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リリアンナはやり返されてしまったが? *

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彼に痴女と言われても否定できないじゃない……!!
その時、彼の腰がぐっと押し付けられた。瞬間、彼の熱いそれが快楽の神経に触れて身体が跳ねる。びくりと体がはねると、それに気がついたのか殿下がはあ、と熱い息を吐いてその角度で腰を動かし始めた。

「んぅっ!」

「うっ……ぁ、……っ、どう?きみはしてばっかりだったから、つまらなかっただろう?っ……すまなかったね、俺の快楽ばかり優先させてしまったようで?」

(喘ぐか話すかどっちかにしなさいよ!)

相変わらず快楽には弱いらしい。もしかしたら自慰以外の性体験がないのかしら?もちろん私はないけれど。でも王族の男子なら、しかも王太子ならしかるべき機会に|性行為(セックス)の練習があっても……そこまで考えたが、しかし次の瞬間に考えは霧散した。くちゅくちゅと短い水音を立てて互いのその部分を擦られて。声を押されられない。布があってよかった。でなかったらきっと妙な声が出たに違いなーー

「んぅっ……!?」

私の口から布が奪われた!

「は、もう流石に喚く元気は残ってない、よね?それにきみも分かってるはずだ、デスフォワードの、っ王女?ここで騒げば、衛兵が……っぁ、」

「ぁっ、やぁ、んっ……は、あ、えぐか話すか、どっちかにしなさいよっ……!」

しかし私の声も思った以上に甘いそれになってしまった。こんなのもう、いれてないだけで行為そのものだ。やめなければいけないのに、体に力が入らない。へろへろだ。私は声が出ないようにシーツに口元を押し付けた。ムッとした様子の彼がぐりぐりと腰を押し付けながら言う。

「それをきみがっ、言う?っ……は、ぁ、きみだってそんなに喘いで、気持ちいいんだろ?」

「なによそれ!気持ちいいのはあなた、やっ!?……ぁっ………!?……ッ……ーー!」

その時、ぐりぐりと柔らかくてかたいそれが秘芽に押し当てられて、体が抑えようのない快楽に翻弄された。ぴんと手足が伸びて、何も考えられなくなる。痺れるような快楽が広がって、息を詰めた。
それに気がついたのだろう?彼がふ、と小さく笑った。

「イっちゃったんだ?リリアンナ、俺にこれで突かれて?」

「~~~~っ………!」

イってしまった。その言葉が分からないほど純情でも初心でもない。私はその言葉を理解して、自身に起きた状況を理解した。

(私が達してしまった?今ので……!?)

ぼ、と顔をが熱を持つ。恥ずかしくてたまらない。こんな僅かな接触で。黙りこくってしまった私を訝しく思ったのか、ぐっと若干無理のある角度で振り向かされる。首が痛いのよ!

「っ………」

「なに?……へえ?」

へえ、って何。へえって!!
きっと私の顔はトマトに負けず劣らず赤いのだろう。自分のことだもの。なんとなくわかるわ。私は羞恥のあまり涙目のままキッと睨んだ。

「な……っ何をするのよ!」

「うわ、声大きいな。抑えて」

ごもっともだ。ここに今第三者が踏み込まれてはまずい。私は不承不承控えめに反論した。

「何を考えてらっしゃるの……意味がわからないわ」

「ふうん、きみにもそんなしおらしい顔ができるんだ?」

「今のあなた、まるでいじめっ子みたいよ」

「きみが大人しくいじめられるとは思えないけどね」

「そうね。いつもだったら盛大に反撃するところだわ」

「今は?」

「もちろん、今も」

「そうだよね。なんとなく、俺もわかってきたんだ。きみの性格が」

うつ伏せで寝かされながら、手首を抑えられる。あら?あら……あらあらあら?するりと手首になにか紐が巻きついた。驚いて手首を動かそうとすれば、縛られているのか動かせない。まさか!

「あなたっ……」

「まだ、反撃される訳にはいかないんだよね。きみも欲しいんでしょう?俺の子種が」

「なにか語弊があるわ!私は確かにあなたの白い命の源が欲しいけれども!」

「言い方だよ、ほんと」

「あなた自身には微塵も興味が無いのよ!」

「きみさあ、失礼ってよく言われない?」

「なあに?興味あった方が困るんじゃなくて?なにせあなたには婚約者がいらっしゃるのでしょ!婚約者がいるのにこんな不誠実な真似をするなんて、そのお相手が可哀想でならないわ!私なら馬鹿にされたと思ってすぐさま婚約破棄待ったナシよ!王家を蔑ろにした償いはしてもらうわね!」

「どうどうどう」

「馬じゃないわよ!」

(というか、このひとなんでこんなに話してるのに一向に萎えないのよ……っ!!)

「こんな無理やりどうにかしようとするなんて……あなた最低よ!」

「きみが言うの?」

僅かに驚きを込めたような、苦笑するような、 馬鹿にするようなそんな声だった。確かにそれを言われたらぐうの音も出ない。だけどこのままではまずいのは間違いない。
私の股に挟まれたそれは萎むところか未だ硬度を保ったままだ。彼はそのまま私の太ももにはさんでそれをねちゃねちゃと卑猥に動かすと、つぶやくように言った。

「きみが、何を言おうが構わないけど……っ、気が散るから声は押えて」

「気が散るですって!?盛大に散ればいいのよそんなもの!」

「出さないときみも困るんだろ?死にたくないんじゃない?」

「卑怯ですわ!」

「どっちが」

鼻で笑うような馬鹿にした嘲笑を耳元に吹き込まれ、またも背筋がぞくりと震える。これはいけない感覚だ。覚えてはいけない。それなのに、彼の熱が触れる感覚はあまりにも生々しくて、みだらだった。やがて水音が激しくなり、彼がぐっと腰を押し付けてきた。

「ぁ、」

「きゃっ!?」

小さな噴水のように生ぬるい液体が太ももやシーツに飛び散るのがわかる。私は呆然としながらようやくこの行為が終わったことを知る。破瓜されなかったことは良かったけれど、はたしてこれはいいことと言えるのだろうか。処女を散らされなかったのは不幸中の幸いだ。
殿下はそのまま小さく息を吐いて呼吸を整えた後、ぐるりと私の肩をおしてひっくり返した。

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