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17.発見-2
「ん……」
シュルークが私室のものより格段に上等な寝台で目を覚ますと、隣には裸のファルハードが眠っていた。シュルーク自身も全裸だ。
慣れてきたもので、シュルークは静かに起き出し寝台を下り、絨毯の上に脱ぎ捨てられた自分の服を拾って身に着けていく。
ファルハードには、あれから複数回抱かれていた。
最初は苦痛を伴う凌辱だったが、二回目からはなぜか一変した。たしか、突然腕を掴まれ、寝台の上に引きずり込まれたのが二回目の始まりだった。足を開けだとか命令するだけで他には何も言わないものの、恐怖を解きほぐし未知の快楽を引きずり出す、おそらくまともな性交だった。
帝国に来た当初のシュルークの頭の中には、それ以前の記憶がなく、蓄積した知識だけがある状態だった。そこには性交経験の記憶は無かったが、性行為に対する恐怖と苦痛の知識が存在した。そしてファルハードに最初に体を暴かれた時は、同じく痛くて恐ろしかった。
ところが、ファルハードとの二度目以降の性交では、痛みはなく、体の奥深くから湧き出る、表現しがたい感覚があった。弱い時はくすぐったいような、強い時は痺れるような、少し尿意に似た感覚。しかし際限なく欲しくなり、一定を超えると大きな波に意識を持っていかれる不思議な感覚だ。
これが性的な快感らしい。新しい発見である。
ちなみにファルハードがシュルークに快感を与えるようになった理由は不明だ。聞いても答えは返されないので、シュルークは主君のするようにさせている。
最後に顔を隠すいつもの帽子を被って身なりを整え終えたシュルークは、ファルハードが同じ調子で寝息を立てているのを横目で見つつ、皇帝の寝室を出た。
こうして夜中に起きて私室へ戻るのは億劫だが、妃でもないのに主君の寝台で眠り続けるわけにもいかず、目覚めたからにはいつも私室へ戻っている。
廊下には、近衛兵が幾人かと、シュルークの護衛をしている宦官のサドリがいた。
本来は皇帝と性交する立場にない女官長が寝室で何をしているのか、彼らは当然認識している。本人たちから何も言われずとも、成人した男女が夜中まで二人きりで寝室にいれば普通は察するだろうが。
「戻ります」
サドリに声をかけて、シュルークは歩き出す。サドリは歩みの遅いシュルークの後を、無言でついてくる。
普段のシュルークの杖は、石の廊下を突けばこつこつと高い音を立てる。しかし今は、杖の根本を布で包んで音が響かないようにしていた。布がすぐに弱るし歩きづらくなるので好ましくないのだが、皆が寝静まっている時間に女官の宿舎の廊下を杖の音を響かせて歩くのは忍びない。そこで、ファルハードから夜に呼び出されるようになってからは、杖の先端に布を履かせて部屋を出ている。
皇帝の寝室のある第一宮殿を出て、渡り廊下から後宮のある方向へ行く。女官の宿舎は後宮の近くに建っている。
渡り廊下には火の灯されたランプが点在しているが、宿舎はそこから外れていくし、宿舎の中は皆寝ているので明かりは消えている。そのため後ろをついてくるサドリがランプを手に送ってくれるのはありがたいことだった。シュルークは基本的に両手で杖を扱うので、夜間は月明りに頼るしかない。
シュルークが私室のものより格段に上等な寝台で目を覚ますと、隣には裸のファルハードが眠っていた。シュルーク自身も全裸だ。
慣れてきたもので、シュルークは静かに起き出し寝台を下り、絨毯の上に脱ぎ捨てられた自分の服を拾って身に着けていく。
ファルハードには、あれから複数回抱かれていた。
最初は苦痛を伴う凌辱だったが、二回目からはなぜか一変した。たしか、突然腕を掴まれ、寝台の上に引きずり込まれたのが二回目の始まりだった。足を開けだとか命令するだけで他には何も言わないものの、恐怖を解きほぐし未知の快楽を引きずり出す、おそらくまともな性交だった。
帝国に来た当初のシュルークの頭の中には、それ以前の記憶がなく、蓄積した知識だけがある状態だった。そこには性交経験の記憶は無かったが、性行為に対する恐怖と苦痛の知識が存在した。そしてファルハードに最初に体を暴かれた時は、同じく痛くて恐ろしかった。
ところが、ファルハードとの二度目以降の性交では、痛みはなく、体の奥深くから湧き出る、表現しがたい感覚があった。弱い時はくすぐったいような、強い時は痺れるような、少し尿意に似た感覚。しかし際限なく欲しくなり、一定を超えると大きな波に意識を持っていかれる不思議な感覚だ。
これが性的な快感らしい。新しい発見である。
ちなみにファルハードがシュルークに快感を与えるようになった理由は不明だ。聞いても答えは返されないので、シュルークは主君のするようにさせている。
最後に顔を隠すいつもの帽子を被って身なりを整え終えたシュルークは、ファルハードが同じ調子で寝息を立てているのを横目で見つつ、皇帝の寝室を出た。
こうして夜中に起きて私室へ戻るのは億劫だが、妃でもないのに主君の寝台で眠り続けるわけにもいかず、目覚めたからにはいつも私室へ戻っている。
廊下には、近衛兵が幾人かと、シュルークの護衛をしている宦官のサドリがいた。
本来は皇帝と性交する立場にない女官長が寝室で何をしているのか、彼らは当然認識している。本人たちから何も言われずとも、成人した男女が夜中まで二人きりで寝室にいれば普通は察するだろうが。
「戻ります」
サドリに声をかけて、シュルークは歩き出す。サドリは歩みの遅いシュルークの後を、無言でついてくる。
普段のシュルークの杖は、石の廊下を突けばこつこつと高い音を立てる。しかし今は、杖の根本を布で包んで音が響かないようにしていた。布がすぐに弱るし歩きづらくなるので好ましくないのだが、皆が寝静まっている時間に女官の宿舎の廊下を杖の音を響かせて歩くのは忍びない。そこで、ファルハードから夜に呼び出されるようになってからは、杖の先端に布を履かせて部屋を出ている。
皇帝の寝室のある第一宮殿を出て、渡り廊下から後宮のある方向へ行く。女官の宿舎は後宮の近くに建っている。
渡り廊下には火の灯されたランプが点在しているが、宿舎はそこから外れていくし、宿舎の中は皆寝ているので明かりは消えている。そのため後ろをついてくるサドリがランプを手に送ってくれるのはありがたいことだった。シュルークは基本的に両手で杖を扱うので、夜間は月明りに頼るしかない。
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