したら、その本を探す様に、と言われたんだよ」
父の仕事の速さに驚くが、それよりも、獣人の本を見た事があると言う、ウィルフォードの言葉にやる気が満ちた。
ここに、必ずあると言う確信が持てたからだ。
「そうなのね。では、私も一緒に手伝ってもいいかしら?」
「ありがとう。では、これから一緒に探そうか」
そうしてウィルフォードと手分けをして探す。
図書室と書庫の本があるが、今日は図書室の本を調べる事にした。
膨大な本の数で気が遠くなりそうだが、一生懸命に読み進める。
だが、獣人の単語すら見当たらない。
時間だけが、空しく過ぎていく。
そして、あっという間に時間となり、その日は探すのを終了したのであった。
「明日から、学園が終わった後に、毎日来てもいいかしら?」
私が問いかけると、ウィルフォードは本を片付けながら、答えてくれたのだ。
「大丈夫だ。だが、俺も毎日探す時間が取れる訳ではないので、書庫へと入室出来る様に、父へ伝えておく。
もし、難しい場合は、俺がいる時にお願いしたい」
そうよね・・・。
書庫には基本、王族しか立ち入れない。
私は、ウィルフォードの婚約者で、少なからず王家の血を引いている為、結婚前でも、特別にウィルフォードがいる時だけ入室を許されているのだ。
「分かったわ。許可が出るまでは、図書室の本を調べてみるわね。
調べ終わった所には、本の背表紙に、分かり易くメモを挟んでおくわ」
「そうだな、分かった。
・・・もう遅くなってしまったな。馬車まで一緒に行こうか」
兄が帰って来るまで、予定では後13日。
それまでに探し出せたら、いいけれど・・・。
・・・頑張るしかないわね。
そうして馬車へと乗り込むのであった。
「お父様お母様、ただいま戻りました。
お兄様から話があると聞いています」
「おかえり。アルマの話なんだが、私よりもベルの方が詳しいだろう。
ベル、お願いできるか?」
母は一度頷き、静かに口を開いた。
「ええ。分かりました。
アルマはね、獣人と言う種族なのよ。私も、嫁ぐ前に見た本に書いてあった事だから、うろ覚えなのだけれど、話すわね。
獣人は人より身体能力、生命力が高い種族なの。
成長速度も早いと書いてあったわ。
エルはアルマを何歳だと思った?」
「そうですね、私と同じくらいでしょうか?」
「アルマ自身も、詳しくは分からない様なのだけれど、11歳だと言っていたわ」
「!?11歳ですか?」
成人にしては小柄だな、と思ってはいたが、11とは思いもしなかった。
「ええ。そして獣人の中でも、いくつか種類がある様なの。
本にはウサギとクマの獣人の姿が描いてあったわ。
・・・アルマは、猫に、なるのかしら?」
「私も猫だと思いました」
絶対に猫だと確信があったので、コクリと頷いたのだ。
「そうよね。種類によって、特殊な能力を発揮する、とも書いてあったわ。
今話したことが獣人の特徴よ」
「そうなのですね。あの、アルマは、一体何処から来たのでしょうか?」
すると、母は難しい顔をしながら『【遥か彼方に獣人達の楽園が存在する】とあったわ』と一言告げて来た。
「楽園とは・・・。
要するに、本の著者も、定かではないという事ですか?」
「そうね。私も、エルと同じ見解よ。
そして、私が覚えている事は、今、説明した事で以上となるわ」
私は『ありがとうございます』と母に伝えた。そして、母の話を最後まで口を挟まずに聞いていた父が、口を開いたのだ。
「ベル、ありがとう。
では、これから先の話をするよ。獣人を知らなかったのは私とアディ。
もちろん、エルも知らないだろう?」
前世では、架空の創造物として知っているが、今世では聞いた事もない。
「はい。お父様」
「でも、ベルは知っている。
・・・これは何かあるのかと思ってね。
陛下に獣人の話をしようと思っているんだ。
アルマが望めば、帰す事も出来るかもしれないだろう?」
確かに。
その方がアルマにとっても良いのかもしれない・・・。
そして私は、父に提案をしたのだ。
「そうですわね。あと、お父様?
ウィルフォード様に話しても良いでしょうか?
王宮にある本を殆ど完読しているので、何か知っているのでは、と思うのです」
父は、しばし思案した後、頷きながら返して来たのだった。
「殿下なら大丈夫だろう。だが、余り広めたくはない。
殿下には、その事をご理解いただく様に、と伝えなさい。
それと、今アディが一緒に、アルマの家へと向かっている。
万が一、何かあれば、うちで引き受ける事も考えているんだ。
もちろん、アルマの意思を尊重するがね。
エルも、その心づもりでいて欲しい」
「分かりました。私も何か分かりましたら報告しますね。」
「ああ。よろしく頼むよ」
その後、談話室を出て自室へと戻る。
明日、ウィルフォードに聞きたいが、学園で話す内容ではない。
後日、時間を作ってもらえる様に、話をしてみましょう。
それと、メルティアとアグネスにも話さなくては。
今日は色々と協力してくれたのだ。何も話さない訳にはいかないし、二人ともアルマの姿を見ている。
獣人の事は話せないが、それ以外の事を伝えよう。
そう決めたフェアリエルであった。
【次の日】
学園へ行き、ウィルフォードに時間を作ってほしいと伝えた。
そうしたら明日、学園が終わった後に一緒に王宮へ行く事となったのだ。
そして、お昼時間になり二人に話す。
念のため、周りに人がいない事を確認をしたのだ。
「二人とも、昨日はありがとう。二人がいてくれて助かったわ」
そう切り出した私に、メルティアが返して来たのだ。
「エルのせいではないでしょう?当たり前の事をしたまでよ。
お礼はいらないわ。それより、その後、大丈夫だったの?」
「今のところは大丈夫よ。お兄様が一緒に彼の家へと行っているの。
帰ってくるまでは、まだ分からないわ。何か分かれば二人にも話すわね。
・・・あと、この事は他言無用でお願いしたいの」
「ええ。もちろんよ。エルのお父様も、おっしゃっていたものね。約束は守るわ」
とアグネスが言い、2人とも頷いてくれたのだった。
そう、昨日の騒動の時、父が会場に居合わせた人に話しをしたのである。
そして、私は昨日の事を思い出したのだ・・・
※ーーー※ーーー※ーーー※ーーー※ ーーー※ーーー※
「この事は他言無用でお願いしたい。今、見たものは全て、夢だと思ってくれ。
これは皆の為に言っているのだ。
もしかしたら、この話をする事によって、騒動に巻き込まれる可能性があるかもしれない。
・・・まぁ、それでも、本人が良いと言うのであれば、それは致し方ない事ではある。
だが一つ、彼は私達に危害を加えた訳ではない。
何の罪もない者を否定し、拒絶する事は、神の教えにある慈悲に反する行為ではないだろうか。
それに私も、初めての出来事で戸惑っている。
だが、そんな私よりも彼の方が戸惑い、不安であろう。
だから私は、彼の為、また、神の教えの下に最善を尽くすつもりだ。
皆、この件を、私に任せてはくれないだろうか・・・」
※ーーー※ーーー※ーーー※ーーー※ ーーー※ーーー※
と、回想に浸っていたが、会話に意識を戻す。
「ありがとう。お兄様は15日前後で戻ってくる予定なの。
それ以降に、一度、うちへ来てもらえないかしら?その時に話せれば、と思うわ」
そうして二人は了承してくれたのだった。
【そして、また次の日】
学園終了後、一緒に王宮へと向かう。
到着し、ウィルフォードがエスコートをしてくれた。
近くにハーパーさんがいたので、軽く会釈をする。
図書室に着き早速、先日の件をウィルフォードに話したのだ。
「ああ。実は昨日、父から聞いている。公爵から報告があったそうだ。
父は、心当たりがないと言っていたが、俺は以前、ここで獣人と書かれた本を見た記憶がある。
だが、当時の知りたい内容とは違っていた為に、パラパラと捲っただけで、詳しくは読んでいないんだ。
その事を父に話したら、その本を探す様に、と言われたんだよ」
父の仕事の速さに驚くが、それよりも、獣人の本を見た事があると言う、ウィルフォードの言葉にやる気が満ちた。
ここに、必ずあると言う確信が持てたからだ。
「そうなのね。では、私も一緒に手伝ってもいいかしら?」
「ありがとう。では、これから一緒に探そうか」
そうしてウィルフォードと手分けをして探す。
図書室と書庫の本があるが、今日は図書室の本を調べる事にした。
膨大な本の数で気が遠くなりそうだが、一生懸命に読み進める。
だが、獣人の単語すら見当たらない。
時間だけが、空しく過ぎていく。
そして、あっという間に時間となり、その日は探すのを終了したのであった。
「明日から、学園が終わった後に、毎日来てもいいかしら?」
私が問いかけると、ウィルフォードは本を片付けながら、答えてくれたのだ。
「大丈夫だ。だが、俺も毎日探す時間が取れる訳ではないので、書庫へと入室出来る様に、父へ伝えておく。
もし、難しい場合は、俺がいる時にお願いしたい」
そうよね・・・。
書庫には基本、王族しか立ち入れない。
私は、ウィルフォードの婚約者で、少なからず王家の血を引いている為、結婚前でも、特別にウィルフォードがいる時だけ入室を許されているのだ。
「分かったわ。許可が出るまでは、図書室の本を調べてみるわね。
調べ終わった所には、本の背表紙に、分かり易くメモを挟んでおくわ」
「そうだな、分かった。
・・・もう遅くなってしまったな。馬車まで一緒に行こうか」
兄が帰って来るまで、予定では後13日。
それまでに探し出せたら、いいけれど・・・。
・・・頑張るしかないわね。
そうして馬車へと乗り込むのであった。
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